希望の党☆』(きぼうのとう)は、総務省明るい選挙推進協会製作の短編映画である[1]2005年公開[1]金子修介監督作品[1]。上映時間は20分である[2]

本作は、総務省・明るい選挙推進協会が2005年に「若者の投票参加」をテーマとして製作し、インターネットで配信した動画5本のうちの1本である[3]。協会による配信の終了後、協会の了解のもとで、第46回衆議院議員総選挙の期日(2012年12月16日)前に金子監督の手によってYouTubeにアップロードされ、本人のブログでその旨告知されていた[3][4]。しかし、2017年に同名の政党が結成されたため、明るい選挙推進協会の要請により、2017年10月5日未明までにYouTubeから削除された[3][5]

あらすじ

編集

近未来の日本。国政選挙の日、サラリーマンの主人公は「どうせ誰に投票しても世の中変わらない」と選挙権棄権[6]、妻とピクニックデートに行く[7]。その選挙では「希望の党」と称する新興の政党が若年層からの支持を得て政権を奪取する[6]。しかし「希望の党」は独裁政治を敷き、選挙権年齢の引き下げと棄権者の参政権の剥奪、動物虐待痴漢への厳罰化(死刑)といった政策を実行に移していく[6]。やがて政権は徴兵制を導入し[6]、主人公のひとり娘は戦争に行く。主人公は投票しなかったことを後悔する。そこにゴッドを名乗る男が現れ、主人公はゴッドに頼んで自分を過去の世界に戻してもらう[8]

キャスト

編集

スタッフ

編集

「希望の党」誕生による注目

編集

映画の製作から12年が経過した2017年に、作中の政党と同名の「希望の党」が日本に誕生したことで、本作は改めて注目を集めることになった[1][2][6]。監督の金子は日刊ゲンダイの取材に対して、「12年前に僕が作ったショートムービーを日本の政界が後追いしてるみたい」と述べ、「動画の趣旨を理解し、選挙を棄権しないこと。それがオトナの第一の役目だと思います」とコメントした[6]。また、テレビ局の取材に対して、「12年前、この動画で『選挙に行かないと民主主義が崩壊してファシズムが来ちゃうよ』と訴えたかった。ファシズムは最初耳ざわり良いネーミングで、例えば『希望』とか使って現れるかもというブラックジョークが、突然目の前に現れたのでびっくりしたが、小池さんとは感性が違うのでしょうか、でも、そう感じる人も多いからまた動画が注目されているのかな、映画のようにならないように注目して行きたい」などと答えた[9][10]

脚注

編集
  1. ^ a b c d “総務省の動画 タイトルは「希望の党☆」05年製作”. 毎日新聞. (2017年9月28日). https://mainichi.jp/articles/20170928/k00/00m/040/037000c 2017年9月28日閲覧。 
  2. ^ a b “【追記あり】12年前に総務省が制作した短編映像「希望の党」が発掘され、その予見性が話題に”. ライブドアニュース. (2017年9月25日). http://news.livedoor.com/article/detail/13662811/ 2017年9月28日閲覧。 
  3. ^ a b c 明るい選挙推進協会 (2017年10月6日). “インターネットムービー「希望の党☆」について”. 2017年10月6日閲覧。
  4. ^ 金子修介 (2012年12月11日). “ショートフィルム「希望の党」by「明るい選挙推進協会」”. 金子修介の雑記 "Essay". 2017年10月2日閲覧。
  5. ^ “「希望の党☆」動画削除 ネット注目も、誤解招く”. 共同通信社/日本経済新聞. (2017年10月5日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21937190V01C17A0CC1000/ 2017年10月6日閲覧。 
  6. ^ a b c d e f “小池新党と“同名”の偶然 映画「希望の党☆」監督に聞いた”. 日刊ゲンダイ. (2017年9月28日). https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/214393 2017年9月28日閲覧。 
  7. ^ 希望の党(前編)
  8. ^ 希望の党(後編)
  9. ^ 金子修介Twitter
  10. ^ 金子修介Twitter

外部リンク

編集

下記。