交響曲第5番 (吉松隆)
概要
編集吉松は、交響曲第5番を書くにあたって冒頭は「運命」のモチーフで始まりド・ミ・ソの主和音で終わるという夢を持っていた。実際、曲はタタタターンという運命動機で始まっている[1]。
初演
編集楽器編成
編集ピッコロ(アルトフルート持ち替え)、フルート2、オーボエ2、イングリッシュホルン、B♭管クラリネット2、バスクラリネット、ファゴット2、コントラファゴット、F管ホルン6、C管トランペット4、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、クラベス、クイーカ、トムトム、小太鼓、大太鼓、サスペンテッドシンバル、ハイハットシンバル、シンバル、タムタム、トライアングル、ウィンドベル、ウィンドチャイム、タンバリン、マラカス、カバサ、アゴゴ、コンガ、カウベル、ウッドブロック、カスタネット、ヴィブラスラップ、アンティークシンバル、チューブラーベル、グロッケンシュピール、木琴、ヴィブラフォン、マリンバ、ピアノ、チェレスタ、弦五部
楽曲構成
編集4楽章構成で演奏時間は約46分。[2]
各楽章に、作曲者が簡単な解説を与えている。
第1楽章:アンダンテ・ペサンテーアレグロ・モルト
編集作曲者は、3つの異質なモチーフが登場する軋んだ序奏と、後悔と希望とが歪に錯綜しながら疾走する分裂症的なアレグロと述べている[1]。
第2楽章:アレグレットーアレグロ・モルト
編集作曲者は、冷笑的で悪魔的な乾いたスケルツォ。ジャズ風のベース・ラインに乗って悪夢が皮肉な笑みの中で跳梁跋扈すると述べている[1]。
第3楽章:アンダンテ・ラメントーソ
編集作曲者は、女性性によせる悲歌風のアダージョ。星くずの下での鳥たちの夢と回想、そして亡き妹へよせるワルツの残像と述べている[1]。
第4楽章:アンダンテ・マエストーソーアレグロ・モルト
編集作曲者は、祝祭的なファンファーレで始まり、ロックのビートで駆け抜ける錯乱した舞踏としてのフィナーレ。夢の収斂と昇華と述べている[1]。
脚注
編集- ^ a b c d e f “吉松隆交響曲第5番 の概要、基本情報”. www.kanzaki.com. 2023年2月8日閲覧。
- ^ (日本語) Takashi Yoshimatsu ( 吉松隆 ): Symphony No. 5 (2001) 2023年2月8日閲覧。