文章軌範
『文章軌範』(ぶんしょうきはん)は、中国宋の謝枋得が編纂した、唐宋の「古文」の名作文章の選集文献で、その数は69である。
古文とは、六朝時代に流行した1句の字数を4字と6字に限定し、ほぼ全てが対句で構成された極端に装飾的な駢文に対して、唐の柳宗元・韓愈たちが提唱した文体である。簡潔で雄健な調子で、考えをそのまま表現した古代の文章を理想(故に規範)とする。
掲載されている文章は高級官吏登用の科挙に際し、科目作文の模範となるべきものを謝氏が選び出したもので、現代の受験参考書や模範文例集といった位置づけであり、文選のような名作集ではない。