2つ以上の整数 の最小公倍数とは、 の公倍数のうち最小の正整数である。
つまり、 を、素数 (prime) p を用いて
と素因数分解したとき、 の最小公倍数は
で与えられる。
例えば、12 と 16 の最小公倍数は 48 である。
- 12 = 22×31
- 16 = 24
- 48 = 24×31
公倍数は最小公倍数の倍数である。
証明
の最小公倍数を とする.
の一般の公倍数を とし, と置く。
変形して …①
①右辺は は の公倍数、 も同じく の公倍数。
よって①の左辺 は の公倍数になる。
しかし となり、最小公倍数 よりも一般公倍数 が小さく矛盾.
すなわち 。よって公倍数 であり最小公倍数の倍数となっている.(証明終)
正整数 に対して、 と の最大公約数 と最小公倍数 との間には
という関係がある。
しかし、この関係式は3つ以上の正整数に対しては一般には成立しない。例えば、 とすると、 であるが、 である。
- 高木貞治『初等整数論講義第2版』共立出版、東京、1971年。