仙台市の高層ビルの一覧
仙台市の超高層ビルの一覧(せんだいしのこうそうビルのいちらん)は、宮城県仙台市にある高さ80m以上の超高層ビルを、高さ順に一覧にしたものである。
2021年時点では、仙台市以外の宮城県内に上位に入るビルは存在しない。
高さ・容積率に影響を与える法律・条例
編集市街地建築物法に基づく百尺規制により、高度経済成長期には仙台市都心部の青葉通りなどに高さ31m(百尺)のビルが連なるスカイラインが形成された。
その後、1970年(昭和45年)の建築基準法改正によって容積制が全面導入されたため、高さ31m(百尺)を超えるビルが建設できるようになると[1]、仙台市内では1973年(昭和48年)に仙台第二合同庁舎(高さ:62.7m)、1975年(昭和50年)に住友生命仙台ビル(高さ:67.4m)、1977年(昭和52年)に七十七銀行本店ビル(高さ:64.5m)が各々竣工した。
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百尺規制のビルが多く造られた青葉通(2008年1月)
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仙台第二合同庁舎
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七十七銀行本店ビル
1985年(昭和60年)に高さ90.3mの仙台第一生命タワービルディングが竣工すると、1987年(昭和62年)3月に「仙台市地区計画等の案の作成手続に関する条例」、さらに1988年(昭和63年)2月に「仙台市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例[2]」が制定され、ビルの高さを規制するようになった。
バブル景気期の1989年(平成元年)に高さ172mのSS30(旧称・住友生命仙台中央ビル)が竣工し、以降100m超の超高層ビルが次々建てられるようになった。しかし1999年(平成11年)、100mを超える超高層ビルに適用される「環境アセスメント条例」が施行されると、条例逃れのために100m未満(90〜99.9m)で建設されるビルが目立つようになった。さらに2009年(平成21年)、「仙台市『杜の都』景観計画」が施行されると、都心部でも最高で80mにビルの高さが制限され、制限を超える高さのビルを建設するには様々な条件を満たすことが必要になった。
- ビルの高さ(縦軸)と竣工年(横軸)
- 高さ80m以上のビルのみ掲載。
- 同じ年に複数竣工している場合は横軸に目盛を入れた。
環境アセスメント
編集仙台市の環境アセスメント条例は、100mを超える超高層ビルに適用される。2010年(平成22年)2月時点で条例が適用されたのは、以下の2軒のみ。
ドコモ東北ビル以前に建った100mを超える超高層ビルは、施行日または適用日前に事業の実施に必要な許認可等の申請等が済んでいるため適用されていない。
年表
編集国の法律、および、100mを超える建造物に適用される仙台市の環境アセスメント条例の制定経緯は以下の通り。
- 1996年(平成8年)3月 - 「仙台市環境基本条例」制定。
- 1997年(平成9年)
- 3月 - 「杜の都環境プラン」(仙台市環境基本計画)公表。
- 6月 - 『環境影響評価法』制定。
- 1998年(平成10年)12月 - 「仙台市環境影響評価条例」制定。
- 1999年(平成11年)
仙台市「杜の都」景観計画
編集景観法に基いて、2009年(平成21年)7月1日に「仙台市『杜の都』景観計画」が施行された。これにより、仙台市都心部およびその周辺では新設建築物に対する高さ制限が導入され、最も高い建物が建てられる地区であっても概ね80m以下の高さに制限された。「概ね」とは、制限高にプラスして1割までなら塔屋(ペントハウス)等の設置を認めるということである(2013年6月、「概ね」と表現して緩和されていた高さ1割増分が撤廃された)[3]。
ただし、1,000m2以上の敷地面積の開発に関しては、敷地面積の55%以上(商業系用途地域においては35%以上)を空地として確保し、かつ、敷地面積の15%以上の緑化を行えば、高さ制限は緩和される。緩和される程度は地区ごとに異なり、都心部の一部では高さ制限が無くなるが、それ以外では無くならない。
制限表面
編集仙台市内のほとんどの地域は、仙台空港の制限表面[4]による高さ規制がない。航空法による仙台空港の円錐表面と外側水平表面は、おおよそ空港を中心とする2時から7時の方向だけを中心に設定されているため、仙台市都心部には制限表面が設定されていない。
仮に、航空法による本来の制限表面が適用された場合、仙台空港からJR仙台駅までの距離が約14kmであるため、仙台空港の標高2m[5]と合わせて、仙台駅周辺には標高約250mまでの建築物しか建てられないことになる。すなわち、仙台駅が標高35m程度[注 1]にあることから、仙台駅周辺の建造物の高さは210m程度が限界ということになる。2010年(平成22年)時点で市内一高いビルは仙台トラストタワーであるが、仮に同地点にも制限表面が適用されれば建造物の高さは約192mが限界となるものの、同ビルの高さは180mなので影響がない[注 2]。ただし、大年寺山のテレビ塔群は本来の制限表面では規制対象となる[注 3]。
陸上自衛隊・霞目飛行場の制限表面[6]による高さ規制は、都心部周辺では榴岡公園の南東方の宮城野通や楽天モバイルパーク宮城が対象になっている。
容積率
編集都市再生特別措置法に基づいて容積率が緩和された例は、2009年時点で以下の2軒。
- 仙台ファーストタワー(地上24階、高さ99.9m):容積率600% → 1,050%
- 東京建物仙台ビル(地上20階、高さ97m):容積率600% → 1,100%
なお、仙台市内の都市再生緊急整備地域は以下の2地域。
一覧
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 電子国土ポータルによると、JR仙台駅西口広場は標高35m台、青葉通りと愛宕上杉通による中央一丁目交差点の標高は36.54m。
- ^ 仮に制限表面が適用されると、仙台空港から仙台トラストタワーまで13.3kmなので円錐表面は231mとなり、仙台空港の標高2mと合わせて標高233mが制限表面となる。すると、トラストタワーの土地の標高が34.6mなので、建物の高さは約192mまでとなる。
- ^ 仮に制限表面が適用されると、仙台空港からNHK仙台放送局・東北放送(地上デジタル放送専用)・東日本放送の共同のテレビ塔まで11.5kmなので、仙台空港の標高2mと合わせて標高約195mが制限表面となる。土地の標高が約103mなので、テレビ塔の高さは約93mまでとなるが、実際のテレビ塔は高さ150mとなっている。
- ^ 二棟連結
出典
編集- ^ 市街地建築物法における絶対高さ制限の成立と変遷に関する考察 (PDF) (土地総合研究所)
- ^ 仙台市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例(仙台市)
- ^ 仙台市「杜の都」景観計画の一部変更について(平成25年6月) (PDF) (仙台市 2013年6月)
- ^ 仙台空港の制限表面図 (PDF) (国土交通省東京航空局)
- ^ 電子国土ポータルによる
- ^ 霞目駐屯地から「高さ制限」のお知らせ (PDF) (霞目駐屯地 2009年3月24日)
- ^ 仙台駅西・一番町地域
- ^ 仙台長町駅東地域
関連項目
編集- 仙台市都心部#オフィス街
- 大年寺山#テレビ塔 - 仙台空港の制限表面との関係
- 大観密寺#仙台大観音 - 全高100mの大観音像
- せんだいメディアテーク - 伊東豊雄による意匠設計。構造が特殊なため世界的に知られている
外部リンク
編集- 環境影響評価(環境アセスメント)(仙台市)
- 環境影響評価・環境アセスメント(宮城県)
- 仙台市「杜の都」景観計画(仙台市)
- 仙台市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例(仙台市)
- せんだい街なかナビ「ビルの上から見た仙台」(仙台市)
- Sendai(SkyscraperPage.com)