共働き
共働き(ともばたらき)とは、夫婦がともに雇用されて働いていること。類語に共稼ぎ(ともかせぎ)がある。働き手が家庭に2人いることから、俗に「2馬力」とも呼ばれる[1]。また共稼ぎ世帯はダブルポケット族とも呼ばれていた[2][注 1]。パワーカップルという言葉には絶対的定義がまだ確立していないが、子供の有無を問わずに「夫婦とも年収700万円以上の夫婦」であれば日本国全世帯の0.5%が該当、「夫が600万円以上かつ妻が400万円以上の夫婦」であれば日本国全世帯の1%が該当する[5]。
概説
編集夫が働き、妻は専業主婦として家事に従事するという形体から共働きへの変化は、消費活動や労働・福祉行政など、社会の様々な部分へ影響を及した。
以下では、共働きによる影響をいくつか上げる。
- 少子化対策
- 少子化の一因として、正社員減少等による家計の不安定化が挙げられるが、共働きによって解消できる。ただし、子育て支援が十分でない場合は、逆に共働きは少子化の要因ともなり得るとも言われる
日本
編集推移
編集1980年代から1990年代頃まで、夫が働いて妻は仕事をしていないという世帯が減る一方で、夫婦がともに被雇用者として働いている世帯は増加している。その後、1990年代後半に共働き世帯が専業主婦世帯を逆転する[6]。以後その差は拡大していき2022年現在共働き世帯は1,278万世帯、専業主婦世帯は517万世帯と2倍以上の差がある[7]。
意識
編集結婚後も全ての共働き夫婦が共働きを望んでいるかというと、そうは言えない。例えば三浦展は著書『下流社会』において「主婦は、結婚後は専業主婦となることを理想としている」と述べているし、小倉千加子は若い女性の専業主婦願望を「新・専業主婦志向」と呼んでいる。
その他
編集大分県日田市は2006年2月に市職員の人件費削減を目的として、夫婦や親子などがいずれも市役所職員で生計を一にする場合、給与をひとりあたり2割削減するという計画を発表した。しかし「同じ労働には同じ対価が支払われるべき」「法の下の平等に反する」などの批判を受け、計画を撤回した。nikkansports.comに掲載の関連記事
ヨーロッパ
編集中国
編集中国では共働きが一般的であるが保育制度が未整備のため保育は祖父母やお手伝いさんに頼むなど各家庭で対応している[9]。なお、小学校は全寮制であることも多く週末のみ家庭に帰る子どもも多い[9]。
注釈
編集出典
編集- ^ 横山光昭 (2013年1月26日). “外食や趣味にお金を使い過ぎ、“二馬力”のメリットを生かせない夫婦が多い!ケース別診断(2)「DINKs」の場合|家計再生コンサルティング|ザイ・オンライン”. ダイヤモンド社 ザイ・オンライン. 2014年6月16日閲覧。
- ^ 『現代世相語辞典』 p.59 榊原昭二 1984年8月 ISBN 978-4760102532
- ^ 『生活ジャーナル (11)』 pp.42-45 市民ネットワーク情報センター 1981年5月
- ^ 『日本経済新聞社 120年史』 日本経済新聞社 1996年
- ^ 「なぜ、日本人の金融行動がこれから大きく変わるのか? 」- p113 宮本弘之, 鳩宿潤二, 久保田陽子
- ^ 『平成15年度 男女共同参画白書』(内閣府)
- ^ “図12 専業主婦世帯と共働き世帯”. 労働政策研究・研修機構. 2024年8月5日閲覧。
- ^ “国際恋愛する前に知らないと超ヤバイ「価値観の違い」6つ”. (2012年10月3日) 2014年6月16日閲覧。
- ^ a b 『BRUTUS』、マガジンハウス、2016年8月15日、19頁。