福島女性飲食店経営者殺害事件

福島女性飲食店経営者殺害事件(ふくしまじょせいいんしょくてんけいえいしゃさつがいじけん)とは、1990年平成2年)5月2日福島県西白河郡矢吹町で発生した強盗殺人事件である。

事件

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1990年(平成2年)5月2日の夕方、無期懲役刑仮釈放中で郷里の矢吹町に住んでいた加害者の男T(当時51歳)は、近所の飲食店内で経営者の女性(当時41歳)の後頭部をハンマーで滅多打ちにして殺害し、約25,000円入りのバッグを盗んで逃走した[1][2]

同年5月12日、加害者Tは福島県警捜査本部から参考人として事情聴取されたとき、自宅で割腹自殺を図って入院し、仮釈放が取り消されて宮城刑務所収監された[1]。その後、Tは1991年(平成3年)1月16日逮捕された[1]

裁判

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1967年昭和42年)2月、Tは埼玉県川越市で起こした強盗殺人事件で無期懲役判決を受けて千葉刑務所に服役し、1990年(平成2年)2月に仮出所していた[1]

1992年(平成4年)6月18日福島地裁郡山支部(慶田康男裁判長)は「その非道な犯行・反省無き態度から更生は困難」として、被告人Tに検察の求刑通り死刑判決を言い渡した[3]。被告人Tは控訴しなかったため、そのまま死刑が確定した[2]。なお、公判の最中に重要証拠となった犯行当時に履いていたサンダルを発見した女性に対し、「サンダルをありがとう。あんたのことは忘れないよ」という恨み言を書いた葉書を送り付けている。

死刑執行

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死刑囚Tは仙台拘置支所(宮城刑務所に隣接)に収監されていたが、1999年(平成11年)9月1日には死刑廃止運動団体「死刑廃止・たんぽぽの会」(福岡県福岡市)代表が、東京福岡の拘置所長と仙台拘置支所長を相手取り、Tを含む4人の拘置中の死刑囚人身保護請求福岡地裁に申し立てた[4]

しかし1999年(平成11年)9月10日、死刑囚Tは宮城刑務所で死刑を執行された[2]。なお、同日にはこの事件と同様に殺人事件を起こして無期懲役刑に処されたが、仮釈放後に再び殺人ないし強盗殺人事件を起こして、1992年(平成4年)に死刑が確定した死刑囚2人(東京都北区幼女殺害事件熊本母娘殺害事件の各死刑囚)にも死刑が執行された[2]

脚注

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  1. ^ a b c d 「福島の飲食店ママ殺し 服役中の男を逮捕--福島県警」、毎日新聞東京夕刊、1991年1月16日、15頁。
  2. ^ a b c d 「東京、福岡、仙台で3人に死刑執行」、読売新聞東京夕刊、1999年9月10日、1頁。
  3. ^ 「仮出所中に強盗殺人、T被告に死刑の判決--福島地裁郡山支部」、毎日新聞東京朝刊、1992年6月19日、31頁。
  4. ^ 「死刑囚の人身保護、福岡地裁に申し立て--廃止団体代表」、毎日新聞西部朝刊、1999年9月2日。

関連項目

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過去に殺人事件を起こして無期懲役刑で服役後、仮釈放中に再び殺人事件を起こして死刑が確定した事例