第64回国会
1970年11月に召集された臨時国会
第64回国会(だい64かいこっかい)は、1970年11月25日に召集された臨時国会。公害問題に関する法令の抜本的な整備を行ったことから、公害国会(こうがいこっかい)の通称で知られる[1]。
概要
編集1960年代は、日本の高度経済成長に伴って、公害問題が悪化していった。また、法律も経済活動を優先させるような面を持っていたため、効果があまりなかった。
そこで、1970年7月に内閣総理大臣を本部長とする公害対策本部が設けられた。また、関係閣僚からなる公害対策閣僚会議を設置し、公害対策の基本的な問題についての検討を行った。この体制下で、公害関係法令の抜本的な整備を目的として、「公害国会」が開かれた。ここで、公害関係14法案が提出され、可決・成立した。
この公害国会の後、環境政策の進展のために、環境庁(現:環境省)が設置されることとなった。
この国会は日本国憲法第53条に基づき一方の議院の総議員の4分の1以上の要求による臨時会であるが、1970年6月1日に要求されたのに対して176日後の11月24日に召集したのは、日本国憲法史上最も遅い記録となっている。
主な内容
編集- 公害の防止に対する国の基本的な姿勢の明確化
- 公害の範囲の明文化
- 規制の強化
- 自然環境保護の強化
- 事業者責任の明確化
- 地方公共団体の権限の強化
可決成立した法案
編集新規
編集改正
編集脚注
編集- ^ “環境白書 (4) 環境庁の設置 ア 公害対策本部の設置と公害国会”. 環境省. 2015年7月24日閲覧。