大当り狸御殿
『大当り狸御殿』(おおあたりたぬきごてん)は、1958年2月26日に東宝系で公開された日本映画[1]。カラー[1]。東宝スコープ[2]。宝塚映画作品[1]。98分[1]。
大当り狸御殿 | |
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The Princess of the Badger Palace | |
監督 | 佐伯幸三 |
脚本 | 中田竜雄 |
原作 | 木村恵吾 |
製作 | 杉原貞雄 |
出演者 |
雪村いづみ 美空ひばり 山田真二 白川由美 ミヤコ蝶々・南都雄二 中田ダイマル・ラケット トニー谷 浜村美智子 |
音楽 | 松井八郎 |
撮影 | 岡崎宏三 |
製作会社 | 宝塚映画 |
配給 | 東宝[1] |
公開 | 1958年2月26日 |
上映時間 | 98分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
概要
編集戦前から大映などで公開された木村恵吾原作の「狸御殿」を、東宝傍系の宝塚映画により製作されたミュージカルで、シリーズでは初のカラーおよびシネマスコープ作品。また唯一の東宝作品。狸御殿の姫君・きぬた姫と、きぬた姫にそっくりな城下の旅籠の女中・お黒がお互いの立場を入れ替え、好みの男性を射止めるまでを描く。
主演は三人娘の一人・雪村いづみで、きぬた姫とお黒の二役を演じている。そして同じ三人娘の一人の美空ひばりと、「三人娘映画」の常連・山田真二が、それぞれの愛人を演じる。
一方の助演には、ベテラン喜劇俳優「シミキン」こと清水金一、上方漫才師のミヤコ蝶々・南都雄二と中田ダイマル・ラケット、そして東宝特撮の佐原健二と河内桃子など。極め付きは、当時「バナナ・ボート」をヒットさせていた歌手・浜村美智子が、城のショー(司会役はトニー谷)の歌手役で出演し、時代劇にもかかわらず、カリビアンの扮装で「バナナ・ボート」を披露している。
ストーリー
編集ここ狸御殿では、姫君・きぬた姫の誕生会がもうじき催されようとしていた。会には隣国の若君で、きぬた姫と将来結婚させようとしている狸吉郎も来る予定だった。だがきぬた姫は狸吉郎との政略結婚を嫌がり、密かに城を抜け出すと、町民に変身して城下へ出かけた。そうとは知らぬ狸御殿では、いよいよ狸吉郎が現れたが、きぬた姫がいなくなったために大騒ぎ。折りしも御殿に、城下の旅籠「つづみ屋」の女中・お黒が団子を届けに来たが、そのお黒がきぬた姫に瓜二つなのを見て、お黒を姫の替え玉にした。その頃きぬた姫は山賊に襲われ、更に蜘蛛の巣谷に落ち、その谷に落ちていた「もん白のお蝶」と共に女王蜘蛛に襲われるが、偶然その場を訪れた若侍・狸千代に助けられる。やがてきぬた姫は城下にやって来たが、お黒と間違われて、つづみ屋で女中として働かされる羽目になった。そこへ狸千代が泊まりに現れ、やがて二人にはひそかな思いが芽生えた。
やがて狸御殿では、年に一度の「狸祭り」が行われた。その頃行商にやられたきぬた姫は御殿の家老達に捕まるが、辛うじて逃げ帰る。この様子を見ていたお蝶は、狸千代に女中がきぬた姫だと教えた。それを知った狸千代はきぬた姫に、城に帰って立派な女王になる様勧める。かくしてきぬた姫は、狸千代を連れて御殿へ。一方狸吉郎はきぬた姫と狸千代の間柄を知り、二人を祝福した。役目が終わったお黒は寂しくつづみ屋へ帰ろうとするが、そこへ狸吉郎が手を差し伸べた。そして二人はきぬた姫の誕生会に出席した……。
スタッフ
編集以下のスタッフ名は特に記載のない限り東宝に従った[1]。
出演者
編集- きぬた姫(狸御殿の姫君)/お黒(「つづみ屋」の女中):雪村いずみ
- 狸吉郎(満月城の若君):美空ひばり
- 狸千代(旅の若侍):山田真二[3]
- もん白のお蝶(蝶の妖精):白川由美
- 森の女王蜘蛛:淡路恵子[1]
- 狸左衛門(狸御殿の家老):有島一郎
- 豆太郎(「つづみ屋」の下働き):井上大助
- 泥右衛門(「つづみ屋」主人):永田靖
- 土竜の七兵衛:藤尾純[1]
- 蟇三(七兵衛の子分):清水金一
- 阿波守(狸御殿の殿様):左卜全[3]
- 狸路局(きぬた姫の教育係):千石規子
- 星之丞(狸吉郎の側近):泉高志
- お園(狸御殿の腰元):峯京子
- 胡萩(同上):環三千世
- トニ川狸之丞(ショーの司会):トニー谷
- つづみ屋の泊まり客:ミヤコ蝶々、南都雄二、中田ダイマル、中田ラケット(中田ダイマル・ラケット)
- 歌う男:佐原健二
- 歌う女:河内桃子
- 浜村狸(ショーの歌手):浜村美智子
同時上映
編集「別れの波止場」