山口舞

日本の元女性バレーボール選手 (1983-)

山口 舞(やまぐち まい、1983年7月3日 - )は、日本の元女子バレーボール選手[1]

山口 舞
Mai Yamaguchi
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1983-07-03) 1983年7月3日(41歳)
出身地 三重県志摩郡志摩町(現志摩市
ラテン文字 Mai Yamaguchi
身長 176cm
体重 62kg
血液型 O型
選手情報
愛称 ユメ、パール
ポジション MBOH
指高 226cm
利き手
スパイク 304cm
ブロック 294cm
獲得メダル
オリンピック
2012 女子バレーボール
世界選手権
2010 女子バレーボール
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来歴

三重県志摩郡志摩町(現志摩市)出身[2]。小学校入学から3年間は地元志摩町にあるブルーシー・アンド・グリーンランド財団(B&G財団)が建設した志摩B&G海洋センターで水泳を習っていたが、小学4年次より友人に誘われてバレーボールを始める[3]。山口の才能を大阪国際滝井高校の才崎哲次監督が見いだし、同校へ進学。1年生の後半からレギュラーに抜擢されると、私学ウィンターバレー優勝やインターハイ(ベスト8)などで活躍した。山口は「個人の能力にあわせた指導してくれ、成長するのが早かった」と述懐している。

2002年にシーガルズ(現岡山シーガルズ)に入団。国体5連覇などの好成績に貢献した。

2009年4月、全日本女子代表メンバーに登録され、同年8月のワールドグランプリで代表デビューを果たす。その後一度は代表を外れるが、同年11月のグラチャン2009に負傷した狩野舞子に代わって緊急招集され、大活躍を見せた。2010年11月、世界選手権で銅メダル獲得に貢献した。この世界選手権3位の栄誉を讃えられ、出身地である三重県並びに所属チームの地元である岡山市からスポーツ栄誉表彰を受けた。

2011年9月のアジア選手権では急遽、ミドルブロッカー(センター)として出場した。同年11月のワールドカップは当初、センターで出場予定であり、初戦のイタリア戦はスタメンで出場した。その後、ライトポジションへ戻ると、ブラジル戦とアメリカ戦では勝利に大きく貢献し、同大会で4位へ導いた[4]

2011年3月5日のトヨタ車体戦で、Vリーグ出場試合数が230試合となり、Vリーグ栄誉賞[5]の受賞が確定した[6]

Vプレミアリーグ2011/12シーズンにおいてチーム2度目の4強入りに貢献し、自身初のベスト6賞を受賞した[7]

2012年5月のロンドン五輪世界最終予選では体調が万全ではなかったが、出場権獲得に貢献。「自分らしさを磨いて、メダルを獲得したい」と抱負を語った[8]

2012年6月、ロンドンオリンピックの代表メンバーに選出された[9]。本大会では全日本女子28年ぶりの銅メダルを獲得。山口自身、本調子とは言えない中、決して落とせない予選プールAの強豪ドミニカ共和国(ロンドン五輪終了時点のFIVB世界ランキング8位)戦で先発、チームトップのスパイク効果率35%と持ち前の安定感で勝利に貢献、メダル獲得を牽引した。

2012-13プレミアリーグではアキレス腱を痛めた影響で8試合欠場したが、刈谷大会から復帰し2年連続の四強進出に貢献した。セミファイナル以降はチームを牽引する活躍でチーム歴代最高の3位に大きく貢献した。

2013年度よりチームの主将を務め、プレミアリーグにおいてチーム史上最高位となる2位獲得に導き、ベスト6に輝いた[10]

2019年4月、5月に開催される第68回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会を最後に現役を引退[11]

2019年6月に岡山シーガルズを退団し、同年7月22日付にて学校法人中国学園に籍を移して中国学園大学中国短期大学の広報担当(主任)に就任した[12]

人物・エピソード

Vプレミアリーグの岡山シーガルズではミドルブロッカーのポジションだが、全日本ではウイングスパイカーで登録され、レセプション(サーブレシーブ)も一部担当するセッター対角として起用されてきた[13][14][15]。2014年からは全日本の新戦術「ハイブリッド6」が導入されたこともあり、(従来の)ミドルブロッカーの位置に入ることが多くなった。

ニックネーム「ユメ」は、夢をかなえられるようにと高校時代に先輩がつけてくれた[16]。「パール」は、出身地が真珠で名高い志摩市の出身に因む。

試合中の変幻自在で予測不能な動作により、山口は国際試合の対戦相手国から「忍者」と呼ばれ嫌がられている[17][18][19]

2016年6月のワールドグランプリ予選ラウンドのロングビーチ大会と京都大会では、木村沙織荒木絵里香[20]も不参加で、山口が主将を務めた[21][22][23][24][25]

FIVB(国際バレーボール連盟)のトップページ[26]の上部バナーSWFに数年間[27]、各国のトップ選手のシーンと共に、山口がスパイクする画像が用いられ続けている[28](2016年現在も)。

球歴

所属チーム

受賞歴

Vリーグ関係の受賞
  • 2011年 - Vリーグ栄誉賞(長期活躍選手)
  • 2012年 - 2011/12 Vプレミアリーグ ベスト6
  • 2014年 - 2013/14 Vプレミアリーグ ベスト6
  • 2020年 - Vリーグ功労賞[29]
その他の受賞
  • 三重県スポーツ賞優秀賞(2011年2月)[30]
  • 第10回岡山市人見絹枝スポーツ顕彰 特別スポーツ栄誉賞(2011年3月)[31]
  • 岡山県県民栄誉賞、岡山県スポーツ特別顕彰(2012年8月)[32]
  • 三重県スポーツ栄誉大賞(2012年8月)[33]
  • 志摩市スポーツ文化栄誉賞(2012年9月)[34]
  • 感動大阪大賞(2012年11月)[35][36]
  • 大阪スポーツ大賞(2012年11月)[36]
  • 岡山県スポーツ特別顕彰(2016年8月)[37]

個人成績

Vプレミアリーグレギュラーラウンドにおける個人成績は下記の通り[38]

シーズン 所属 出場 アタック ブロック サーブ レセプション 総得点 備考
試合 セット 打数 得点 決定率 効果率 決定 /set 打数 エース 得点率 効果率 受数 成功率
2001/02 シーガルズ 3 4 1 0 0.0% % 0 0.00 3 0 0.00% 0.0% 2 0.0% 0 内定選手
2002/03 21 58 73 30 41.1% % 4 0.07 104 3 2.88% 6.3% 76 63.2% 37
2003/04 18 48 115 42 36.5% % 9 0.19 113 3 2.65% 7.8% 119 60.5% 54
2004/05 27 105 689 253 36.7% % 37 0.35 447 10 2.24% 8.1% 477 66.5% 300
2005/06 27 103 584 217 37.2% % 47 0.46 422 8 1.90% 8.2% 391 59.6% 272
2006/07 岡山 27 105 554 203 36.6% % 48 0.46 391 5 1.28% 7.1% 461 59.7% 256
2007/08 27 106 596 247 41.4% % 53 0.50 420 7 1.67% 7.0% 449 58.6% 307
2008/09 27 107 799 313 39.2% % 36 0.34 366 2 0.55% 5.0% 412 65.8% 351
2009/10 28 104 687 269 39.2% % 47 0.45 332 5 1.51% 5.8% 410 62.4% 321
2010/11 26 94 643 252 39.2% % 24 0.26 339 5 1.47% 5.8% 390 55.1% 281
2011/12 21 82 564 238 42.2% % 31 0.38 257 1 0.39% 4.4% 318 57.5% 270
2012/13 20 69 307 113 36.8% % 21 0.30 195 1 0.05% 4.8% 77 68.8% 135
2013/14 28 94 510 237 46.5% % 45 0.48 247 2 0.81% 5.8% 26 65.4% 284
2014/15 21 69 412 185 44.9% % 26 0.38 183 2 1.09% 4.8% 7 57.1% 213
2015/16 21 73 303 135 44.6% % 11 0.15 104 2 1.92% 5.6% 6 66.7% 148
2016/17 21 60 264 105 39.8% % 17 0.28 112 0 % 4.5% 1 100.0% 122
2017/18 チャレンジリーグIのため、記録を記載せず
2018/19 % % % % %

CM

参考文献

  • 月刊バレーボール 2011年12月号 92-95ページ

脚注

  1. ^ 日本トップリーグ連携機構. “GM対談 in OKAYAMA <第2回>”. 2013年11月25日閲覧。
  2. ^ 読売新聞 中部発 (2015年11月2日). “伊勢志摩をおもう<2> バレーボール選手 山口舞さん 32”. 2016年8月17日閲覧。
  3. ^ 人の輪を大切にしながら頂点を目指したい! ブルーシー・アンド・グリーンランド財団オフィシャルサイト「注目の人」バレーボール全日本女子代表 山口 舞さん
  4. ^ フジテレビバボChannet. “山口舞、オールラウンダーの苦悩と成長”. 2012年4月26日閲覧。
  5. ^ 2 女子2.7 特別表彰2.7.1 Vリーグ栄誉賞を参照のこと。
  6. ^ Vリーグ機構. “岡山の山口選手が栄誉賞受賞確定”. 2012年2月26日閲覧。[リンク切れ]
  7. ^ Vリーグ機構. “東レアローズが優勝(女子ファイナル)”. 2012年4月22日閲覧。[リンク切れ]
  8. ^ YOMIURI ONLINE. “五輪出場バレー日本女子 山口選手意気込み”. 2012年5月29日閲覧。
  9. ^ 日本バレーボール協会. “女子日本代表選手12名決定! 第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)”. 2012年6月25日閲覧。
  10. ^ Vリーグ機構. “2013/14V・プレミアリーグ女子表彰選手”. 2014年4月14日閲覧。
  11. ^ 山口 舞選手 現役引退のお知らせ』(プレスリリース)岡山シーガルズ、2019年4月23日http://okayama.v-seagulls.co.jp/topic/?p=56382019年12月3日閲覧 
  12. ^ 山口 舞 元選手の所属について』(プレスリリース)岡山シーガルズ、2019年7月16日http://okayama.v-seagulls.co.jp/topic/?p=57672019年12月3日閲覧 
  13. ^ 3位決定戦 - FIVB 2010年バレーボール女子世界選手権
  14. ^ バレー女子W杯 急きょポジション変更 山口が活躍”. 共同通信 (2011年11月19日). 2011年11月24日閲覧。
  15. ^ 全日本では当時、新鍋理沙が同じポジションで起用された。
  16. ^ 人を生かす「大人」役 山口舞(岡山)”. asahi.com (2011年10月19日). 2011年11月14日閲覧。
  17. ^ Sponichi Annex. “「忍者」山口が10点!日本 快勝発進”. 2012年5月20日閲覧。
  18. ^ スポーツコミュニケーションズ. “切符獲得へカギ握る“エース”と“忍者” ~バレーボール世界最終予選~”. 2012年5月20日閲覧。
  19. ^ NHK津放送局 アナ・キャス日記 【太田磨理】 (2012年9月18日). “山口舞選手インタビュー~ご本人編~”. 2016年8月5日閲覧。
  20. ^ 全日本女子 ワールドグランプリ第1週の出場選手を発表。木村、島村、迫田は出場せず、荒木がキャプテンに - バレーボールマガジン、2016年6月9日
  21. ^ FIVB. “Team Roster”. 2016年6月9日閲覧。
  22. ^ ドイツ戦 2016年6月19日
  23. ^ 全日本女子 ワールドグランプリ予選ラウンド第2週の出場選手を発表。山口がキャプテンに - バレーボールマガジン、2016年6月18日
  24. ^ 全日本女子 ワールドグランプリ予選ラウンド第3週の出場メンバーを発表。井上が今大会初出場。長岡・石井が外れる - バレーボールマガジン、2016年6月23日
  25. ^ FIVBワールドグランプリ2016 出場選手14名
  26. ^ FIVB - Volleyball
  27. ^ FIVB_Header_Netform_Final.swf 2010年12月5日時点
  28. ^ FIVB_Header_Netform_Final.swf
  29. ^ 山陽新聞. “山口舞さんに功労者表彰 シーガルズ前主将、Vリーグ”. 2021年2月22日閲覧。
  30. ^ 三重県公報(13頁) (PDF) - 三重県
  31. ^ 岡山市人見絹枝スポーツ顕彰 (PDF) - 市民のひろばおかやま10頁/岡山県岡山市広報
  32. ^ 山陽新聞. “清水、山口、荒木選手に栄誉賞 五輪銅受け、県が贈呈へ”. 2012年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月閲覧。
  33. ^ 伊勢志摩経済新聞. “五輪銅メダリスト山口舞選手に志摩市が栄誉賞-凱旋でバレーボール教室も”. 2012年10月閲覧。
  34. ^ 伊勢志摩経済新聞. “五輪銅メダリスト山口舞選手に志摩市が栄誉賞-凱旋でバレーボール教室も”. 2012年10月閲覧。
  35. ^ サンケイスポーツ. “大阪府、五輪選手4人に感動大賞”. 2012年10月閲覧。
  36. ^ a b なみはや通信. “ロンドンオリンピック バレーボール女子で銅メダルの山口舞選手に感動大阪大賞を贈呈。”. 2012年12月閲覧。
  37. ^ 山陽新聞デジタル. “山口、宮下らに岡山県が特別顕彰 リオ五輪5位のバレー女子代表”. 2016年8月26日閲覧。
  38. ^ Vリーグ機構. “選手別成績”. 2018-08-121閲覧。

外部リンク