沓掛時次郎
『沓掛時次郎』(くつかけときじろう)は、長谷川伸が1928年[1]に発表した戯曲。博徒の男が、行きがかりで殺害した男の妻子とともに旅をする物語。いわゆる「股旅物」の傑作と評され[1]、演劇以外の媒体でも作品化された。本作ではこれらの映像化作品、楽曲、漫画についても記述する。
原作
編集1928年6月、雑誌『騒人』に掲載され、同年11月に単行本化、12月に新国劇によって帝国劇場で初演された[1]。
- 書誌
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- 沓掛時次郎 他5篇(柳蛙書房 1928年)
- 現代大衆文学全集 続11 長谷川伸集 沓掛時次郎外十四篇(平凡社 1931年)
- 沓掛時次郎(春陽堂 1932年)
- 長谷川伸戯曲集 1 沓掛時次郎(新小説社 1935年)
- 長谷川伸全集 15 戯曲1(朝日新聞社 1971年)
外部リンク(原作)
編集映画
編集8度にわたり映画化された。
1929年
編集1929年6月14日公開。製作は日活。
キャスト(1929年)
編集- 沓掛時次郎:大河内伝次郎
- 六ツ田の三蔵:葛木香一
- 女房おきぬ:酒井米子
- 倅太郎吉:尾上助三郎
- 大野木百助:寺島貢
- 苫屋半太郎:尾上桃華
- 磯目の鎌吉:藤野龍太郎
- 中ノ川玉五郎:實川延一郎
- 安宿の亭主・安兵衛:中村吉次
- 女房おかん:杉浦くに
- 八丁礫伝兵衛:磯川元春
- 聖天権兵衛:中村紅果
スタッフ(1929年)
編集外部リンク(1929年)
編集1932年
編集1932年5月20日公開。製作は日活。
キャスト(1932年)
編集- 沓掛時次郎:海江田譲二
- 六ツ田三蔵:賀川清
- 女房おきぬ:酒井米子
- 伜太郎吉:尾上助三郎
- 大野木百助:中村紅果
- 苫屋半太郎:尾上桃華
- 磯目の鎌吉:尾上華丈
- 中ノ川玉五郎:実川延一郎
- 安宿亭主安兵衛:中村吉次
- 女房おかん:杉浦くに
- 八丁畷徳兵衛:磯川勝彦
- 聖天権兵衛:寺島貢
スタッフ(1932年)
編集- 監督:辻吉朗
- 脚色:石川文一
- 原作:長谷川伸
外部リンク(1932年)
編集1934年
編集1934年1月13日公開。製作は松竹キネマ。
キャスト(1934年)
編集スタッフ(1934年)
編集- 監督・脚色:衣笠貞之助
- 原作:長谷川伸
外部リンク(1934年)
編集1936年
編集1936年11月15日公開。製作は新興キネマ。
キャスト(1936年)
編集- 沓掛時次郎:浅香新八郎
- 六ツ田の三蔵:尾上栄五郎
- 三蔵の女房おきぬ:山田五十鈴
- 太郎吉:日高昇子
- 親分八町徳:葛木香一
- 苫屋の半太郎:寺島貢
- 大野木百助:芝田新
- 聖天の権:荒木忍
- 安宿の亭主・安兵衛:森田肇
- 安兵衛の妻・おろく:三保敦美
- 鎌吉:桜井勇
スタッフ(1936年)
編集外部リンク(1936年)
編集1953年
編集『浅間の鴉』(あさまのからす)の題で1953年2月12日公開。製作は大映。
キャスト(1953年)
編集- 沓掛時次郎:長谷川一夫
- おきぬ:山根寿子
- 六ツ田の三造:黒川弥太郎
- 大野木の百助:東野英治郎
- 苫屋の半太郎:石黒達也
- 聖権の親分:上田吉二郎
- 安宿の安兵衛:四代目淺尾奥山
- 八丁徳の親分:澤村國太郎
- おろく:清川虹子
- 芸妓・竹子:長谷川照容
- 芸妓・松子:浪花千栄子
スタッフ(1953年)
編集- 監督:田坂勝彦
- 脚本:衣笠貞之助
- 原作:長谷川伸「沓掛時次郎」
外部リンク(1953年)
編集1954年
編集沓掛時次郎 | |
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監督 | 佐伯清 |
脚本 |
菊島隆三 井手雅人 |
製作 | 星野和平 |
出演者 |
島田正吾 水戸光子 |
音楽 | 清瀬保二 |
撮影 | 藤井静 |
製作会社 | 日活 |
配給 | 日活 |
公開 | 1954年7月27日 |
上映時間 | 98分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
1954年7月27日公開。製作は日活。
キャスト(1954年)
編集- 沓掛時次郎:島田正吾
- おきぬ:水戸光子
- 六ッ田の三蔵:辰巳柳太郎
- 八丁徳:野村清一郎
- 大野木の百助:石山健二郎
- 亭主・安兵衛:秋月正夫
- 安兵衛の女房・おろく:久松喜世子
- 六部:河村憲一郎
- 八掛見:田島義文
- 医者道庵:左卜全
- 聖天権:笈川武夫
- 越後屋孫右衛門:片桐常雄
- ガチャ目の喜十:深水吉衛
- 溜田の茂三郎:天草四郎
- 苫屋の半太郎:外野村晋
- 磯月の鎌吉:坂内英二郎
- 太郎吉:香川良久
- 下野屋与兵衛:三島雅夫
- 与兵衛の女房・おしの:外崎恵美子
- やらずの政:宮島誠次
- 風来の伝吉:最上良八郎
- 浪人:中村是好
スタッフ(1954年)
編集外部リンク(1954年)
編集1961年
編集1961年6月14日公開。製作は大映。
キャスト(1961年映画)
編集- 沓掛時次郎:市川雷蔵
- おきぬ:新珠三千代
- おろく:杉村春子
- 六ツ田の三蔵:島田竜三
- 太郎吉:青木しげる
- 聖天の権威:稲葉義男
- 八丁畷徳兵衛:志村喬
- 赤田三十郎:千葉敏郎
- 溜田の助五郎:須賀不二男
- おとわ:滝花久子
- 源右衛門:荒木忍
- 玄庵:志水元
- 大野木の百助:村上不二夫
- 苫屋の半太郎:寺島貢
- 磯田の鎌吉:木村玄
- 政吉:高倉一郎
スタッフ(1961年映画)
編集外部リンク(1961年映画)
編集1966年
編集『沓掛時次郎 遊侠一匹』(くつかけときじろう ゆうきょういっぴき)の題で1966年4月1日公開。製作は東映、主演は初代中村錦之助。
テレビドラマ
編集1959年
編集1959年4月14日から同年5月5日、フジテレビで「鶴田浩二シリーズ 沓掛時次郎」(火曜19:30 - 20:00)として放送。
キャスト(1959年)
編集フジテレビ 鶴田浩二シリーズ | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
沓掛時次郎
(1959年版) |
1961年
編集1961年2月9日から2月23日まで、フジテレビの『新国劇アワー』(木曜20:30 - 21:00)で放映(全3回)。
キャスト(1961年テレビドラマ)
編集フジテレビ系 新国劇アワー | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
沓掛時次郎
(1961年版) |
1967年
編集1967年10月26日・11月2日、フジテレビの『シオノギテレビ劇場』にて、前編・後編の2回に分けて放映。大野木直之演出。
キャスト(1967年)
編集フジテレビ系 シオノギテレビ劇場 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
沓掛時次郎
(1967年版) |
1972年
編集1972年10月4日・10月11日、NET(現・テレビ朝日)の、『長谷川伸シリーズ』(水曜21:00 - 21:55)にて、前編・後編の2回に分けて放映。同番組の第1回作品。
キャスト(1972年)
編集- 沓掛時次郎:鶴田浩二
- おきぬ:松尾嘉代
- おろく:三益愛子
- 蛙ヶ池の仙太:田中邦衛
- 大野木の百助:遠藤辰雄
- 聖天の権太郎:天津敏
- 太郎吉:池田義彦
- 苫屋の半太郎:楠本健二
- 明神の親分:小田部通麿
- 安兵衛:北村英三
- ナレーター:小沢栄太郎
- 六ツ田の三蔵:菅原文太
- 八丁徳:片岡千恵蔵
スタッフ(1972年)
編集NET系 水曜21時枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
沓掛時次郎
(1972年版) |
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NET系 長谷川伸シリーズ | ||
(なし)
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沓掛時次郎
(1972年版) |
雪の渡り鳥
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1981年
編集時代劇スペシャル 沓掛時次郎 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 長谷川伸 |
脚本 | 新藤兼人 |
監督 | 松尾昭典 |
出演者 |
大川橋蔵 林与一 山本陽子 西村晃 乙羽信子ほか |
製作 | |
プロデューサー |
秋田亨 松平乘道 清水敬三 澤井謙爾 |
制作 |
フジテレビジョン 東映 |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1981年4月17日 |
放送時間 | 20:02 - 21:48 |
放送枠 | 時代劇スペシャル |
特記事項: 「時代劇スペシャル」第1回放送 |
1981年4月17日、フジテレビの『時代劇スペシャル』で放映(第1回)。
なお関東地区では1984年12月14日、1週間前の12月7日に死去した大川橋蔵の追悼特集として、『サンデーイベントアワー』(日曜 13:00 - 14:55)枠で再放送された。
キャスト(1981年)
編集- 沓掛時次郎:大川橋蔵
- 六ツ田の三蔵:林与一
- おきぬ:山本陽子
- 安兵衛:西村晃
- おろく:乙羽信子
- 太郎吉:加瀬悦孝
- 朴庵:笑福亭仁鶴
- 大野木の百助:山本昌平
- 苫屋の半太郎:丹古母鬼馬二
- 蟹屋の助蔵:内田稔
スタッフ(1981年)
編集フジテレビ系 金曜20:02 - 21:48枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
沓掛時次郎
(1981年版) |
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フジテレビ系 時代劇スペシャル | ||
(なし)
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沓掛時次郎
(1981年版) |
怪盗鼠小僧といれずみ判官
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漫画
編集劇画・長谷川伸シリーズとして『関の弥太っぺ』に続く第2作として、漫画家小林まことにより講談社『イブニング』にて2010年に連載されている。