京阪杯(けいはんはい)は、日本中央競馬会 (JRA) が京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走(GIII)である。

京阪杯
第66回京阪杯(2021年11月28日)
優勝馬:エイティーンガール
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 京都競馬場
創設 1956年11月4日
2024年の情報
距離 芝1200m
格付け GIII
賞金 1着賞金4100万円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(特指)
負担重量 別定
出典 [1][2][3]
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寄贈賞を提供する京阪ホールディングスは、大阪市に本社を置き、京都競馬場の最寄り駅淀駅を通る京阪本線を運営する京阪電気鉄道を傘下に持つ純粋持株会社[4]である。

正賞は京阪ホールディングス株式会社賞[2][3][注 1]

概要

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第58回優勝馬アースソニック

1956年に「京都特別(きょうととくべつ)」の名称で創設された、4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走で、1961年より現名称となった[5][6][7]

創設時は芝2200mのハンデキャップ競走で行われ、その後距離や施行時期・競走条件等は幾度か変更されたものの、概ね中距離の重賞として定着していた[5][6]が、2006年に短距離重賞路線の整備が図られ、本競走は芝1200mに変更された[5][6]

外国産馬は1989年から、地方競馬所属馬は1998年から出走が可能になったほか、2005年から国際競走に指定され、外国馬も出走可能になった[5][6]

2016年より本馬場入場曲が向谷実作曲の「A Promising Moment」に変更されている(2020年を除く)[8][注 2]

本競走はGI・ジャパンカップと同日の最終第12競走に組まれており、2014年以後は年末の阪神競馬[注 3]が代替されない限りは、京都競馬場の年内最終競走(平年の第5回京都競馬第8日の第12競走に指定)となっている。

競走条件

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以下の内容は、2024年現在[2][3][9][10]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(認定馬のみ、2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 3歳56kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減
    • 日本馬:収得賞金3000万円超過馬は超過額2000万円毎に1kg増
    • 外国馬:GI競走1着馬は5kg増、GII競走1着馬は3kg増、GIII競走1着馬は1kg増(2歳時の成績は除く)

賞金

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2024年の1着賞金は4100万円で、以下2着1600万円、3着1000万円、4着620万円、5着410万円[2][3]

歴史

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  • 1956年 - 4歳以上の馬による重賞競走として「京都特別」の名称で創設、京都競馬場の芝2200m(外回り)で施行。当初は秋季に行われた[11]
  • 1960年 - 京阪電気鉄道(現・京阪ホールディングス)が賞を寄贈、「京阪盃」が副名称となる[11]
  • 1961年 - 名称を「京阪杯」に変更[11]
  • 1984年
  • 1989年 - 混合競走に指定。
  • 1997年 - 開催時期が秋季に戻り[11]、競走条件を「4歳以上」に変更。
  • 1998年 - 特別指定交流競走となり、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能となる。
  • 2001年 - 馬齢表記を国際基準へ変更したのに伴い、競走条件を「3歳以上」に変更。
  • 2005年 - 国際競走に指定され[11]、外国馬が5頭まで出走可能となる。
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国馬の出走枠が9頭に拡大。
  • 2020年 - 京都競馬場の改修工事に伴う開催日割の変更のため阪神競馬場で施行。このため、出走可能頭数が16頭に変更される(2021年・2022年も同様)[12][13][14]
  • 2023年 ‐ この年から負担重量を「グレード別定」に変更され、斤量も3歳56kg、4歳以上57kg(牝馬2kg減)に変更された。

歴代優勝馬

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優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第5回まで「京都特別」、第6回以降は「京阪杯」[5]

回数 年月日 競馬場 距離 優勝馬 タイム 性齢 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1956年11月4日 京都 2200m ミナトリユウ 2分19秒 1/5 牡3 渡辺正人 稗田虎伊 小川虎三
第2回 1957年10月6日 京都 2200m ナンバイチバン 2分24秒 0/5 牡4 大沢真 玉谷敬治 浜田尚子
第3回 1958年10月5日 京都 2200m タツテル 2分19秒 3/5 牡3 高橋直 諏訪佐市 加藤辰次
第4回 1959年10月4日 京都 2200m ワカノキング 2分21秒5 牡3 北橋修二 柴田不二男 小野国光
第5回 1960年10月2日 京都 2200m ヤマニンモアー 2分16秒7 牡3 浅見国一 藤本冨良 土井宏二
第6回 1961年10月1日 京都 2200m メーデンスレデイ 2分17秒1 牝4 宇田明彦 星川泉士 伊達牧場
第7回 1962年10月7日 京都 2200m タカシゲ 2分17秒2 牡3 清田十一 伊藤勝吉 大久保常吉
第8回 1963年9月29日 京都 2200m コウライオー 2分06秒9 牡3 沖田秀勝 吉田三郎 高田政治
第9回 1964年9月27日 京都 2200m ヤマニンルビー 2分23秒6 牝3 池江泰郎 浅見国一 川田武
第10回 1965年9月23日 京都 2200m ヤマヒロ 2分17秒1 牡4 諏訪真 諏訪佐市 土井宏二
第11回 1966年9月18日 京都 1800m バリモスニセイ 1分55秒3 牡5 諏訪真 諏訪佐市 小杉咲枝
第12回 1967年11月3日 京都 1800m ネイチブランナー 1分50秒5 牡4 松本善登 山岡寿恵次 増田伝三郎
第13回 1968年11月10日 京都 1800m ヒロダイコク 1分55秒3 牝3 武田悟 夏村辰男 前畑邦夫
第14回 1969年11月9日 京都 1800m クリカシワ 1分49秒9 牡4 高橋成忠 柏谷富衛 栗林友二
第15回 1970年11月8日 京都 1800m セブンオー 1分51秒3 牡3 久保敏文 伊藤修司 森本博
第16回 1971年11月7日 京都 1900m タイセフト 1分59秒7 牡4 高橋成忠 二分久男 三宅正平
第17回 1972年11月23日 京都 2000m ロングワン 2分03秒5 牡4 武邦彦 松田由太郎 中井長一
第18回 1973年11月23日 京都 2000m シバタケ 2分03秒6 牡4 高崎詠三郎 橋本正晴 内芝伝一
第19回 1974年11月24日 京都 2000m イーストリバー 2分04秒2 牡4 北橋修二 松元正雄 川東勝俊
第20回 1975年11月23日 京都 2000m エリモカンセイ 2分05秒3 牡4 目黒正徳 大根田裕也 井上芳春
第21回 1976年11月28日 京都 2000m コウイチサブロウ 2分02秒6 牡3 松本善登 庄野穂積 桂土地(株)
第22回 1977年11月27日 京都 2000m シルバーランド 2分03秒6 牡7 福永洋一 佐藤勇 冨士田竹三
第23回 1978年11月26日 京都 2000m マチカネタイテイ 2分02秒3 牡5 福永洋一 清田十一 細川益男
第24回 1979年11月25日 阪神 2000m タマモリマンド 2分00秒8 牡4 久保一秋 吉永猛 三野道夫
第25回 1980年11月23日 京都 2000m タニノテスコ 2分01秒6 牝5 飯田明弘 小林稔 谷水雄三
第26回 1981年11月22日 京都 2000m ノトダイバー 2分01秒3 牡4 加用正 北橋修二 (有)能登
第27回 1982年11月28日 京都 2000m ノトダイバー 2分02秒5 牡5 加用正 北橋修二 (有)能登
第28回 1983年11月27日 京都 2000m エリモローラ 2分03秒2 牡4 猿橋重利 大久保石松 山本慎一
第29回 1984年5月13日 京都 2000m カツラギエース 2分02秒1 牡4 西浦勝一 土門一美 野出一三
第30回 1985年5月12日 京都 2000m マルブツサーペン 2分02秒1 牡4 加用正 瀬戸口勉 大沢毅
第31回 1986年5月11日 京都 2000m シングルロマン 2分04秒2 牡4 松本達也 中尾正 藤井章
第32回 1987年5月17日 京都 2000m マルカセイコウ 2分05秒5 牡4 柴田光陽 内藤繁春 河長産業(株)
第33回 1988年5月15日 京都 2000m トウショウレオ 2分04秒4 牡6 田島良保 鶴留明雄 トウショウ産業(株)
第34回 1989年5月14日 京都 2000m ニホンピロブレイブ 2分02秒7 牡4 武豊 伊藤雄二 小林百太郎
第35回 1990年5月13日 京都 2000m ロングムテキ 2分01秒7 牡6 松永昌博 沖芳夫 中井商事(株)
第36回 1991年5月12日 京都 2000m イクノディクタス 2分02秒4 牝4 村本善之 福島信晴 勝野憲明
第37回 1992年5月17日 京都 2000m ミスタースペイン 2分03秒3 牡4 石橋守 橋口弘次郎 架谷外茂次
第38回 1993年5月15日 京都 2000m ロンシャンボーイ 2分00秒9 牡4 清山宏明 小原伊佐美 清岡政徳
第39回 1994年5月14日 阪神 2000m ネーハイシーザー 1分58秒9 牡4 塩村克己 布施正 (株)大丸企業
第40回 1995年5月13日 京都 2000m ダンツシアトル 1分58秒9 牡5 村本善之 山内研二 山元哲二
第41回 1996年5月11日 京都 2200m ダンスパートナー 2分12秒8 牝4 四位洋文 白井寿昭 吉田勝己
第42回 1997年11月22日 京都 1800m エリモダンディー 1分48秒2 牡3 武豊 大久保正陽 山本慎一
第43回 1998年11月28日 京都 1800m ブラボーグリーン 1分46秒6 牡4 幸英明 栗田博憲 (株)グリーンファーム
第44回 1999年11月27日 京都 1800m ロサード 1分46秒4 牡3 安藤勝己 橋口弘次郎 (有)社台レースホース
第45回 2000年11月25日 京都 1800m ジョウテンブレーヴ 1分45秒2 牡3 O.ペリエ 相沢郁 田邉久男
第46回 2001年11月24日 京都 1800m テンザンセイザ 1分45秒6 牡3 四位洋文 藤原英昭 平野三郎
第47回 2002年11月23日 京都 1800m サイドワインダー 1分45秒3 牡4 武幸四郎 北橋修二 (株)協栄
第48回 2003年11月29日 京都 1800m チアズブライトリー 1分49秒1 牡5 本田優 山内研二 北村キヨ子
第49回 2004年11月27日 京都 1800m ダイワエルシエーロ 1分46秒3 牝3 福永祐一 松田国英 大和商事(株)
第50回 2005年11月26日 京都 1800m カンパニー 1分44秒8 牡4 福永祐一 音無秀孝 近藤英子
第51回 2006年11月25日 京都 1200m アンバージャック 1分08秒3 牡3 武幸四郎 中野隆良 (有)日進牧場
第52回 2007年11月23日 京都 1200m サンアディユ 1分07秒9 牝5 武豊 音無秀孝 松岡隆雄
第53回 2008年11月29日 京都 1200m ウエスタンダンサー 1分08秒1 牝4 川田将雅 崎山博樹 西川賢
第54回 2009年11月28日 京都 1200m プレミアムボックス 1分07秒6 牡6 幸英明 上原博之 (有)社台レースホース
第55回 2010年11月27日 京都 1200m スプリングソング 1分08秒0 牡5 池添謙一 鶴留明雄 吉田照哉
第56回 2011年11月26日 京都 1200m ロードカナロア 1分08秒1 牡3 福永祐一 安田隆行 (有)ロードホースクラブ
第57回 2012年11月24日 京都 1200m ハクサンムーン 1分08秒5 牡3 酒井学 西園正都 河崎五市
第58回 2013年11月23日 京都 1200m アースソニック 1分07秒5 牡4 M.デムーロ 中竹和也 前田幸治
第59回 2014年11月30日 京都 1200m アンバルブライベン 1分08秒3 牝5 田中健 福島信晴 伊藤信之
第60回 2015年11月29日 京都 1200m サトノルパン 1分07秒4 牡4 和田竜二 村山明 里見治
第61回 2016年11月27日 京都 1200m ネロ 1分10秒3 牡5 M.バルザローナ 森秀行 西山茂行
第62回 2017年11月26日 京都 1200m ネロ 1分08秒8 牡6 吉原寛人 森秀行 西山茂行
第63回 2018年11月25日 京都 1200m ダノンスマッシュ 1分08秒0 牡3 北村友一 安田隆行 (株)ダノックス
第64回 2019年11月24日 京都 1200m ライトオンキュー 1分08秒8 牡4 古川吉洋 昆貢 ゴドルフィン
第65回 2020年11月29日 阪神 1200m フィアーノロマーノ 1分08秒2 牡6 吉田隼人 高野友和 吉田和美
第66回 2021年11月28日 阪神 1200m エイティーンガール 1分08秒8 牝5 秋山真一郎 飯田祐史 中山泰志
第67回 2022年11月27日 阪神 1200m トウシンマカオ 1分07秒2 牡3 鮫島克駿 高柳瑞樹 (株)サトー
第68回 2023年11月26日 京都 1200m トウシンマカオ 1分07秒4 牡4 菅原明良 高柳瑞樹 (株)サトー
第69回 2024年11月24日 京都 1200m ビッグシーザー 1分07秒7 牡4 北村友一 西園正都 幅田昌伸

脚注・出典

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注釈

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  1. ^ JRAで行われる沿線大手私鉄5社の冠競走で唯一、社賞が持株会社名義となっている。同様の体制を取る阪急阪神東宝グループの寄贈賞が掛かった阪急杯では、寄贈賞の提供元は事業会社の阪急電鉄である。
  2. ^ 音楽館が2016年に発売した「京阪電車発車メロディコレクション2016」のボーナストラックにこの競走のみで使用される本馬場入場曲が収録されている。
  3. ^ 阪神ジュベナイルフィリーズ朝日杯フューチュリティステークスなどが行われる節
  4. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

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  1. ^ IFHA Race Detail Keihan Hai”. International Federation of Horseracing Authorities. 2015年11月24日閲覧。
  2. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 35. 2021年11月12日閲覧。
  3. ^ a b c d 令和3年第5回阪神競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年11月12日閲覧。
  4. ^ 2021年度第5回阪神競馬特別レース名解説(第9日)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2021年11月12日閲覧。
  5. ^ a b c d e 今週の注目レース(第60回京阪杯:歴史・プレイバック)”. 日本中央競馬会. 2015年11月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月24日閲覧。
  6. ^ a b c d 京阪杯特集(レースガイド)”. netkeiba.com. 2015年11月24日閲覧。
  7. ^ 中央競馬全重賞競走成績集
  8. ^ 京阪電車発車メロディCOLLECTION2016 臨時列車・オリジナルグッズ京阪電気鉄道
  9. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(令和3年度秋季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年11月12日閲覧。
  10. ^ 競馬番組一般事項 V 出馬投票” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 18-24 (2021年). 2021年11月12日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g 京阪電気鉄道株式会社経営統括室経営政策担当/編『京阪百年のあゆみ』2011年、754-755頁。 
  12. ^ 令和2年度開催日割および重賞競走について” (PDF). 日本中央競馬会. 2020年11月20日閲覧。
  13. ^ 令和3年度開催日割および重賞競走について” (PDF). 日本中央競馬会. 2020年11月20日閲覧。
  14. ^ 令和4年度開催日割および重賞競走について” (PDF). 日本中央競馬会 (2021年10月18日). 2021年11月12日閲覧。

各回競走結果の出典

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外部リンク

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