入格(にゅうかく、英語: Illative)とは、「の中へ」を表現するである。独立の格としてはウラル語族のうちフィンランド語ハンガリー語などにあり、広い意味で「処格」と呼ばれる格の一種である。

例:「家」→「家の中へ」

  • ハンガリー語 ház → házba
  • エストニア語 maja → majasse または majja
  • フィンランド語 talo → taloon

またインドヨーロッパ語族でも、古いリトアニア語にある。現代標準リトアニア語ではあまり使われないが、一部の方言などに残っている。

フィンランド語の入格形は、強階程で語尾が母音の場合は直前の母音 nである。(フィンランド語の入格形は常に強階程である)

  • talo o n=taloon(家)
  • katu u n=katuun(通り)
  • koti i n=kotiin(家)

語尾が子音の場合はその子音を消去し直前の母音 seenである。

  • kaunis-s i seen=kauniiseen(美しい)

主格形が弱階程の場合は強階程にして直前の母音 seenである。((強階程)はその単語を強階程にするという意味)

  • liite(強階程) e seen=liitteeseen(付録)

なお、直前が子音である場合はその子音を消去する。

  • hidas(強階程)-s a seen=hitaaseen(遅い)
  • kangas(強階程)-s a seen=kankaaseen(問題)