磁気偏角
磁気偏角(英: magnetic declination または magnetic variation)は、真北(北極点)と方位磁針が指す磁北(北磁極、地磁気が示す北)とのずれのことである。単に偏角とも呼ばれる。
日本における磁気偏角
編集日本での磁気偏角の値は、ほぼ −4〜−11 度である[1]。負の数であるから、真北よりも磁北のほうが西にずれている(西偏という)。本州全域ではほぼ −8 度であり、沖縄県の石垣島では約 −5 度、北海道の大部分では約 −10 度である[1]。
磁気偏角の測定
編集地磁気は、地球核の対流などの要因で長い期間をかけて変化している。そのため、継続的に学者たちによって測定され、測定されたデータは、アメリカ地質調査所、国土地理院[1]などで公開されている。
磁気嵐の影響で極付近では30°、中緯度では約2°の誤差が出る場合がある[2]
測定方法
編集天測により、ほぼ正確に真北がわかるので、そこから磁針のずれを見ればよい。この測定に使われる器具は、傾角計 (declinometer) と呼ばれる。
磁気偏角以外の磁針のずれ
編集磁気偏角以外でも、磁針にずれが生じる例がある。
- 磁気異常(Magnetic anomaly)- 地中の磁鉄鉱、鉄の鉱床などの影響も受ける可能性がある。
- 自差(Magnetic deviation)- 船や飛行機は、大気や海などの摩擦によって磁気を帯び、方角を示すコンパスを狂わせる。この狂いを自差と呼ぶ。
- 磁気伏角(Magnetic dip) - 地磁気の3要素のひとつで、磁針が下側を指す角度。
出典
編集- ^ a b c 国土地理院 2020.
- ^ W. Kahl (1996). Navigation für Expeditionen, Touren, Törns und Reisen. Orientierung in der Wildnis.. Hattorf am Harz: Schettler Publikationen. p. 156. ISBN 3-88953-301-9
参考文献
編集関連項目
編集- ジャイロコンパス
- 沈括 - 中国北宋時代の天文学者。著書『夢渓筆談』(ほぼ元祐年間、1086年 - 1094年)の中で、歴史的に初めて磁気偏角について言及した。
- クリストファー・コロンブス(1451年ごろ - 1506年) - 磁気偏角の発見者とされることがある。
- 天測
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- アストロコンパス - (別名:天測コンパス)
- 地図を見るうえでのずれ
- 磁石
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- en:Circumferentor - 調査師のコンパス?
- Lシェル(en:L-shell) - 地磁界を使った宇宙空間内での位置を示す指標
- 国際標準地球磁場(en:International Geomagnetic Reference Field)
- en:World Magnetic Model - 5年ごとに更新される航行用磁気偏角のマップモデル
外部リンク
編集- USGS Geomagnetism Program
- IPアドレスから磁気偏角を示すサイト
- Online declination calculator at the National Geophysical Data Center (NGDC)
- Online declination and field strength calculator at the NGDC
- Mobile web-app for magnetic declination at the NGDC
- Historical magnetic declination viewer at the NGDC
- Magnetic declination calculator at Natural Resources Canada
- A Google spreadsheet application to bulk calculate magnetic declination
- World Magnetic Model source code download site