妙智会教団
法華経系の新宗教
妙智会教団(みょうちかいきょうだん)は、宮本ミツと宮本丈靖によって設立された、法華経系の新宗教である。公称信者数は約716,159人[1]。
妙智会教団本部 | |
設立 | 昭和25年(1950年)10月12日 |
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設立者 | 宮本ミツ |
種類 | 宗教法人 |
法人番号 | 7011005000531 |
本部 | 東京都渋谷区代々木3丁目3番3号 |
所在地 | 千葉聖地:千葉県山武郡九十九里町大字片貝4185 |
会長 | 宮本丈靖 |
重要人物 | 齋藤賢一郎 代表役員(理事長) |
関連組織 |
財団法人ありがとうインターナショナル 国連登録NGO Myochikai(Arigatou Foundation) 子どものための宗教者ネットワーク(Global Network of Religions for Children/GNRC) World Day of Prayer and Action for Children (DPAC) Ethics Education for Children |
ウェブサイト | http://www.myochikai.jp/ |
設立者
編集- 宮本ミツ - 会主
- 宮本孝平 - 大恩師・設立以前に死去したが、ミツの信仰を導いたことから特にミツと同格に位置づけられている。
教義
編集西田無学が提唱した在家による法華経の先祖供養に加え、困難を耐え忍んで善を行っていくという「忍善」という姿勢を日常の基本精神としている。
沿革
編集孝平・ミツは、当初、本門仏立講に入信していたが、1929年(昭和4年)にミツが諸病にかかり1933年(昭和8年)には入院することになった。そこで題目を唱えるも好転せず、1934年(昭和9年)に医師の反対を押し切って退院、その後ミツの兄から霊友会を勧められ入信した。2ヶ月後には夫の孝平も入信した。
1936年(昭和11年)の暮れに孝平が霊友会の第7支部長に就任。翌1937年(昭和12年)には霊友会本部の勤務になり、1945年(昭和20年)に孝平が死去してからはミツがその支部長を引き継いだ。なお、このときの第7支部は霊友会の中でも最大の支部となった。
しかし1949年(昭和24年)のいわゆる霊友会事件により他の支部が独立し教団化したのと同様、1950年(昭和25年)に霊友会から離脱し、10月12日に妙智会教団と公称して、1952年(昭和27年)に宗教法人格を取得した。
- 1957年(昭和32年)5月5日、青年部結成。
- 1961年(昭和36年)5月5日、妙智音楽隊結成。
- 1983年(昭和58年)5月26日~28日)、千葉聖地にて大道場落慶法要を行う。
- 1984年(昭和59年)3月28日)、ミツ死去。
- 1987年(昭和62年)5月14日、ミツの娘婿の宮本丈靖理事長が会長に就任。
- 1990年(平成2年)10月12日、幕張メッセで開催された「開教40周年つどい」において「ありがとう基金」を発足。
- 1999年(平成12年)、ありがとう基金公式WEBサイト(www.arigatou-net.or.jp)をオープン。
- 2000年(平成12年)、ありがとう基金が「子どものための宗教者ネットワーク (Global Network of Religions for Children/GNRC)」を発足。5月16日~18日、国立オリンピック記念青少年総合センターで第1回フォーラムを開催し、33ヶ国からキリスト教、仏教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、ゾロアスター教、神道などの信仰を持つ294人が参加した。開会式では、第1回フォーラム開催に尽力したGNRC顧問委員の河野洋平外務大臣が祝辞を述べた。また、東郷良尚日本ユニセフ協会専務理事が、ユニセフの第4代事務局長キャロル・ベラミーのメッセージを代読[2][3]。
- 7月25~28日、ユニセフとフォコラーレの協力の下、千葉聖地にてありがとう基金主催「子ども未来会議」を開催。40ヶ国より10歳~15歳の少年少女134名が来日、国内含めて総勢213名が参加した[4]。
- 2001年(平成13年)1月、子どものための宗教者ネットワーク(Global Network of Religions for Children/GNRC)公式WEBサイトをオープン。
- 5月、ユニセフのキャロル・ベラミー事務局長から宮本丈靖会長に「感謝の盾」が贈呈された。
- 6月14日~18日、タンザニアの首都ダルエスサラームにおいて、ありがとう基金主催「東部・南部アフリカにおける子どものための宗教者ネットワーク(Eastern and Southern Africa Network of Religions for Children/ESANRC)」が開催された。GNRC第1回フォーラムに参加したメリノール宣教会のシスタージーン・プルイットを中心に、子供への支援活動に従事する約50名の宗教者がスーダン、ルワンダ、ブルンジ、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ジンバブエ、ザンビア、スワジランド、レソト、南アフリカ共和国、ナミビア、モザンビーク、ボツワナ、マラウイの15カ国から参加[5][6]。
- 2002年(平成14年)、5月8~10日、ニューヨークの国際連合本部で開催された「国連子ども特別総会」[7][8]に代表団を派遣。最終日に開催された本会議総会午後の部において、宮本丈靖会長がステートメントを行った[9]。
- 5月14日、ありがとう基金と世界宗教者平和会議日本委員会(WCRP)の共催で「会長誕生祭記念特別講演会 国連の将来-国際社会は何をめざすのか-」(講師・韓昇洙 元国連総会議長)を開催[13]。その中で、宮本惠司理事長が国連への協力を表明する。
- 2004年(平成16年)2月3日~6日、国連本部で開催された国連総会にて、「Myochikai(Arigatou Foundation)」(妙智會ありがとう基金)として国際連合経済社会理事会(ECOSOC)の特殊諮問資格(Special Consultative Status)を取得。妙智會ありがとう基金が、正式に国連登録NGOとしての認定を受けた[14][15][16]。
- 5月17日~19日、「子どものための宗教者ネットワーク」の第2回フォーラムをスイスのジュネーヴで開催[17]。
- 2005年(平成17年)5月16日、国際連合大学ウ・タント国際会議場にて、ありがとう基金主催シンポジウム「倫理教育と人類の未来-今なぜ倫理教育が必要とされるのか-」を開催。
- 2007年(平成19年)3月19日、 宮本恵司理事長が世界宗教者平和会議日本委員会(WCRP)の第5代事務総長に就任[18][19]。
- 5月14日、宮本丈靖会長卒寿誕生祭を開催。ユニセフより「子どものための宗教指導者賞」、パレスチナ政府より国家最高勲位である「エルサレムの星」を贈呈される。また、ユニセフ親善大使を務めるチェリスト、チョン・ミョンファによるお祝いの演奏が披露された。
- 10月2日〜7日、宮本恵司理事長がニューヨークに渡り、国連の潘基文事務総長、アシャ=ローズ・ミギロ副事務総長と会談[20]。
- 2010年(平成22年)、Arigatou Foundation(ありがとう基金)の英語圏、フランス語圏、スペイン語圏向け公式WEBサイト「Arigatou International(www.arigatouinternational.org)」をオープン。この前後から、海外でのArigatou Foundationの活動において「Arigatou International」の呼称を用いるようになる。
- 2011年(平成23年)、妙智会教団公式WEBサイトをオープン。
- 2012年(平成24年)、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムの「Global Agenda Council on the Role of Faith 2012-2013」[21]のメンバーに、宮本恵司理事長が選出された[22]。
- 12月25日、財団法人ありがとうインターナショナル設立[23]。宮本惠司理事長が総裁に就任した。これより、日本国内におけるありがとう基金の活動は、財団法人ありがとうインターナショナルに移管される。
行事、活動等
編集本部(教会・道場)と千葉聖地で行われるものがある[26][27]。
この他にも、妙智會ありがとう基金[28](財団法人ありがとうインターナショナル)主催のチャリティーバザーやチャリティーコンサート、講演会等様々な活動を不定期で行っている[29][30][31][32][33][34]。
年中行事
編集- 1月1日 新年拝賀祈願式(AM12:00開始)
- 1月中旬 成人式
- 1月20日頃~節分 寒修行
- 2月3日 節分追儺式
- 3月28日 会主法要 みなもとに集う(千葉聖地)
- 4月第1日曜 釈尊ご降誕祭(千葉聖地)
- 5月14日 会長誕生祭
- 7月14日 盂蘭盆法要(本部)、戦没者盂蘭盆法要(千鳥ヶ淵戦没者墓苑)
- 10月12日 開教記念式典 世界の子どものために祈る日
- 11月14日 大恩師法会 みなもとに集う(千葉聖地)
月例行事
編集- 1日 全国役員会・支部長研修会
- 14日・28日 本部定例供養会
- 第3日曜日 各部(男子部・青年部・少年部)供養会
関連人物
編集脚注
編集- ^ 文化庁『宗教年鑑 令和5年版』 P78。信者数約100万人と紹介されることもある。ただし退会制度がないため、累計信者数となる。
- ^ History of Important Global Network of Religions for Children (GNRC) - GNRC Events
- ^ 妙智會教団 ありがとう基金「子どものための宗教者ネットワーク」第1回フォーラム - 新宗教新聞 Archived 2015年6月10日, at the Wayback Machine.
- ^ Cross Media−子ども未来会議−
- ^ (2004)Report on the First Forum of Eastern and Southern Africa Network of Religions for Children (ESANRC):Theme, Education for Peace : Held from June 14th-18th, 2001, Dar Es Salaam, Tanzania, ESANRC Secretariat
- ^ GNRC: Africa
- ^ 外務省: 国連子ども特別総会 概要と評価
- ^ 日本ユニセフ協会 - 子どもにふさわしい世界(国連子ども特別総会)
- ^ Statement by the Arigatou Foundation at the Special Session on Children - UN Special Session on Children (8-10 May 2002)
- ^ GNRC Fourth Forum Opening Inspiration Video (YouTube).wmv - YouTube - 宮本惠司理事長のコメント
- ^ 株式会社日経ラジオ社 - 取締役会決議による取得の状況 (通信業) - 有価証券報告書オンライン閲覧サービス有報リーダー - 5【役員の状況】 「監査役 宮本恵司」の項を参照。[リンク切れ]
- ^ Who we are/Arigatou Foundation
- ^ 国連は国際社会に必要 現状と将来を分析 前国連総会議長が講演 WCRP日本委 ありがとう基金- 新宗教新聞 Archived 2015年6月10日, at the Wayback Machine.
- ^ Global Network of Religions for Children (GNRC) - Arigatou Foundation - p.22(最終ページ) "Feb. 2004 Myochikai (Arigatou Foundation) granted special consultative status with the Economic and Social Council of the United Nations."
- ^ United Nations Civil Society Participation (iCSO) - 「Myochikai」で検索→Organization name Myochikai (Arigatou Foundation) Accreditation(s)/Affiliation(s) Special 2004
- ^ 仏教タイムス - 2004年2月12日掲載「ありがとう基金 国連登録NGOに認定」
- ^ 妙智會教団「ありがとう基金」がジュネーブで「子どものための宗教者ネットワーク」第2回フォーラムを開催
- ^ WCRP新事務総長に妙智會の三代目理事長:FACTA online
- ^ Web新宗教 - 宮本けいし氏が事務総長に就任 WCRP日本委員会 - 「宮本けいし」に改名していた時期があったが、2013年に入ってから「宮本恵司」に戻した[リンク切れ]
- ^ News :: Global News :: UN Secretary-General Meets with Rev. Miyamoto, Promises Support for GNRC
- ^ World Economic Forum - Global Agenda Council on the Role of Faith 2012-2013
- ^ World Economic Forum - Keishi Miyamoto - "Myochikai, a Japanese Buddhist organization with about one million members."
- ^ 仏教タイムス - 2013年1月10日掲載「妙智會教団 ありがとうインターナショナル設立」
- ^ 22nd session of the Human Rights Council - UNITED NATIONS HUMAN RIGHTS COUNCIL
- ^ 2013年4月24日 時事通信
- ^ 公益財団法人 新日本宗教団体連合会 | 加盟団体紹介
- ^ 島薗進、「新宗教教団における体験談の位置 : 妙智會・立正佼成会・天理教」『東京大学宗教学年報』 1985年 2巻 p.1-20, doi:10.15083/00030725, 東京大学文学部宗教学研究室
- ^ 日本に本部を置く国連/NGO|国連広報センター Archived 2013年4月24日, at the Wayback Machine. - 特殊諮問資格 (Special Consultative Status)の「妙智會ありがとう基金」を参照。[リンク切れ]
- ^ ありがとう基金 - 仏教NGOネットワーク
- ^ 山田町観光協会の公式ブログ(vol.2) 山田とことこ日記 - 添付画像参照。
- ^ 岩手県山田町ホームページ | 広報やまだ 2012年8月15日号 p.3 "震災以来町に対して支援を続けているありがとう基金"
- ^ ジャパニーズグラフィティⅫ - YouTube - 2012年9月2日、岩手県下閉伊郡山田町で行われた山田吹奏楽団・ありがとう基金共催「山田吹奏楽団・代々木の杜ブラス ふれあいコンサート」の映像。「代々木の杜ブラス」は元「妙智音楽隊吹奏楽部(ブラスバンド)」である(2012年12月16日に正式に改名)。
- ^ 【集う】「子どものための宗教者ネットワーク」フォーラム - MSN産経ニュース - "呼びかけたのは法華経系教団の妙智会(東京都渋谷区)が平成2年に立ち上げた「ありがとう基金」。祈りと実践が、子供たちの将来や世界平和に貢献できると考えた。すでに東京、ジュネーブ、広島とフォーラムを開催。子供向け倫理教育プログラム作成、世界各地での実践などの成果を重ねてきた。"[リンク切れ]
- ^ GNRC 4TH FORUM, DAR ES SALAAM, TANZANIA 2012 - YouTube -2012年6月16~18日、タンザニア・ダルエスサラームで開催された第4回「子どものための宗教者ネットワーク」の模様。
- ^ Arigatou International celebrates 20th anniversary on the occasion of the 60th anniversary of Myochikai
- ^ Remarks by Yukio Hatoyama, former Prime Minister of Japan
関連項目
編集- 霊友会
- 霊友会系教団
- 新日本宗教団体連合会
- 仏教タイムス
- 自由民主党の友好団体
- 世界宗教者平和会議日本委員会
- 世界経済フォーラム
- 稲場圭信
- 島薗進
- 扇千景
- 亀井静香
- 河野洋平
- 飯尾和樹
- 山田町 - ありがとう基金(インターナショナル)が、2011年(平成23年)3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)直後から一点集中的な支援を行っている。
- 九十九里町 - 千葉聖地の所在地。毎年同町に教育振興への用途を指定した寄付を行っている。
外部リンク
編集- 妙智會教団
- ありがとう基金 - 妙智会教団傍系の国連認定のNGO団体。正式名称は「Myochikai(Arigatou Foundation)」(妙智會ありがとう基金)。
- 財団法人ありがとうインターナショナル - 2012年12月25日設立。国連登録NGO「Myochikai(Arigatou Foundation)」としての活動は平行(表面上は一本化)して行われている。
- 子どものための宗教者ネットワーク(GNRC)
- Arigatou International/GNRC - YouTube - ありがとうインターナショナルとGNRCのYouTubeチャンネル。
- Arigatou/GNRC (arigatougnrc) - X(旧Twitter)
- 江戸川子どもおんぶず - 活動家の田中優氏の親友でもある、代表の大河内秀人氏(浄土宗寿光院住職)が、財団法人ありがとうインターナショナルの理事を務める。