函館競輪場

北海道函館市にある競輪場

函館競輪場(はこだてけいりんじょう)は、北海道函館市にある競輪場。施設所有および主催は函館市。競技実施はJKA東日本地区本部北日本競技部。電話投票における競輪場コードは11#。実況は株式会社JPFで担当は池田牧人。

函館競輪場
空中写真(1976年撮影の3枚を合成作成)
左下の小さな周回コースが函館競輪場
中央に写っているのは函館競馬場
地図
基本情報
所在地 北海道函館市金堀町10-8
座標 北緯41度46分37秒 東経140度45分46.2秒 / 北緯41.77694度 東経140.762833度 / 41.77694; 140.762833座標: 北緯41度46分37秒 東経140度45分46.2秒 / 北緯41.77694度 東経140.762833度 / 41.77694; 140.762833
電話投票 11#
開設 1950年(昭和25年)6月29日
民間委託 トータリゼータエンジニアリング株式会社
施行者 函館市
走路 400m
開催期間 4月-10月
重勝式投票 Kドリームス
マスコット 「りんりん」「ぷりりん」
公式サイト 函館競輪場公式ページ
実況
担当 池田牧人
ナイター競走
愛称 スターライトレース
開催期間 上記と同じ(一部の年の記念競輪を除く)
記念競輪
名称 五稜郭杯争奪戦
開催月 夏季(次回は2026年以降)

2024年6月24日 更新
テンプレートを表示

概要

編集

1950年4月1日、旧・柏野錬兵場跡に建設した公営競輪場である。施設に遅れて同年4月10日に函館市の組織として競輪部が組織され、同年6月29日に第1回が開催された[1]。当時市の財政問題解消を目的として競輪場建設ブームの中、全国47番目に開設された競輪場である[2]。本場としての開催期間は4月から10月[注 1]まで。1991年(平成3年)1月13日より冬季(12月 - 2月)はバンクフィールドに氷をはり函館市民スケート場として利用している[3]

1950年8月19日に函館駅前の繁華街、大門のグリーンベルトに音羽町場外車券売場(松風町2番地)を1951年8月26日に当時の市立函館保健所内(当時の西川町1番地)に十字街場外車券売場、1952年9月9日に札幌場外車券売場が開設された[1]

1985年7月7日からは「サマータイム競輪」と名付けられた薄暮競走が実施され、1998年7月8日からはナイター競走である「スターライトレース」に移行した。いずれも競輪場としては全国で初めて採用した[4]2019年4月14日からはミッドナイト競輪を開催している。なお、2024年より一部開催をいわき平競輪場を借り上げてミッドナイトを開催している。

過去には1992年1993年2001年2004年2007年にはふるさとダービーが、2006年2010年2015年2021年[注 2]2023年にはサマーナイトフェスティバルが、2012年には当地初のGIかつ北海道初の公営競技の最高グレードの競走[注 3]となる高松宮記念杯競輪が、それぞれ開催された。今後は、2025年8月12日から17日まで初開催のオールスター競輪がナイター開催として行われる事になった。

記念競輪GIII)は夏季に開催され、2006年までは『いさり火杯争奪戦』・2008年からは『黒船杯争奪戦』の名称で行われてきた(2007年はふるさとダービー開催のため開催せず)が、2010年より名称を『五稜郭杯争奪戦』に変更している(2012年は高松宮記念杯競輪、2025年はオールスター競輪の開催のため開催せず)。なお2020年は、COVID-19の流行と緊急事態宣言の対象地区に入っている関係で開催中止となった。また現役時代に函館を中心として活躍し、オールスター競輪で兄弟ワンツーを成し遂げた藤巻昇藤巻清志兄弟を称え『藤巻兄弟杯争奪戦』が開催されている。

2004年7月からはA級ツイントーナメントで前半戦「ファーストステージ」・後半戦「セカンドステージ」を実施していたが、2005年6月24日をもって終了した。

2008年5月28日から、重勝式車券Kドリームス」の発売を会員制サイトにおいて開始しており(本場や競輪場外車券売場において購入することはできない)、2010年5月29日にはBIG DREAMにおいて1億5978万7340円(当日の第9R - 最終第12Rまでを全的中)という高配当が出現した。

以前は記念・ガールズを除く各レースの1番車に、競走得点トップの選手を置いている特徴があった(2017年9月現在[6])。

トータリゼータシステムは従来日本ベンダーネットであったが、2010年度より集計システムは当場の包括委託業者である日本トーターに切り替わった。ICカードを利用した『eスマート倶楽部』システムでの車券販売も開始された。同システムの導入は山陽オートレース場に続き2場目。また日本トーターが運営している『Gamboo』が2013年2月8日より「GambooBETターミナル」を設置したことにより重勝式KドリームスとDokanto!が購入できるようになった。なお、2021年度より委託先がトータリゼータエンジニアリング株式会社に変更された。その関係で再び機器更新して、現在は富士通フロンテックを採用している。その関係で、eスマート倶楽部のサービスは終了となった。

入場料は無料[注 4]で、特別観覧席利用料は400円。

マスコット兼PRキャラクターはクマの「りんりん」(1990年に公募で命名)と「ぷりりん」(2007年から)[7]

2000年には、函館競輪テーマ曲として、「放つ感情」がグランプリを受賞した[7]

函館市の「避難所」に指定されており、大規模地震の発生時は駐車場が避難所として利用される[8]

2016年より、北海道のガールズケイリン選手を育成するプロジェクト「ホワイトガールズプロジェクト」を立ち上げており、114期の寺井えりか三尾那央子(いずれも引退)を始めとして、124期までで7名がプロデビューを果たしている。

年表

編集
  • 1950年(昭和25年)
    • 4月1日 - 競輪場完成
    • 4月10日 - 函館市競輪部が組織される
    • 6月29日 - 第1回が開催される
    • 8月19日 - 音羽町場外車券売場開設
  • 1951年(昭和26年)8月26日 - 十字街車券売場開設
  • 1952年(昭和27年)9月9日 - 札幌場外車券売場開設
  • 1991年(平成3年)1月 - バンクフィールド内に「函館市民スケート場」開設

バンクの特徴

編集

1周400m[9]。マッコーネル曲線[10][11]。特にクセのない標準的なバンクで、脚質による有利不利は少ない。しかし1センター側が海岸に近いため、海風による影響がある。

なお走路の外側にはポリカーボネート(透明板)が設置されているが、3コーナーから4コーナーにかけては通常の金網が使われている。

アクセス

編集

場外車券売場

編集

かつてあった場外車券売場

編集

歴代記念競輪優勝者

編集
優勝者 登録地
2002年 小野俊之 大分
2003年 伏見俊昭 福島
2005年 荒井崇博 佐賀
2006年 手島慶介 群馬
2008年 海老根恵太 千葉
2009年
2010年 渡邉一成 福島
2011年 伏見俊昭
2013年 成田和也
2014年 明田春喜 北海道
2015年 武田豊樹 茨城
2016年 新山響平 青森
2017年 新田祐大 福島
2018年 和田健太郎 千葉
2019年 新山響平 青森
2020年 開催中止[注 6]
2021年 松浦悠士 広島
2022年 瓜生崇智 熊本
2023年 嘉永泰斗
2024年 古性優作 大阪

※1節4日間制開催となった、2002年4月以降の歴代記念競輪優勝者を列記。

  • ナイターGIII(スターライトクラウン<2018年のみ>・函館ミリオンナイトカップ)[12]
優勝者 登録地
2018年 南潤 和歌山
2020年 鈴木庸之 新潟
2022年 坂本貴史 青森
2024年 阿部将大 大分

脚注・出典

編集

注釈

編集
  1. ^ 以前は11月にも開催を行っていたが、2016年以降は行っていない。
  2. ^ COVID-19の影響で入場制限した上での開催となった[5]
  3. ^ 競馬は中央競馬ホッカイドウ競馬ともにGIIが道内で施行された最高グレードの競走であり、また競艇・オートレースは道内に施行場がないため。
  4. ^ 2008年4月から無料化された。それ以前は100円であった。
  5. ^ 当初は9月30日までだったが、当日の開催が中止順延になった為に延長された。
  6. ^ COVID-19の影響と緊急事態宣言の対象地区に入っていたため。

出典

編集
  1. ^ a b "函館競輪事業概要 令和4年度" 函館市競輪事業部 2023年 p.42
  2. ^ 函館市史 通説編第4巻 p.p.738-742
  3. ^ "函館競輪事業概要 令和4年度" 函館市競輪事業部 2023年 p.44
  4. ^ 「函館市史」通説編4 7編2章コラム28 Archived 2014年4月8日, at the Wayback Machine.
  5. ^ サマーナイトフェスティバルにおける入場制限について - 函館競輪、2021年6月28日
  6. ^ 今、函館は『白(1番車)』がアツい!クイズ(9/9~9/11スポーツニッポン杯争奪戦)結果発表! - 函館けいりん オフィシャルサイト
  7. ^ a b 函館競輪事業概要 平成25年度 - 函館市競輪事業部
  8. ^ 避難所マップ(函館市街) (PDF) - 函館市、2014年10月14日閲覧
  9. ^ 施設案内 函館けいりん公式サイト
  10. ^ 施設案内 競走路・バンク 函館競輪場公式ホームページ(2005年3月8日)
  11. ^ 資料編 3. 施設の概要 函館競輪事業概要 平成25年度
  12. ^ 市営競輪売り上げ122億円 累積収支500万円黒字 2018/9/14 函館新聞社 e-HAKODATE

参考文献

編集
  • 函館市史 通説編第4巻 函館市 2002年

外部リンク

編集