ルカシュ・クボット
ルカシュ・クボット(Łukasz Kubot, ポーランド語発音: [ˈwukaʂ ˈkubɔt], 1982年5月16日 - )は、ポーランド・ボレスワヴィェツ出身の男子プロテニス選手。ATPツアーでシングルスの優勝はないが(準優勝2度)、ダブルスでは2014年全豪オープンと2017年ウィンブルドン選手権での優勝を含め、27勝を挙げている。自己最高ランキングはシングルス41位、ダブルス1位。身長191cm、体重86kg。ルーカシュ・クボト表記もみられる。
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2019年全仏オープンでのルカシュ・クボット | ||||
基本情報 | ||||
国籍 | ポーランド | |||
出身地 | 同・ボレスワヴィェツ | |||
生年月日 | 1982年5月16日(42歳) | |||
身長 | 191cm | |||
体重 | 86kg | |||
利き手 | 右 | |||
バックハンド | 両手打ち | |||
ツアー経歴 | ||||
デビュー年 | 2002年 | |||
ツアー通算 | 27勝 | |||
シングルス | 0勝 | |||
ダブルス | 27勝 | |||
生涯獲得賞金 | 8,728,383 アメリカ合衆国ドル | |||
4大大会最高成績・シングルス | ||||
全豪 | 4回戦(2010) | |||
全仏 | 3回戦(2011・12) | |||
全英 | ベスト8(2013) | |||
全米 | 3回戦(2006) | |||
4大大会最高成績・ダブルス | ||||
全豪 | 優勝(2014) | |||
全仏 | ベスト4(2016) | |||
全英 | 優勝(2017) | |||
全米 | 準優勝(2018) | |||
優勝回数 | 2(豪1・英1) | |||
キャリア自己最高ランキング | ||||
シングルス | 41位(2010年4月12日) | |||
ダブルス | 1位(2018年1月8日) | |||
2022年9月27日現在 |
選手経歴
編集2000年 ツアー参戦
編集クボットは2000年からATPツアーの下部のATPチャレンジャーツアーを回り始める。
2001年 デビス杯参戦
編集2001年から男子テニス国別対抗戦デビスカップポーランド代表になった。
2002年 プロ転向
編集2002年にプロ転向。クボットがデビスカップ代表選手になった時、ポーランド代表はヨーロッパ・アフリカ・ゾーンのグループ3まで落ちていた。クボットは2002年にポーランドをユーロアフリカン・ゾーン・グループ3優勝に導いたが、その1回戦ではキプロス代表と対戦し、ダブルスでマルコス・バグダティスとその兄ペトロスの組に勝ったこともある。
2003年
編集2003年からポーランドはヨーロッパ・アフリカ・ゾーンのグループ2に入り、2010年に同ゾーンのグループ1入りを果たした。これまでにクボットはデビスカップで「23勝7敗」(シングルス19勝7敗、ダブルス4勝0敗)の成績を挙げてきたが、最近はほとんどシングルス戦に起用されている。
2006年 グランドスラム3回戦進出
編集そのクボットが初めて世界的に知られるようになったのは、2006年全米オープンの3回戦進出であった。クボットは初めて予選3試合を勝ち抜き、ポーランドの男子テニス選手として11年ぶりの本戦出場を果たす。1995年全仏オープンでヴォイチェフ・コヴァルスキが1回戦でギー・フォルジェに敗退した試合の後、ポーランド人の男子テニス選手は4大大会の男子シングルス本戦に出場できなかった。本戦では1回戦で第32シードのクリストフ・フリーヘンを破り、ノアム・オクンと対戦した2回戦にも勝って、第7シードのニコライ・ダビデンコとの3回戦まで勝ち進んだ。ダビデンコには4-6, 1-6, 1-6のストレートで完敗した。
2009年 ツアーダブルス初優勝 ATPファイナルズダブルス初出場
編集2009年、クボットはオリバー・マラチとペアを組み、ダブルスの分野で著しい躍進を見せた。全豪オープン男子ダブルスで、2人は第3シードのマヘシュ・ブパシ/マーク・ノールズ組との準決勝まで勝ち進む。4月12日、2人のペアはハサン2世グランプリダブルス決勝でシーモン・アスペリン/ポール・ハンリー組を破り、クボットはここで男子ツアー大会のダブルス初優勝を決めた。クボットとマラチは2009年の男子ツアーダブルスで年間3勝を挙げ、ツアー年間最終戦ATPワールドツアー・ファイナルのダブルス部門にも出場資格を獲得した。シングルスでは、5月初頭のセルビア・オープン大会でノバク・ジョコビッチに敗れ準優勝(同大会はマラチとのダブルス優勝により、単複両部門の決勝進出)。全仏オープンで久々にシングルスの予選を通過した。これはポーランドの男子選手として1995年のコヴァルスキ以来14年ぶりの全仏本戦出場であり、1回戦でビクトル・トロイツキに6-3, 3-6, 4-6, 7-6(4), 3-6で敗れた。
2010年 グランドスラム4回戦進出
編集2010年全豪オープンで、クボットは初めてシングルスの本戦直接出場を果たし、4回戦まで勝ち進んだ。3回戦の対戦相手だったミハイル・ユージニーが棄権したため、クボットは不戦勝で4回戦に進み、第3シードのノバク・ジョコビッチに1-6, 2-6, 5-7で敗れた。ポーランド人男子選手による4大大会シングルス4回戦進出は、1982年全仏オープンのヴォイチェフ・フィバク以来28年ぶりの快挙となった。
2011年 グランドスラム4回戦進出
編集2011年全仏オープンでは予選から勝ち上がり、1回戦で第11シードのニコラス・アルマグロを3-6, 2-6, 7-6(3), 7-6(5), 6-4の逆転で破り全仏での初勝利を挙げ3回戦まで進出した。ウィンブルドン選手権でも予選から勝ち上がり、3回戦で第9シードのガエル・モンフィスを6-3, 3-6, 6-3, 6-3で破り自己最高の4回戦に進出している。
2012年 ロンドン五輪初出場
編集2012年のロンドン五輪でオリンピックに初出場した。シングルス1回戦でグリゴール・ディミトロフに3-6, 6-7(4)で敗れた。
2013年 ウィンブルドンベスト8
編集2013年ウィンブルドン選手権では初めて4大大会シングルスでベスト8に進出した。準々決勝ではポーランドの後輩であるイェジ・ヤノヴィッツに5-7, 4-6, 4-6で敗れた。
2014年 全豪ダブルス初優勝
編集2014年全豪オープン男子ダブルスではロベルト・リンドステットと組み男子ダブルスの決勝に進出した。決勝ではエリック・ブトラック/レイベン・クラーセン組を 6–3, 6–3 で破り初の4大大会タイトルを獲得した[1]。
2017年 ウィンブルドンダブルス初優勝
編集2017年のウィンブルドン選手権男子ダブルスでマルセロ・メロとペアを組み第4シードで出場。決勝でオリバー・マラチ/マテ・パビッチに5-7, 7-5, 7-6, 3-6, 13-11で優勝。
ATPツアー決勝進出結果
編集シングルス: 2回 (0勝2敗)
編集
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結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | 対戦相手 | スコア |
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準優勝 | 1. | 2009年5月10日 | ベオグラード | クレー | ノバク・ジョコビッチ | 3–6, 6–7(0) |
準優勝 | 2. | 2010年2月14日 | コスタ・ド・サイペ | クレー | フアン・カルロス・フェレーロ | 1–6, 0–6 |
ダブルス: 25回 (15勝10敗)
編集結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | パートナー | 対戦相手 | スコア |
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準優勝 | 1. | 2007年4月23日 | カサブランカ | クレー | オリバー・マラチ | ジョーダン・カー ダビド・シュコッホ |
6–7(4), 6–1, [4–10] |
準優勝 | 2. | 2007年10月28日 | リヨン | カーペット (室内) | ロブロ・ゾブコ | セバスチャン・グロジャン ジョー=ウィルフリード・ツォンガ |
4–6, 3–6 |
準優勝 | 3. | 2009年2月23日 | アカプルコ | クレー | オリバー・マラチ | フランティシェク・チェルマク ミハル・メルティナク |
6–4, 4–6, [7–10] |
優勝 | 1. | 2009年4月11日 | カサブランカ | クレー | オリバー・マラチ | シーモン・アスペリン ポール・ハンリー |
7–6(4), 3–6, [10–6] |
優勝 | 2. | 2009年5月4日 | ベオグラード | クレー | オリバー・マラチ | ヨハン・ブルンストロム ジャン=ジュリアン・ロイヤー |
6–2, 7–6(3) |
優勝 | 3. | 2009年11月1日 | ウィーン | ハード (室内) |
オリバー・マラチ | ユリアン・ノール ユルゲン・メルツァー |
2–6, 6–4, [11–9] |
優勝 | 4. | 2010年2月6日 | サンティアゴ | クレー | オリバー・マラチ | ポティート・スタラーチェ オラシオ・セバジョス |
6–4, 6–0 |
準優勝 | 4. | 2010年2月14日 | コスタ・ド・サイペ | クレー | オリバー・マラチ | パブロ・クエバス マルセル・グラノリェルス |
5–7, 4–6 |
優勝 | 5. | 2010年2月27日 | アカプルコ | クレー | オリバー・マラチ | ファビオ・フォニーニ ポティート・スタラーチェ |
6–0, 6–0 |
優勝 | 6. | 2010年9月25日 | ブカレスト | クレー | フアン・イグナシオ・チェラ | マルセル・グラノリェルス サンティアゴ・ベントゥーラ |
6–2, 5–7, [13–11] |
準優勝 | 5. | 2011年2月5日 | サンティアゴ | クレー | オリバー・マラチ | マルセロ・メロ ブルーノ・ソアレス |
3–6, 6–7(3) |
準優勝 | 6. | 2012年4月29日 | ブカレスト | クレー | ジェレミー・シャルディー | ロベルト・リンドステット ホリア・テカウ |
6–7(2) , 3–6 |
準優勝 | 7. | 2012年5月20日 | ローマ | クレー | ヤンコ・ティプサレビッチ | マルセル・グラノリェルス マルク・ロペス |
3–6, 2–6 |
優勝 | 7. | 2012年7月15日 | シュトゥットガルト | クレー | ジェレミー・シャルディー | ミハル・メルティナク アンドレ・サ |
6–1, 6–3 |
優勝 | 8. | 2013年3月2日 | アカプルコ | クレー | ダビド・マレーロ | シモーネ・ボレッリ ファビオ・フォニーニ |
7-5, 6-2 |
優勝 | 9. | 2014年1月25日 | 全豪オープン | ハード | ロベルト・リンドステット | エリック・ブトラック レイベン・クラーセン |
6–3, 6–3 |
優勝 | 10. | 2015年6月14日 | スヘルトーヘンボス | 芝 | イボ・カルロビッチ | ニコラ・マユ ピエール=ユーグ・エルベール |
6-2, 7-6(11) |
優勝 | 11. | 2015年7月26日 | ボースタード | クレー | ジェレミー・シャルディー | フアン・セバスティアン・カバル ロベルト・ファラ |
6–7(6), 6–3, [10–8] |
優勝 | 12. | 2015年9月27日 | メス | ハード (室内) |
エドゥアール・ロジェ=バセラン | ニコラ・マユ ピエール=ユーグ・エルベール |
2–6, 6–3, [10–7] |
優勝 | 13. | 2015年10月25日 | ウィーン | ハード (室内) |
マルセロ・メロ | ジェイミー・マリー ジョン・ピアーズ |
4–6, 7–6(3), [10–6] |
準優勝 | 8. | 2016年5月1日 | エストリル | クレー | マルチン・マトコフスキ | エリック・ブトラック スコット・リプスキー |
4–6, 6–3, [8–10] |
準優勝 | 9. | 2016年6月19日 | ハレ | 芝 | アレクサンダー・ペヤ | レイベン・クラーセン ラジーブ・ラム |
6–7(5), 2–6 |
準優勝 | 10. | 2016年7月24日 | ワシントンD.C. | ハード | アレクサンダー・ペヤ | ダニエル・ネスター エドゥアール・ロジェ=バセラン |
6–7(3), 6–7(4) |
優勝 | 14. | 2016年10月30日 | ウィーン | ハード (室内) |
マルセロ・メロ | オリバー・マラチ ファブリス・マルタン |
4–6, 6–3, [13–11] |
優勝 | 15. | 2017年7月15日 | ウィンブルドン | 芝 | マルセロ・メロ | オリバー・マラチ マテ・パビッチ |
5–7, 7–5, 7–6, 3–6, 13–11 |
シングルス成績
編集- 略語の説明
W | F | SF | QF | #R | RR | Q# | LQ | A | Z# | PO | G | S | B | NMS | P | NH |
W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.
大会 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 通算成績 |
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全豪オープン | LQ | A | LQ | LQ | LQ | 4R | 2R | 1R | 1R | 1R | LQ | A | 3–5 |
全仏オープン | LQ | LQ | LQ | A | 1R | 1R | 3R | 3R | 2R | 1R | 1R | A | 5–7 |
ウィンブルドン | LQ | LQ | LQ | LQ | LQ | 2R | 4R | 2R | QF | 3R | 3R | A | 12–6 |
全米オープン | LQ | 3R | LQ | A | A | 1R | A | 1R | 1R | A | A | A | 2–4 |
※: 2010年全豪3回戦と2013年全英2回戦の不戦勝は通算成績に含まない
脚注
編集- ^ “クボット/リンドステット組が男子ダブルス初優勝、全豪オープン”. AFPBB News. (2014年1月26日)