国鉄クハ6形電車
概要
編集1936年(昭和11年)、国に買収され鉄道省に編入された福塩線の改軌完成にともない、クハ15形から改造製作された木製制御車である。1943年(昭和18年)までに8両(6001 - 6008)が本形式とされた。本形式は、同時に改造されたモハ1形と同じく、直流600Vに対応させたもので、福塩線の他、同じく買収線区である可部線にも投入されており、1945年(昭和20年)8月6日、広島市に原子爆弾が投下された際、1両(6006)が横川駅構内で犠牲となっている。
その他の車両は、いずれも広島鉄道管理局管内で1952年(昭和27年)まで使用されたほか、1両(6008)が事業用(救援車)に転用され、1953年(昭和28年)6月1日に施行された車両称号規程改正によりクエ9100形(9100)に改番されている。この車両は、大阪鉄道管理局管内で1965年(昭和40年)まで在籍していた。
番号区分
編集形式的にはクハ15形からの改造車が全車を占めるが、もともとクハ15形自体が雑多な車両の寄せ集めであり、様々な出自を持つ車両が本形式にも含まれている。
- クハ6001 ← クハ15001 ← クハ23515 ← サハ33734(デハ33400系)
- クハ6002 ← クハ15002 ← クハ23516 ← サハ23629 ← デハ23416(デハ33400系)
- クハ6003 ← クハ15003 ← クハ23517 ← サハ23630 ← デハ23417(デハ33400系)
- クハ6004 ← クハ15011 ← サハ26125 ← サハ33551(デハ63100系)
- クハ6005 ← クハ15047 ← クハ23508 ← デハ23513(デハ33500系)
- クハ6006 ← クハ15049 ← クハ23512 ← デハ23514(デハ33500系)
- クハ6007 ← クハ15045 ← クハ23501 ← デハ23501(デハ33500系)
- クハ6008 ← クハ15019 ← サハ26133 ← サハ33559(デハ63100系)
参考文献
編集- 沢柳健一・高砂雍郎 「決定版 旧型国電車両台帳」 - ジェー・アール・アール ISBN 4-88283-901-6(1997年)
- 沢柳健一・高砂雍郎 「旧型国電車両台帳 院電編」 - ジェー・アール・アール ISBN 4-88283-906-7(2006年)
- 新出茂雄・弓削進 「国鉄電車発達史」 - 電気車研究会(1959年)
- 寺田貞夫 「木製國電略史」 - 「日本国鉄電車特集集成 第1集」に収録
- 「木製省電図面集」 - 鉄道資料保存会 編 ISBN 4-88540-084-8(1993年)