上海汽車集団
上海汽車集団股份有限公司(しゃんはいきしゃしゅうだんこふんゆうげんこうし、中: 上海汽车集团股份有限公司、 英: SAIC Motor Corporation Limited)、略称上汽集団(しゃんちーしゅうだん、中: 上汽集团)は、中華人民共和国上海市に本社を置く自動車メーカーである。現在の英文社名のSAICは元々の英文社名であるShanghai Automotive Industry Corporationの頭文字をとっている。
種類 | 株式会社 |
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略称 | 上汽集団、SAIC |
本社所在地 |
中国 200041 上海市静安区威海路489号 |
設立 | 1958年 |
業種 | 輸送用機器 |
事業内容 | 自動車の製造 |
外部リンク | https://www.saicmotor.com/ |
第一汽車、東風汽車と並び、中国の三大自動車メーカーの一つ。また、この2社に長安汽車、奇瑞汽車を加えた、中国自動車メーカーの「ビッグ5」の内の1社でもある。
歴史
編集1958年に最初の自動車である「鳳凰」セダンの試作に成功。鳳凰は1964年に上海・SH760と改名され、1991年までの長期間にわたって生産された。後に始まった中国共産党政府の改革開放政策で、中国自動車企業として初めて外国資本との合弁に着手し、ドイツのフォルクスワーゲン社との合弁会社「上海大衆」を設立してVWサンタナ(後に『サンタナ2000/3000』に発展)を生産した。このサンタナ2000/3000は現在でも生産され、上海市内のタクシーの車種別シェアのほとんどを占めている。またのちにサンタナ2000/3000の知的財産権がフォルクスワーゲンから譲渡された。
その一方で1990年代にはアメリカ、ゼネラルモーターズと合弁会社「上海通用」も設立、キャデラック、ビュイックやシボレーのモデルを生産している。
2004年には、経営難に直面したイギリスのMGローバー(以下MGR)と資本・技術提携を発表したが、翌2005年に決裂、直後に同社は経営破綻、倒産状態となった。この後、再建に向けて経営権獲得に名乗りを上げたが、当時のブレア政権との相性も悪く結局解体となった。この時点ではMGR全体の所有権は未だBMWにあった。MGRのブランドのうちスポーツ部門のMGの知的財産権を南京汽車に割譲、乗用車部門のローバーは当時ランドローバーを所有していたフォード・モーターに売却すると発表した。この件で上汽集団はMGRとの提携交渉によりMGRの知的財産権を主張し、同社の高級モデルローバー・75の生産設備を買い取り、「栄威 (Roewe) 750」の名称で製造、販売した。
一部報道では上汽集団がローバーを買収したと報道されたが、実際にはMGローバーが開発したエンジンや車体などの知的財産、及び販売権等を取得をしたものであり、ローバーブランドそのものを手に入れたわけではない。
2004年の同時期、経営破綻した韓国の双竜自動車の株式を49%取得し買収。しかし双竜は再び経営が悪化し、法定管理(日本の会社更生法に相当)申請を経て2010年11月にインドのマヒンドラ&マヒンドラへ売却された[1]。
2019年12月、日本や欧州メーカーとの合弁企業を傘下に持つ広州汽車集団と5年間に及ぶ包括的な提携を発表、コア技術の開発や産業チェーンの共有化、新規事業並びに海外市場の開拓などの相互支援を公表した[2]。
2020年9月、「水素戦略」を発表。2025年までに水素燃料で走る燃料電池自動車少なくとも10モデル発売。他の企業と連携して関連施設の整備も行い産業化を推進する方針も示した[3]。
2022年9月22日、国有エネルギー大手の中国石油化工集団および中国石油天然気、CATLと共同で、ガソリンスタンドのネットワークを活用した電気自動車の電池交換ステーションを建設すると発表[4]。
現状
編集現在中国国内では民族系メーカーと呼ばれる民間及び地方政府経営の自動車メーカーを中心に、自社ブランド・自主開発の車種が増えつつあり、一部は欧州や東南アジアに輸出もされているが、上汽集団は自主ブランドブームに最も慎重といわれ、長く業務の中心を外資との合弁に専念していた。
上汽集団は中国で最も多く部品子会社を抱えている。
主なブランド・グループ企業
編集- Maxus(大同):2011年に設立された上汽集団の完全子会社。MGやRoeweなどのブランドを所有しており、海外市場にも展開している。
- MG:南京汽車の買収によって取得。海外市場にも展開されている上汽集団の基幹ブランドである。
- Roewe(栄威):旧MGローバーの知的財産を元に創設された自主ブランドである。
- 上汽大衆汽車(上汽フォルクスワーゲン、上汽VW、SAIC VW):旧称上海大衆汽車。独フォルクスワーゲンとの合弁会社、サンタナなどを製造。
- 上汽通用汽車(上汽GM、SAIC GM):旧称上海通用汽車。米ゼネラルモーターズ(GM)との合弁会社
- 上汽通用五菱汽車 (SAIC-GM-Wuling, SGMW) :SAICが50.1%、GMが34%、五菱汽車が15.9%出資する合弁会社
- 上汽大通汽车有限公司(上汽大通、SAIC Maxus):英LDVグループの知的財産を元に創設された自主ブランド。バン、ミニバン(MPV)、SUV、ピックアップトラックを製造・販売。
- 汎亜汽車技術中心(Pan Asia Technical Automotive Center、PATAC):GMとの合弁で設立された技術開発センター
- 安吉物流:物流会社
出典
編集- ^ “双龍自動車 インドのマヒンドラ&マヒンドラが買収本契約”. KBS WORLD. 2023年6月24日閲覧。
- ^ 中国の上海・広州汽車、技術開発などで提携 日本経済新聞/2019年12月24日掲載、2020年8月3日閲覧)]
- ^ “上海汽車集団の燃料電池車、25年までに年産1万台へ”. AFP (2020年9月16日). 2020年9月16日閲覧。
- ^ “中国自動車大手「EV電池交換」に給油所網を活用(東洋経済オンライン)”. LINE NEWS. 2022年10月12日閲覧。