三部作

三つにそれぞれ分かれていながら、同じ一つの主題を持つ作品群のこと、トリロジー

三部作(さんぶさく、: τριλογία)は、三つにそれぞれ分かれていながら、同じ一つの主題を持つ作品群のこと。英語を用いてトリロジー: trilogy)とも呼ぶ。

概要

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古代ギリシア演劇で3編の悲劇を中心として上演されていたことを嚆矢とし、小説絵画音楽[1]などにも使用される。

三部作の伝統は古代ギリシア演劇の時代から存在し、悲劇三部作(トリロギア)+サテュロス劇の形式を取った。その後、作者が当初から三部作を意識して作ったもの、本来一つの作品を三つに分割したもの、結果的に続編あわせて3部になったもの、他人(評論家、出版社など)が独自にそう呼んでいるものなど、商業的な思惑もあり、様々に使用されている。

三部作は続編・前編関係になっているものもあれば、作品ごとに世界観が異なったりもする。

現在では、映画漫画クラシック音楽ポピュラー音楽、その他メインカルチャーサブカルチャー双方の分野において広く実施例が見られている。特に、世界観などの設定の説明が必要なSFファンタジーの分野に意図した三部作が多い。

近年の作品では、長年にわたり意図された三部作と思われていたが、特に商業作品では人気を博したことなどで4作目以降が作られる例もある。たとえば、アーシュラ・K・ル=グウィンの『ゲド戦記』は、3巻が書かれてから4巻目が刊行されるまでの18年間は三部作と考えられていた。日本でも、金子修介監督による「ガメラシリーズ」が平成ガメラ三部作と呼ばれていたが、6年後に4作目の平成ガメラ映画が作られた(ただし、4作目の平成ガメラ映画は「新生版」といったように、「平成ガメラ三部作」とは別のカテゴリーとされている)。ほかに『銀河ヒッチハイク・ガイド』では「三部作の4番目」が作られている。

実例

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劇・詩

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音楽

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絵画

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小説

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ドラマ

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映画

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日本の映画監督の三部作

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日本国外の映画監督の三部作

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シリーズ映画

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アニメ

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テレビアニメ

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劇場アニメ

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  • GODZILLA
    • 第一章『GODZILLA 怪獣惑星』、第二章『GODZILLA 決戦機動増殖都市』、最終章『GODZILLA 星を喰う者』
  • ベルセルク 黄金時代篇
    • 『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』、『ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略』、『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』
  • Fate/stay night [Heaven's Feel]
    • 『I.presage flower』、『II.lost butterfly』、『III.spring song』

ゲーム

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漫画

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その他

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テレビ番組

架空の三部作

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作品中に登場する、実在しない三部作作品について記す。

想定外の事例

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想定されていなかった結果として、三部作になったものや四部作になったものが存在する。

下記の実例は、代表例や製作者自身が明かしているものなど。

1作(もしくは2作)で終わるはずだったもの

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人気作品などに多く見られる。

人気があったために三部作になった場合は、下記の4作目や5作目が作られたものへ続く場合がある。

3部作のはずが1作もしくは2作で終わってしまったもの・構想のみで作られなかったもの

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不人気だけでなく、原作者の死亡やスタッフの移動・完結前のネタバレなど多くの理由が存在する。

  • ECHOES、人間の進化をテーマにした三部作
    • 1作目『EGGS』を作り、多分2作目は『HUMAN』、3作目は『COSMOS』とか『EARTH』等の制作を予定していたが、『EGGS』リリース後、ほとんどの作詞作曲を手掛けていた辻仁成が、当時作家活動が本格的になっていたこともあり、ライブツアーの最中にもうこれで(ECHOESは)いいだろうとバンドの解散を申し出たことにより、1作で終わることとなった[27]
  • ミス・マープル三部作
    • アガサ・クリスティーは、『カリブ海の秘密』『復讐の女神』と“Woman's Realm”で三部作とする予定をしていたが[28]、著者死去につき“Woman's Realm”の執筆が果たせず2作で終わることとなった。

4作目や5作目が作られたもの

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一度は三部作で完結した作品。人気作品などによくみられる。

劇場版用に再構成されたもの

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ドラマやアニメなど、テレビ放送されていたものが、映画化された際に3部作として分割されたもの。

  • 機動戦士ガンダム
    • 『機動戦士ガンダム』、『機動戦士ガンダムII 哀・戦士篇』、『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙篇』
  • 機動戦士Ζガンダム
    • 『機動戦士Ζガンダム-星を継ぐ者-』、『機動戦士ΖガンダムII-恋人たち-』、『機動戦士ΖガンダムIII-星の鼓動は愛-』

脚注

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  1. ^ チャイコフスキーの三大バレエ
  2. ^ Burton D. Fisher (2006). “a Prelude to OPERA CLASSICS LIBRARY's Mozart's Da Ponte Operas: The Marriage of Figaro, Don Giovanni, Cosi fan tutte”. Mozart's Da Ponte Operas: The Marriage of Figaro, Don Giovanni, Cosi Fan Tutte. Opera Journeys Publishing. p. 9. ISBN 978-0979002106 Google Booksプレビュー)9ページ「The "da Ponte Trilogy"
  3. ^ モーツァルト コジ・ファン・トゥッテ ― 資料集” (PDF). 展示スクエア モーツァルト コジ・ファン・トゥッテ. 桐朋学園大学附属図書館 (2016年11月). 2022年2月21日閲覧。9ページ「3. ダ・ポンテ三部作
  4. ^ モスコ・カーナ 著、加納泰 訳『プッチーニ : 作品研究』音楽之友社、1968年、176頁。doi:10.11501/2515910 オンライン版当該ページ、国立国会図書館デジタルコレクション)「三部作 Il trittico
  5. ^ 新着情報|METライブビューイング”. 松竹株式会社 (2021年7月30日). 2024年1月6日閲覧。《蝶々夫人》 〔中略〕 中国の《トゥーランドット》、アメリカの《西部の娘》と並んでプッチーニの「ご当地三部作」と呼ばれることのある本作は」とある。
  6. ^ RESPIGHI, O.: Roman Trilogy - Pines of Rome / Fountains of Rome / Roman Festivals”. NAXOS. 2023年9月30日閲覧。
  7. ^ Levon Hakobian (2017). Music of the Soviet Era: 1917-1991 (2nd ed.). Routledge. p. 159. ISBN 978-1-472-47108-6 Google Booksプレビュー)159ページ「war trilogy
  8. ^ 新潮社
  9. ^ 井上靖文学館(文学館案内)
  10. ^ 管理人. “資料館 | 森村誠一公式サイト”. 2021年4月7日閲覧。
  11. ^ ジョージア映画の不朽の名作「祈り」51年の歳月を経て日本初公開”. 映画.com (2018年5月6日). 2018年5月6日閲覧。
  12. ^ 今週末見るべき映画「懺悔」”. Excite ism (2008年12月17日). 2018年5月6日閲覧。
  13. ^ 竹島ルイ (2021年11月24日). “『続・夕陽のガンマン』3人のならず者が宝探しに奔走するピカレスク・ロマン”. CINEMORE. 2022年2月21日閲覧。
  14. ^ 映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』公式HP” (2019年). 2023年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月21日閲覧。
  15. ^ ホームシリーズ3部作がついに完結! 「スパイダーマン :ノー・ウェイ・ホーム」本日公開”. updatedate=GAME Watch. 2024年5月20日閲覧。
  16. ^ 『ヴェノム』完結編は新キャストも認める真のラブストーリー!脚本読んで「心揺さぶられた」”. YAHOO!ニュースJAPAN. YAHOO! JAPAN (2023年11月2日). 2023年11月3日閲覧。
  17. ^ “山下敦弘監督で佐藤泰志「オーバー・フェンス」映画化!「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」に続く函館3部作最終章”. 映画.com. (2015年5月16日). https://eiga.com/news/20150516/1/ 2018年1月23日閲覧。 
  18. ^ FILMAGA (2017年8月29日). “エドガー・ライトとサイモン・ペッグとニック・フロスト、三馬鹿そろえば文殊の知恵、友情の三部作とは?”. ライブドア・ニュース. ライブドア. 2018年1月25日閲覧。
  19. ^ サイモン・ペッグ「ショーン・オブ・ザ・デッド」続編企画は「ただのパブトーク」”. 映画.com (2017年11月19日). 2018年1月25日閲覧。
  20. ^ 市川遥 (2013年1月24日). “エドガー・ライト&サイモン・ペッグ最新作にはパロディーシーンなし!”. シネマトゥデイ. 2018年1月26日閲覧。
  21. ^ “吉永小百合“北の三部作”がついに最終章へ! 息子役には堺雅人『北の桜守』”. cinemacafe.net. (2017年2月15日). https://www.cinemacafe.net/article/2017/02/15/47087.html 2018年2月1日閲覧。 
  22. ^ 大泉洋主演、北海道映画シリーズ第3弾は“チーズ”!岡田将生ら共演『そらのレストラン』”. cinemacafe.net. 2021年5月5日閲覧。
  23. ^ 幸ヒサシインタビュー”. タカラ. 2012年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月9日閲覧。(2012年3月29日時点のアーカイブ
  24. ^ アニメ ラインナップ”. タカラトミー. 2017年9月5日閲覧。
  25. ^ Transformers: Universe(2008) Vector Prime with Mini-Con Safeguard!のパッケージの記載など。
  26. ^ 『堀井雄二ミステリー三部作』インタビュー[部分]”. Webミステリーズ!. 2021年4月7日閲覧。
  27. ^ ECHOES、2000年9月20日に再発されたアルバム「EGGS」ライナーノーツ
  28. ^ 『アガサ・クリスティー百科事典』 数藤康雄・編(クリスティー文庫)より、作品事典 - 長編「55 カリブ海の秘密」参照。
  29. ^ 週刊少年チャンピオン』2023年・第40号でのインタビューより。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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