千葉県第5区
千葉県第5区(ちばけんだい5く)は、日本の衆議院議員総選挙における選挙区。1994年(平成6年)の公職選挙法改正で設置。2002年(平成14年)・2022年(令和4年)に一部区割りの見直しが行われた。
千葉県第5区 | |
---|---|
行政区域 |
市川市(4区に属しない区域)、浦安市 (2024年1月1日現在) |
比例区 | 南関東ブロック |
設置年 |
1994年 (2002年・2022年区割変更) |
選出議員 | 矢崎堅太郎 |
有権者数 |
415,188人 1.831 倍(一票の格差・鳥取1区との比較) (総務省・2023年9月1日) |
区域
編集現在の区域
編集2022年(令和4年)公職選挙法改正以降の区域は以下のとおりである[1][2][3]。市川市の一部は4区に移行した。
- 市川市
- 本庁管内の一部
- 市川1〜3丁目、市川南1〜5丁目、真間1〜3丁目、新田1〜5丁目、平田1〜4丁目、大洲1〜4丁目、大和田1〜5丁目、東大和田1・2丁目、稲荷木1〜3丁目、八幡1〜6丁目、南八幡1〜5丁目、菅野1〜6丁目、東菅野1〜3丁目、東浜1丁目、田尻、田尻1〜5丁目、髙谷、高谷1〜3丁目、高谷新町、原木、原木1〜4丁目、二俣、二俣1・2丁目、二俣新町、上妙典
- 行徳支所管内
- 本庁管内の一部
- 浦安市
2002年から2022年までの区域
編集2002年(平成14年)公職選挙法改正から2022年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[4][5]。2002年の区割り変更で、北部の一部が6区に編入されている。
- 市川市[6]
- 浦安市
2002年以前の区域
編集1994年(平成6年)公職選挙法改正から2002年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[7]。
- 市川市
- 本庁管内
- 行徳支所管内
- 浦安市
歴史
編集宅地化の進んだ湾岸エリアで構成されており、千葉県の中でも無党派層の多い選挙区の一つである。中選挙区時代は自民党副総裁や幹事長、オリンピック担当大臣などを歴任した自民党の有力代議士・川島正次郎が市川市出身であったことや選挙区内の松戸市に母校である専修大学の付属高校などを設置したりと絶大な影響力を有していたが、川島の死後は自民党の勢力も急速に衰え、また川島以降現在に至るまで本区域から閣僚経験者が一人も出ていないことから選挙時の情勢に左右されやすく、与野党ともに次点以下の候補に比例復活を許さないなど票差は激しい。
第41回と42回は民主党の田中甲が当選したが、第43回は民主党を離党して政党・尊命を立ち上げた田中と半年前までは千葉県議員だった民主党新人の村越祐民、元読売新聞記者で自民党新人の薗浦健太郎の三つ巴となったが村越が初当選した。小泉旋風で自民党が大勝した第44回は薗浦が雪辱を果たし、初めて自民党が議席を獲得した。その後、民主党が政権交代を果たした第45回は村越が当選するも自民党が政権復帰を果たした第46回以降は薗浦が連続4選をしていたが、2022年12月に薗浦が複数の政治資金パーティーで得た収入について、計4千万円ほど少なく政治資金収支報告書に記載していた疑いで議員辞職した[8][9]。これに伴う補欠選挙は2023年4月下旬に実施され[10]、元国連職員で自民党公認の英利アルフィヤが当選した。2024年に行われた第50回では前年の補選で英利に敗れた矢崎堅太郎(立憲民主党)が雪辱を果たし小選挙区当選。英利と岡野純子(国民民主党)が比例で復活当選という結果になった。
小選挙区選出議員
編集選挙名 | 年 | 当選者 | 党派 | 備考 |
---|---|---|---|---|
第41回衆議院議員総選挙 | 1996年(平成8年) | 田中甲 | 民主党 | |
第42回衆議院議員総選挙 | 2000年(平成12年) | 民主党 | ||
第43回衆議院議員総選挙 | 2003年(平成15年) | 村越祐民 | ||
第44回衆議院議員総選挙 | 2005年(平成17年) | 薗浦健太郎 | 自由民主党 | |
第45回衆議院議員総選挙 | 2009年(平成21年) | 村越祐民 | 民主党 | |
第46回衆議院議員総選挙 | 2012年(平成24年) | 薗浦健太郎 | 自由民主党 | |
第47回衆議院議員総選挙 | 2014年(平成26年) | |||
第48回衆議院議員総選挙 | 2017年(平成29年) | |||
第49回衆議院議員総選挙 | 2021年(令和3年) | |||
第49回衆議院議員補欠選挙 | 2023年(令和5年) | 英利アルフィヤ | ※薗浦健太郎の辞職に伴う。 | |
第50回衆議院議員総選挙 | 2024年(令和6年) | 矢崎堅太郎 | 立憲民主党 |
選挙結果
編集時の内閣:第1次石破内閣 解散日:2024年10月9日 公示日:2024年10月15日
当日有権者数:41万4963人 最終投票率:53.21% (全国投票率:53.85%( 2.08%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 矢崎堅太郎 | 57 | 立憲民主党 | 新 | 66,031票 | 30.60% | ―― | ○ | |
比当 | 英利アルフィヤ | 36 | 自由民主党 | 前 | 59,636票 | 27.63% | 90.32% | 公明党推薦 | ○ |
比当 | 岡野純子 | 46 | 国民民主党 | 新 | 51,033票 | 23.65% | 77.29% | ○ | |
岸野智康 | 30 | 日本維新の会 | 新 | 17,615票 | 8.16% | 26.68% | ○ | ||
桜井雅人 | 51 | 日本共産党 | 新 | 11,015票 | 5.10% | 16.68% | |||
宮路純一 | 35 | 参政党 | 新 | 10,490票 | 4.86% | 15.89% |
当日有権者数:451,273人 最終投票率:38.25%
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 推薦・支持 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 英利アルフィヤ | 34 | 自由民主党 | 新 | 50,578票 | 30.58% | 公明党推薦 |
矢崎堅太郎 | 55 | 立憲民主党 | 新 | 45,635.399票 | 27.59% | ||
岡野純子 | 44 | 国民民主党 | 新 | 24,842票 | 15.02% | ||
岸野智康 | 28 | 日本維新の会 | 新 | 22,952票 | 13.88% | ||
斉藤和子 | 48 | 日本共産党 | 元 | 12,360票 | 7.47% | ||
星健太郎 | 43 | 無所属 | 新 | 6,561.599票 | 3.97% | ||
織田三江 | 41 | 政治家女子48党 | 新 | 2,463票 | 1.49% |
時の内閣:第1次岸田内閣 解散日:2021年10月14日 公示日:2021年10月19日
当日有権者数:45万365人 最終投票率:54.07%(前回比: 4.96%) (全国投票率:55.93%( 2.25%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 薗浦健太郎 | 49 | 自由民主党 | 前 | 111,985.611票 | 46.97% | ―― | 公明党推薦 | ○ |
矢崎堅太郎 | 54 | 立憲民主党 | 新 | 69,887.387票 | 29.31% | 62.41% | ○ | ||
椎木保 | 55 | 日本維新の会 | 元 | 32,241票 | 13.52% | 28.79% | ○ | ||
鴇田敦 | 55 | 国民民主党 | 新 | 24,307票 | 10.19% | 21.71% | ○ |
時の内閣:第3次安倍第3次改造内閣 解散日:2017年9月28日 公示日:2017年10月10日
当日有権者数:43万8691人 最終投票率:49.11%(前回比: 0.09%) (全国投票率:53.68%( 1.02%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 薗浦健太郎 | 45 | 自由民主党 | 前 | 107,299票 | 51.02% | ―― | 公明党推薦 | ○ |
山田厚史 | 69 | 立憲民主党 | 新 | 62,894票 | 29.91% | 58.62% | ○ | ||
岡野純子 | 39 | 希望の党 | 新 | 40,115票 | 19.07% | 37.39% | ○ |
時の内閣:第2次安倍改造内閣 解散日:2014年11月21日 公示日:2014年12月2日
当日有権者数:41万5510人 最終投票率:49.20%(前回比: 8.66%) (全国投票率:52.66%( 6.66%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 薗浦健太郎 | 42 | 自由民主党 | 前 | 105,941票 | 53.80% | ―― | 公明党推薦 | ○ |
村越祐民 | 40 | 民主党 | 元 | 57,500票 | 29.20% | 54.28% | ○ | ||
浅野史子 | 44 | 日本共産党 | 新 | 28,055票 | 14.25% | 26.48% | |||
石田和男 | 77 | 無所属 | 新 | 5,411票 | 2.75% | 5.11% | × |
- 村越は48回選直後の市川市長選挙に立候補し、翌年春の再選挙で当選。
時の内閣:野田第3次改造内閣 解散日:2012年11月16日 公示日:2012年12月4日
当日有権者数:41万1147人 最終投票率:57.86%(前回比: 5.51%) (全国投票率:59.32%( 9.96%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 薗浦健太郎 | 40 | 自由民主党 | 元 | 81,772票 | 35.31% | ―― | 公明党推薦 | ○ |
村越祐民 | 38 | 民主党 | 前 | 51,206票 | 22.11% | 62.62% | 国民新党推薦 | ○ | |
木村長人 | 48 | 日本維新の会 | 新 | 39,653票 | 17.12% | 48.49% | ○ | ||
渡辺耕士 | 57 | みんなの党 | 新 | 28,707票 | 12.39% | 35.11% | ○ | ||
相原史乃 | 38 | 日本未来の党 | 前 | 14,913票 | 6.44% | 18.24% | 新党大地推薦 | ○ | |
浅野史子 | 42 | 日本共産党 | 新 | 12,583票 | 5.43% | 15.39% | |||
赤塚裕彦 | 54 | 無所属 | 新 | 2,770票 | 1.20% | 3.39% | × |
- 相原は第45回は比例南関東ブロック単独で当選(民主党)。
時の内閣:麻生内閣 解散日:2009年7月21日 公示日:2009年8月18日
当日有権者数:41万3805人 最終投票率:63.37%(前回比: 0.89%) (全国投票率:69.28%( 1.77%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 村越祐民 | 35 | 民主党 | 元 | 127,588票 | 49.75% | ―― | ○ | |
薗浦健太郎 | 37 | 自由民主党 | 前 | 83,422票 | 32.53% | 65.38% | 公明党推薦 | ○ | |
田中甲 | 52 | みんなの党 | 元 | 42,379票 | 16.53% | 33.22% | ○ | ||
佐高芳行 | 40 | 幸福実現党 | 新 | 3,045票 | 1.19% | 2.39% |
- 田中は2022年市川市長選挙に立候補し当選。
時の内閣:第2次小泉改造内閣 解散日:2005年8月8日 公示日:2005年8月30日
当日有権者数:40万722人 最終投票率:62.48%(前回比: 10.73%) (全国投票率:67.51%( 7.65%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 薗浦健太郎 | 33 | 自由民主党 | 新 | 132,691票 | 54.06% | ―― | ○ | |
村越祐民 | 31 | 民主党 | 前 | 94,528票 | 38.51% | 71.24% | ○ | ||
師岡徹 | 30 | 日本共産党 | 新 | 18,227票 | 7.43% | 13.74% |
時の内閣:第1次小泉第2次改造内閣 解散日:2003年10月10日 公示日:2003年10月28日
当日有権者数:39万1361人 最終投票率:51.75%(前回比: 3.65%) (全国投票率:59.86%( 2.63%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 村越祐民 | 29 | 民主党 | 新 | 76,671票 | 38.95% | ―― | ○ | |
薗浦健太郎 | 31 | 自由民主党 | 新 | 64,393票 | 32.71% | 83.99% | ○ | ||
田中甲 | 46 | 政党・尊命 | 前 | 41,883票 | 21.27% | 54.63% | |||
黒沢秀明 | 65 | 日本共産党 | 新 | 13,919票 | 7.07% | 18.15% |
時の内閣:第1次森内閣 解散日:2000年6月2日 公示日:2000年6月13日
当日有権者数:42万7932人 最終投票率:55.40% (全国投票率:62.49%( 2.84%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 田中甲 | 43 | 民主党 | 前 | 100,292票 | 43.48% | ―― | ○ | |
狩野勝 | 65 | 自由民主党 | 元 | 80,093票 | 34.72% | 79.86% | ○ | ||
中嶋誠 | 51 | 日本共産党 | 新 | 25,409票 | 11.02% | 25.34% | ○ | ||
藤原信 | 68 | 社会民主党 | 新 | 18,258票 | 7.92% | 18.20% | ○ | ||
佐藤博美 | 32 | 自由連合 | 新 | 6,610票 | 2.87% | 6.59% |
時の内閣:第1次橋本内閣 解散日:1996年9月27日 公示日:1996年10月8日 (全国投票率:59.65%( 8.11%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 田中甲 | 39 | 民主党 | 前 | 67,032票 | 32.25% | ―― | ○ | |
狩野勝 | 61 | 自由民主党 | 前 | 62,951票 | 30.28% | 93.91% | ○ | ||
中津川博郷 | 47 | 新進党 | 新 | 43,682票 | 21.01% | 65.17% | |||
小沢剛 | 66 | 日本共産党 | 新 | 25,586票 | 12.31% | 38.17% | |||
豊田勝彦 | 63 | 新社会党 | 新 | 7,319票 | 3.52% | 10.92% | |||
本橋千明 | 39 | 自由連合 | 新 | 1,311票 | 0.63% | 1.96% | ○ |
- 中津川は東京16区が地盤であるが、この選挙のみ千葉5区に国替えし立候補。第42回は東京16区から立候補し比例復活当選(民主党)。
脚注
編集- ^ “衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第210回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第八十九号(令四・一一・二八)”. 衆議院 (2022年11月28日). 2023年2月22日閲覧。住居表示などにより変更する可能性がある。
- ^ “千葉県”. 総務省. 2023年1月8日閲覧。
- ^ “区割り変更地図_千葉県市川市”. 総務省. 2022年11月30日閲覧。
- ^ “衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第154回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第九十五号(平一四・七・三一)”. 衆議院 (2002年7月31日). 2021年10月1日閲覧。地名は2002年(平成14年)当時のものである。
- ^ “千葉県”. 総務省. 2021年10月1日閲覧。
- ^ “衆議院小選挙区の区割り | 市川市公式Webサイト”. www.city.ichikawa.lg.jp (2021年6月9日). 2021年10月1日閲覧。
- ^ “衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第131回国会 制定法律の一覧 >法律第百四号(平六・一一・二五)”. 衆議院 (1994年11月25日). 2021年10月1日閲覧。地名は1994年(平成6年)当時のものである。
- ^ “自民・薗浦議員が辞職の意向…地検聴取に「共謀で処罰なら仕方ない」、略式起訴を軸に捜査”. 読売新聞. (2022年12月18日) 2022年12月18日閲覧。
- ^ "自民 薗浦衆院議員が議員辞職 検察は近く略式起訴へ". NHKニュース. 21 December 2022. 2022年12月21日閲覧。
- ^ "自民党の薗浦氏が議員辞職願を提出 パーティー収入の過少記載めぐり". 朝日新聞. 21 December 2022. 2022年12月21日閲覧。