全3楽章、演奏時間は約14分。3楽章構成の交響曲はハイドンの初期には多いが、この曲のように緩徐楽章を欠くものはほかに例がない。そのかわり第1楽章に長めの序奏が付随する。また、全ての楽章が同じ調性で書かれている。
- 第1楽章 アダージョ - アレグロ・モルト
- ハ長調、4分の4拍子 - 4分の2拍子、ソナタ形式。
- アダージョの序奏部(4分の4拍子)は23小節からなり、弦楽器で主題が対位法的に出現し、終わりそうで終わらない(フェルマータが2回出現する)やや不思議な音楽になっている。
- 序奏の後にアレグロ・モルトの主部(4分の2拍子)に入るが、こちらは明るくごく単純なソナタ形式の曲である。低音楽器の刻みに乗って上昇分散和音の主題が出現する。再現部の第2主題はかなり変形されている。
- 第2楽章 メヌエット - トリオ
- ハ長調、4分の3拍子。
- メヌエット主部はトリル、付点つきリズム、3連符などを組み合わせた、はずんだ音楽である。トリオでは弦楽器のピッツィカートによる素朴な伴奏に乗ってオーボエとホルンが旋律を演奏する。
- 第3楽章 プレスト
- ハ長調、4分の2拍子、ソナタ形式。
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- 2分音符による4つの音を主題とする。短い展開部のはじめでは第2ヴァイオリンが第1ヴァイオリンを1小節遅れて追いかけ、再現部のはじめでは低音が第1ヴァイオリンの主題を2小節遅れて追いかける対位法な手法が使われている。
- ^ デッカ・レコードのホグウッドによるハイドン交響曲全集第2巻、ウェブスターによる解説。1993年