今村奈良臣
日本の農業経済学者(1934-2020)
今村 奈良臣(いまむら ならおみ、1934年4月1日[1] - 2020年2月28日)は、日本の農業経済学者。学位は、農学博士(1964年)(学位論文「農林国家経費の研究」)。東京大学名誉教授。第一次産業を発展させた「6次産業」の提唱者として知られる。
来歴
編集1934年大分県生まれ。1952年大分県立大分上野丘高等学校卒業。1957年東京大学農学部農業経済学科卒業。1963年同大学院博士課程修了、1964年「農林国家経費の研究」で農学博士の学位を取得[2]。農政調査委員会研究職員。1968年信州大学助教授、1974年東京大学助教授、1982年教授。1984-1985年米国ウィスコンシン大学客員研究員。1994年定年退官、名誉教授、日本女子大学教授、2002年退職。
日本農業経済学会会長、米価審議会委員、畜産振興審議会会長、農政審議会会長、初代食料・農業・農村政策審議会会長等を歴任。農林水産省政策評価会座長、自主流通米価格形成センター運営委員会委員長、米情報委員会委員長、自主流通米価格形成センター取引監視委員会委員長、都市農山漁村交流活性化機構理事長。日本農業法人協会理事、JA改革推進会議議長。全国農業会議所会員、農山漁村文化協会会長理事。
著書
編集単著
編集- 『補助金と農業・農村』(家の光協会、1978年)
- 『現代農地政策論』(東京大学出版会、1983年)
- 『揺れうごく家族農業:個と集団:アメリカ・日本・中国・北朝鮮』(柏書房、1986年)
- 『国際化時代の日本農業:車座になって経営革新を考える』(農山漁村文化協会、1988年)
- 『人を活かす地域を興す:農業再生への提言』(家の光協会、1989年)
- 『農業構造改革の展開論理』(農山漁村文化協会、2003年)(今村奈良臣著作選集 上)
- 『農政改革と補助金』(農山漁村文化協会、2003年)(今村奈良臣著作選集 下)
- 『私の地方創生論』(農山漁村文化協会、2015年)
共著
編集- (劉志仁・金聖昊・羅明哲・坪井伸広)『東アジア農業の展開論理:中韓台日を比較する』(農山漁村文化協会、1994年)
- (八木宏典・水谷正一・坪井伸広)『水資源の枯渇と配分:開発から管理へ』(農山漁村文化協会、1996年)
- (服部信司・矢口芳生・加賀爪優・菅沼圭輔)『WTO体制下の食料農業戦略:米・欧・豪・中と日本』(農山漁村文化協会、1997年)
- (張安明・小田切徳美)『中国近郊農村の発展戦略』(農山漁村文化協会、2004年)
編著
編集- 『転機にたつ食管制度』(家の光協会、1980年)
- 『農政改革:世界と日本』(御茶ノ水書房、1987年)
- 『「新農政」を斬る』(農林統計協会、1993年)
- 『農政改革の世界史的帰趨』(農山漁村文化協会、1994年)
- 『森林資源の利用と再生:経済の論理と自然の論理』(農山漁村文化協会、1994年)
共編著
編集- (永田恵十郎)『明日の農協:理念と事業をつなぐもの』(農山漁村文化協会、1986年)
- (吉田忠)『食生活変貌のベクトル:連続と断絶の一世紀』(農山漁村文化協会、1988年)
- (松浦利明)『社会主義農業の変貌:集団化先発国の教訓』(農山漁村文化協会、1988年)
- (陣内義人)『新海洋時代の漁業:変容のメカニズム』(農山漁村文化協会、1988年)
- (松浦利明)『農業保護の理念と現実:財政と金融の動きを読む』(農山漁村文化協会、1989年)
- (河相一成)『工業化社会の農地問題:構造問題と土地問題の接点』(農山漁村文化協会、1989年)
- (吉田忠)『飢餓と飽食の構造:今、世界の食糧は……』(農山漁村文化協会、1990年)
- (吉田忠・松浦利明)『食糧・農業の関連産業:輸入と自給のダイナミズム』(農山漁村文化協会、1990年)
- (吉田忠)『農業の教育力:人と自然を活かす道』(農山漁村文化協会、1990年)
- (河相一成)『国土利用と農地問題:地価形成と農地流動のメカニズム』(農山漁村文化協会、1991年)
- (犬塚昭治・河相一成)『農業の活路を世界に見る:共・競・協が織りなす社会』(農山漁村文化協会、1991年)
- (犬塚昭治)『政府と農民:その政治力学を世界に見る』(農山漁村文化協会、1991年)
- (永田恵十郎)『地域資源の保全と創造:景観をつくるとはどういうことか』(農山漁村文化協会、1995年)
翻訳
編集- レスター・R・ブラウン『だれが中国を養うのか?:迫りくる食糧危機の時代』(ダイヤモンド社、1995年)
- レスター・R.ブラウン『食糧破局:回避のための緊急シナリオ』(ダイヤモンド社、1996年)
参考文献
編集- 「著作選集」に付された紹介文
脚注
編集- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.301
- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ “今村奈良臣さん死去”. 朝日新聞社. (2020年3月1日) 2020年3月1日閲覧。
- ^ “今村奈良臣氏死去 85歳 農業6次化を提唱”. 日本農業新聞社. (2020年3月1日) 2020年3月1日閲覧。