村林一輝
村林 一輝(むらばやし いつき、1997年10月6日 - )は、大阪府堺市東区出身のプロ野球選手(内野手)。右投右打。東北楽天ゴールデンイーグルス所属。
東北楽天ゴールデンイーグルス #6 | |
---|---|
2017年3月5日 さいたま市営浦和球場 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 大阪府堺市東区 |
生年月日 | 1997年10月6日(27歳) |
身長 体重 |
180 cm 73 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 内野手 |
プロ入り | 2015年 ドラフト7位 |
初出場 | 2017年10月10日 |
年俸 | 5800万円(2025年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
| |
国際大会 | |
代表チーム | 日本 |
プレミア12 | 2024年 |
この表について
|
獲得メダル | ||
---|---|---|
男子 野球 | ||
日本 | ||
WBSCプレミア12 | ||
銀 | 2024 |
経歴
編集プロ入り前
編集小学校1年から菩提フォルコンズで野球を始め、小学5年から美原ベアーズへ[2]。堺市立南八下中学校から大阪府立大塚高等学校へ進学。1年から遊撃手兼投手でレギュラーを掴み、2年の秋には4番でエースとなった。3年の夏の第97回全国高等学校野球選手権大阪大会では初戦の大商大高校戦で中盤足をつりながらも12回3失点と好投したが敗退。
2015年10月22日に行われたプロ野球ドラフト会議では、東北楽天ゴールデンイーグルスから野手として7位指名を受け、契約金2000万円、年俸500万円で合意(金額は推定)[2]、入団した。背番号は66。大塚高校出身者としては初のプロ野球選手となった。
楽天時代
編集2016年、主に育成試合や二軍で過ごした。ファームでは三塁手として7試合、遊撃手として16試合に出場し、25打席に立ったが無安打に終わった。オフには現状維持となる推定年俸500万円で契約を更改した。
2017年、二軍では遊撃手でレギュラーとなり、リーグトップの119試合に出場、打率.246を記録した[3]。9月28日に初めて一軍に登録され、試合には出場せず9月30日に抹消されたが、最終戦となった10月10日に再び一軍登録され、対千葉ロッテマリーンズ戦(Koboパーク宮城)に「9番・遊撃手」でプロ初の先発出場。初打席で成田翔からプロ初安打を放った。オフには100万円増となる推定年俸600万円で契約を更改した。
2018年、28試合に出場し、打率.114・2打点の成績を残し、オフには30万円増の推定年俸630万円で契約を更改した。
2019年、守備固めを中心に49試合に出場。二塁・三塁・遊撃をこなせるユーティリティープレイヤーとして自己最多の出場機会を記録した。しかし打撃面の課題が浮き彫りとなり、シーズンの半分以上を一軍で過ごしながら僅か2安打、四死球による出塁は0回と打者としては苦しんだ。オフには100万円増の推定年俸730万で契約を更改した。
2020年、シーズンでは一軍で僅か3試合の出場で安打は1本も打つことが出来なかった。11月7日に行われたファーム日本選手権では決勝打を含む5打数4安打2打点の活躍でMVPに選出され、球団初のファーム日本一に大きく貢献した[4]。オフには30万円減の推定年俸700万円で契約を更改した。
2021年、5月4日の対福岡ソフトバンクホークス戦(福岡PayPayドーム)で笠谷俊介からプロ初本塁打となる右越2点本塁打を放ち[5]、5月15日の対オリックス・バファローズ戦(ほっともっとフィールド神戸)ではプロ初盗塁を決めた。シーズンを通して一軍に帯同し、守備固めと代走を中心に自己最多の79試合に出場した。オフには250万円増の推定年俸950万円で契約を更改した。
2022年、シーズン開幕から一軍に帯同。主に守備固めや代走として起用。シーズン終盤には 新型コロナウイルスに感染し離脱したが1年間通して存在感を示した。また二塁、三塁、遊撃の他に一塁手としても試合に出場し、内野の全ポジションをこなした。オフには50万円増の推定年俸1000万円で契約を更改した[6]。
2023年は打撃コーチの今江敏晃の助言で、これまでのバットを上から落とすようなスイングからすくい上げるようなスイングにするなど、体の使い方やスイングの軌道を変えると打撃が向上[7]。7月2日の対ロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)で自己最多の1試合4安打5打点を記録した[8]。同月30日の埼玉西武ライオンズ戦では水上由伸からプロ入り初のサヨナラ打を放った[9]。自己最多98試合に出場し、打率.256、2本塁打、32打点を記録。1700万円増の推定年俸2700万円で契約を更改した[10]。
選手としての特徴・人物
編集高い守備力が持ち味の内野手[11]。球際の強さ、地肩の強さ、内野全ポジションをこなす器用性を兼ね備える[11]。村林自身は遊撃手のポジションでのゴールデングラブ賞獲得を目標とする[12]。初めて得票資格を得た2023年の同賞の記者投票では僅か7票の4位に終わるも[13]、フジテレビ『S-PARK』が毎年実施している選手間の推薦による「プロ野球100人分の1位」の守備部門では3位になっている[14]。一方でプロ入り後は打撃を課題としているが[11]、2023年から向上の兆しを見せている[15]。高校時代は投手として最速143km/hを投げ、野手としては遠投110m、50m走は6秒2を記録している[2]。
愛称は「いっくん」、「いっちゃん」、「ムラ」[16]。
詳細情報
編集年度別打撃成績
編集年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | 楽天 | 1 | 3 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | .500 | .667 | .500 | 1.167 |
2018 | 28 | 49 | 44 | 3 | 5 | 1 | 0 | 0 | 6 | 2 | 0 | 1 | 2 | 0 | 3 | 0 | 0 | 12 | 2 | .114 | .170 | .136 | .307 | |
2019 | 49 | 25 | 24 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 1 | .083 | .083 | .125 | .208 | |
2020 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | .000 | .000 | .000 | |
2021 | 79 | 47 | 40 | 3 | 6 | 1 | 0 | 1 | 10 | 4 | 4 | 2 | 5 | 0 | 2 | 0 | 0 | 8 | 2 | .150 | .190 | .250 | .440 | |
2022 | 47 | 17 | 16 | 9 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 5 | 0 | .188 | .235 | .188 | .423 | |
2023 | 98 | 340 | 301 | 35 | 77 | 14 | 2 | 2 | 101 | 32 | 11 | 5 | 12 | 2 | 21 | 0 | 4 | 55 | 12 | .256 | .311 | .336 | .647 | |
2024 | 139 | 571 | 518 | 51 | 125 | 13 | 3 | 6 | 162 | 50 | 5 | 1 | 23 | 7 | 21 | 0 | 2 | 91 | 11 | .241 | .270 | .313 | .583 | |
通算:8年 | 444 | 1053 | 946 | 105 | 219 | 30 | 5 | 9 | 286 | 88 | 20 | 12 | 43 | 9 | 49 | 0 | 6 | 177 | 28 | .232 | .271 | .302 | .574 |
- 2024年度シーズン終了時
年度別守備成績
編集年 度 |
球 団 |
一塁 | 二塁 | 三塁 | 遊撃 | ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2017 | 楽天 | - | - | - | 1 | 2 | 3 | 0 | 1 | 1.000 | |||||||||||||||
2018 | - | 12 | 9 | 8 | 1 | 1 | .944 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 15 | 23 | 25 | 2 | 4 | .960 | ||||||
2019 | - | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | 11 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1.000 | 39 | 16 | 22 | 1 | 2 | .974 | ||||||
2020 | - | - | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | .333 | |||||||||||
2021 | - | 22 | 10 | 24 | 1 | 3 | .971 | 27 | 6 | 6 | 1 | 1 | .923 | 23 | 10 | 12 | 0 | 1 | 1.000 | ||||||
2022 | 7 | 12 | 0 | 0 | 1 | 1.000 | 11 | 4 | 11 | 0 | 1 | 1.000 | 20 | 3 | 8 | 0 | 0 | 1.000 | 8 | 2 | 5 | 0 | 0 | 1.000 | |
2023 | 2 | 5 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 5 | 0 | 3 | 0 | 1 | 1.000 | 26 | 9 | 16 | 1 | 0 | .962 | 75 | 112 | 226 | 8 | 48 | .977 | |
2024 | - | - | - | 138 | 223 | 392 | 13 | 95 | .979 | ||||||||||||||||
通算 | 9 | 17 | 0 | 0 | 1 | 1.000 | 51 | 23 | 48 | 2 | 6 | .973 | 86 | 20 | 31 | 2 | 2 | .962 | 300 | 389 | 685 | 26 | 151 | .976 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
記録
編集- 初記録
- 初出場・初先発出場:2017年10月10日、対千葉ロッテマリーンズ25回戦(Koboパーク宮城)、「9番・遊撃手」で先発出場[20]
- 初打席・初安打:同上、2回裏に成田翔から二塁内野安打[20]
- 初打点:2018年9月8日、対北海道日本ハムファイターズ20回戦(楽天生命パーク宮城)、2回裏に上沢直之から右前適時打
- 初本塁打:2021年5月4日、対福岡ソフトバンクホークス7回戦(福岡PayPayドーム)、5回表に笠谷俊介から右越2ラン
- 初盗塁:2021年5月15日、対オリックス・バファローズ7回戦(ほっともっとフィールド神戸)、4回表に二盗(投手:田嶋大樹、捕手:頓宮裕真)
背番号
編集- 66(2016年 - 2024年)
- 6(2025年 - )
登場曲
編集- 「LOVE PHANTOM」B'z(2017年 - 2019年)
- 「虹」TEE(2020年)
- 「ピーターパン」優里(2021年 - 2022年)
- 「手を上げて」Bigfumi(2023年 - )
代表歴
編集脚注
編集- ^ 「楽天 - 契約更改 - プロ野球」『日刊スポーツ』。2024年12月4日閲覧。
- ^ a b c 「【楽天】市川海老蔵似のドラ7・村林「日本一のショートに」」『スポーツ報知』2015年11月16日。2016年11月6日閲覧。
- ^ 「2017年度 イースタン・リーグ 個人打撃成績(規定打席以上)」『NPB.jp 日本野球機構』。2024年4月20日閲覧。
- ^ 「楽天2軍村林「何が必要なのか考え直した」MVP打」『日刊スポーツ』2020年11月7日。2023年2月21日閲覧。
- ^ 「高卒6年目楽天村林一輝がプロ初ホームラン「素直にうれしい」逆方向右翼へ」『日刊スポーツ』2021年5月4日。2023年2月21日閲覧。
- ^ 「【楽天】村林一輝が50万円増1000万円更改「1年に1回しかない」約90分じっくり話し合い」『日刊スポーツ』日刊スポーツ新聞社、2022年11月11日。2024年4月19日閲覧。
- ^ “楽天イーグルスが待ち望んだ不動の遊撃手、村林一輝。スペシャリストよりもレギュラーを目指す質実剛健な野球哲学 | syncSPORTS by Rakuten”. 楽天イーグルスが待ち望んだ不動の遊撃手、村林一輝。スペシャリストよりもレギュラーを目指す質実剛健な野球哲学 | syncSPORTS by Rakuten (2024年10月4日). 2024年11月23日閲覧。
- ^ 「【楽天】村林一輝キャリアハイ1試合4安打5打点 石井監督も評価「こん棒の太さに見える」」『日刊スポーツ』日刊スポーツ新聞社、2023年7月2日。2024年4月19日閲覧。
- ^ 「【楽天】村林一輝プロ初サヨナラ打 手荒い祝福受け「抱きついたときにぶつかって鼻血出て痛い」」『日刊スポーツ』2023年7月30日。2023年12月25日閲覧。
- ^ 「【楽天】8年目でブレイクした村林一輝が2700万円で更改 来季活躍で藤田一也が背負った背番号6継承だ」『スポーツ報知』2023年11月25日。2023年12月25日閲覧。
- ^ a b c 「楽天・村林一輝 守備だけで満足はできない/守備職人のプライド | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2021年6月7日。2022年11月26日閲覧。
- ^ 「楽天・村林「プロ野球選手でショートを守っている以上、取りたい気持ちはある」遊撃でのGG賞獲得を目標に掲げる」『デイリースポーツ online』2023年10月20日。2023年11月20日閲覧。
- ^ 「楽天 村林がゴールデングラブ賞獲得に意欲 「野球選手なら取りたい賞」 今季得票は7票で4位」『Sponichi Annex』2023年11月11日。2023年11月20日閲覧。
- ^ 「S-PARK 2023/11/19(日)00:40 の放送内容」『TVでた蔵』。2023年11月20日閲覧。
- ^ ““打撃覚醒”楽天・村林一輝選手「きっかけはありすぎて一つに絞りきれない」今年の自己採点は意外にも“50点”そのワケは【ヒーローインタビュー】 | 宮城のニュース│tbc NEWS│tbc東北放送 (1ページ)”. tbc NEWS (2023年11月2日). 2024年11月23日閲覧。
- ^ 「66 村林 一輝 選手名鑑2023」『東北楽天ゴールデンイーグルス』。2023年7月6日閲覧。
- ^ 「楽天の”海老蔵”村林一輝が鋭い眼光を向ける相手 - プロ野球番記者コラム」『日刊スポーツ』2017年10月19日。2022年11月26日閲覧。
- ^ 「「2人はすでに同居」楽天・村林一輝(26)が“極秘入籍”! お相手は“中条あやみ似”年上京美人〈指輪を見せて「週刊文春」直撃に応じた〉」『文春オンライン』2024年10月2日、1頁。2024年10月4日閲覧。
- ^ 「「2人はすでに同居」楽天・村林一輝(26)が“極秘入籍”! お相手は“中条あやみ似”年上京美人〈指輪を見せて「週刊文春」直撃に応じた〉」『文春オンライン』2024年10月2日、2頁。2024年10月4日閲覧。
- ^ a b 「楽天茂木&村林「2年目コンビ」で追加点挙げる」『日刊スポーツ』2017年10月10日。2017年10月10日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 個人年度別成績 村林一輝 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 66 村林 一輝 選手名鑑 - 東北楽天ゴールデンイーグルスオフィシャルサイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
- 村林一輝 (@m.rakuten66) - Instagram