若松駅

福岡県北九州市若松区にある九州旅客鉄道の駅

若松駅(わかまつえき)は、福岡県北九州市若松区白山一丁目にある、九州旅客鉄道(JR九州)筑豊本線(若松線)のである。駅番号はJE06。同線の起点駅。

若松駅
リニューアルされた駅舎(2020年2月)
わかまつ
Wakamatsu
(2.9 km) 藤ノ木 JE05
地図
所在地 北九州市若松区白山[1]一丁目18-1
北緯33度54分4.01秒 東経130度48分22.71秒 / 北緯33.9011139度 東経130.8063083度 / 33.9011139; 130.8063083座標: 北緯33度54分4.01秒 東経130度48分22.71秒 / 北緯33.9011139度 東経130.8063083度 / 33.9011139; 130.8063083
駅番号 JE  06 
所属事業者 九州旅客鉄道(JR九州)
所属路線 筑豊本線(若松線)
キロ程 0.0 km(若松起点)
電報略号 ワカ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線[1]
乗車人員
-統計年度-
942人/日(降車客含まず)
-2021年-
開業年月日 1891年明治24年)8月30日[1][2]
備考 直営駅
みどりの窓口[注釈 1]
駅集中管理システム(Smart Support Station)導入駅
九 北九州市内
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歴史

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大正時代に新築された若松駅舎

筑豊興業鉄道により1891年明治24年)8月30日に開設された。当初から石炭の積み出しを主な目的とし、若松駅と若松港の設備の拡張が並行して行われ、石炭桟橋から石炭を積み出した。

構内は広大で、多数の石炭車が常時出入りしていた。ガントリークレーンホイストなどの積み下ろし設備が各種整備され、最盛期の1940年昭和15年)には年間830万トンの積み出しを行っていた。一時第二次世界大戦のために衰えるが、戦後も再び同じくらいの貨物取り扱いをして、ほぼ常時日本で一番貨物取り扱いの多い駅であった[注釈 2]。隣接地には若松機関区(1984年1月末で廃止)を有していた。

しかし、エネルギー革命の進展により、石炭の取り扱いは急速に減少していき、1970年(昭和45年)にはホイストとガントリークレーンの使用が停止され、1982年(昭和57年)11月には貨物輸送が廃止されるに至った。翌1983年(昭和58年)4月から構内の整理が開始され、旧駅舎が取り壊されて建て直されると共に、側線群のほぼ全てが撤去され、現在に見る純粋な旅客駅となった。

新駅舎となってからも、客車列車が運行されていた1990年代前半頃までは複数のホームを使用していたが、現在は1面2線のみとなっている。

年表

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駅構造

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頭端式ホーム1面2線を有する[1]地上駅で南側に1本の側線が存在する。以前は石炭の積出港として広大なヤードを備えていた[1]。現在、その跡地は、駅前広場等公共施設用地として整備されたり、「久岐の浜シーサイド」として数多くのマンション市営住宅が建設されている。同じ蓄電池電車の運行される終点駅の烏山駅烏山線)や男鹿駅男鹿線)と異なり、蓄電池充電用の架線設備を持たない。

JR九州本体が駅業務を行う直営駅で、みどりの窓口が設置されている。ただし駅遠隔案内システム「ANSWER」(Smart Support Station)が導入された2017年3月4日以降、駅員配置時間は早朝の6時30分から8時30分までの時間帯のみとなり、それ以外の時間帯は無人になる(中間駅併設のサポートセンターからの遠隔管理)。自動券売機および自動改札機が設置されており、SUGOCA等のICカードと磁気券が利用可能である。自動改札機の磁気券投入口は塞がれているが、若松駅では磁気券を投入せずにそのまま通過し、降車時は運賃箱に磁気券、運賃等を投入する。また、無記名式SUGOCA自動券売機で新規発行が可能である。[15]

改札外正面には駅うどん・そば店(東筑軒)が併設されている。

地域おこしの一環として、「九州におけるジャズ音楽の発祥の地」として、接近放送に併せてジャズのスタンダードソングである「聖者の行進」を使用しているほか、構内で昼間に限りジャズ音楽を流している[11][12]

のりば

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のりば 路線 方向 行先
1・2   若松線 下り 折尾方面

駅弁

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東筑軒が製造・販売する主な駅弁は下記の通り[16]

利用状況

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2020年(令和2年)度の1日平均乗車人員906人である[利用客数 1]

JR九州及びとうけい北九州によると、近年の1日平均乗車人員の推移は下記の通り。

年度 1日平均
乗車人員[17]
2000年 1,621
2001年 1,601
2002年 1,551
2003年 1,521
2004年 1,506
2005年 1,437
2006年 1,426
2007年 1,381
2008年 1,359
2009年 1,306
2010年 1,311
2011年 1,345
2012年 1,358
2013年 1,390
2014年 1,317
2015年 1,365
2016年 1,342
2017年 1,230
2018年 1,208
2019年 1,146
2020年 906

駅周辺

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駅舎の正面を国道495号が通過し、駅北方の「若松駅前」交差点で国道199号と国道495号が交わる(同交差点は国道495号の起点でもある)。駅前広場に路線バスは乗り入れず、最寄のバス停は国道199号沿いの「大橋通り」、西鉄バスの「若松駅前」と北九州市営バスの「若松駅」バス停(いずれも二島方面のみ設置)、国道495号沿いに設置されている「若松市民会館前」バス停。北九州市交通局(北九州市営)と西鉄バス北九州(西鉄)のバスが停車するが、西鉄の「若松駅前」バス停は終点及び戸畑方面は「大橋通り」始発のため降車専用となっているほか、「若松市民会館前」バス停に停車する便は2017年4月以降は北九州市営のみとなっている。

その他

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  • かつて若松駅は石炭輸送の拠点でもあった。駅のすぐ近くの下り線側には高さ8m、長さ1200mもある日本一の石炭さん橋があった。
  • 駅前広場には国鉄9600形蒸気機関車(19633号機)が静態保存されている。以前は駅北側にあった白山公園に保存されていたが、駅周辺再開発によって現在地に移動し、当駅の歴史を記載した掲示板も設置されている。しかし、ほぼ放置に近い状態であり荒廃が進んでいたため、北九州市では2019年に機関車の譲渡先を募集し、最終的に食品メーカーの山口油屋福太郎が選ばれた。同社の福岡県添田町にある工場内に移設される予定とされたが[18]、2022年2月時点で移設は行われていない。

隣の駅

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九州旅客鉄道(JR九州)
  若松線(筑豊本線)
若松駅(JE06) - 藤ノ木駅(JE05)

脚注

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記事本文

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注釈

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  1. ^ 6:30 - 8:30の間は窓口手続きができるように係員を配置している。
  2. ^ 博多駅駅長よりも若松駅駅長の方が格が高かったという[3]

出典

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  1. ^ a b c d e f 『週刊JR全駅・全車両基地』第07号、朝日新聞出版、2012年9月23日、21頁。 
  2. ^ a b c 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 4号、12頁
  3. ^ 石井幸孝『国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊』中央公論新社、2022年8月25日、223頁。ISBN 978-4-12-102714-6OCLC 1342612656 
  4. ^ 『週刊JR全駅・全車両基地』第07号、朝日新聞出版、2012年9月23日、30-31頁。 
  5. ^ a b 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 4号、13頁
  6. ^ a b 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、784頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  7. ^ 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 4号、15頁
  8. ^ 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2009年3月3日) 
  9. ^ 筑豊本線の一部が「Smart Support Station」に変わります』(PDF)(プレスリリース)九州旅客鉄道、2017年2月3日。オリジナルの2018年9月28日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180928044356/https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2017/02/03/20170203tikuhouhonsensss.pdf2020年2月7日閲覧 
  10. ^ “駅遠隔案内システム導入 新入-若松間 筑豊線、11駅無人化”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2017年2月8日) 
  11. ^ a b 若松駅でジャズによる放送案内をはじめます!』(PDF)(プレスリリース)九州旅客鉄道、2018年11月27日。オリジナルの2019年3月6日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190306040320/http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2018/11/27/181127wakamatsu.pdf2020年2月7日閲覧 
  12. ^ a b “「ジャズの街」駅メロも JR若松駅(探検!九州・沖縄) はっけん旅の窓”. 日本経済新聞. 日本経済新聞社. (2019年1月6日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39648710U9A100C1MLY000/ 2019年4月15日閲覧。 
  13. ^ 北九州事業所”. JR九州サービスサポート. 2021年12月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月25日閲覧。
  14. ^ 鉄道駅業務”. JR九州サービスサポート. 2023年10月2日閲覧。
  15. ^ SUGOCA 利用可能エリア 九州旅客鉄道、2019年4月1日時点(2020年1月13日閲覧)。
  16. ^ 『JTB時刻表 2024年3月号』JTBパブリッシング、2024年、453頁。 
  17. ^ とうけい北九州(運輸・通信) JR乗降客人員
  18. ^ 筑豊線保存SL、せんべい工場へ”. 西日本新聞me. 西日本新聞社 (2020年2月10日). 2022年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月10日閲覧。

利用状況

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  1. ^ 駅別乗車人員上位300駅(2020年度)” (PDF). 九州旅客鉄道. p. 1. 2021年9月17日閲覧。

参考文献

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  • 九州鉄道百年祭実行委員会・百年史編纂部会 九州の鉄道100年記念誌『鉄輪の轟き』九州旅客鉄道 1988年
  • 曽根悟(監修)(著)、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)(編)「筑豊本線・日田彦山線・後藤寺線・篠栗線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第4号、朝日新聞出版、2009年8月2日。 

関連項目

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外部リンク

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  • 若松駅(駅情報) - 九州旅客鉄道