ヤマカツスズラン
この記事では「旧馬齢表記」と「新馬齢表記」が混在しています。 |
ヤマカツスズラン(欧字名:Yamakatsu Suzuran、1997年4月14日 - 2010年7月2日)は、日本の競走馬、繁殖牝馬[1]。1999年のJRA賞最優秀3歳牝馬。主な勝ち鞍に1999年の阪神3歳牝馬ステークス、2001年のクイーンステークス、2002年のマーメイドステークス、全日本サラブレッドカップ。
ヤマカツスズラン | |||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
欧字表記 | Yamakatsu Suzuran[1] | ||||||||||||||
品種 | サラブレッド[1] | ||||||||||||||
性別 | 牝[1] | ||||||||||||||
毛色 | 栗毛[1] | ||||||||||||||
生誕 | 1997年4月14日[1] | ||||||||||||||
死没 | 2010年7月2日(13歳没)[2] | ||||||||||||||
登録日 | 1999年6月10日 | ||||||||||||||
抹消日 | 2003年2月12日 | ||||||||||||||
父 | ジェイドロバリー[1] | ||||||||||||||
母 | フジノタカコマチ[1] | ||||||||||||||
母の父 | コリムスキー[1] | ||||||||||||||
生国 | 日本(北海道浦河町)[1] | ||||||||||||||
生産者 | 岡崎牧場[1] | ||||||||||||||
馬主 | 山田博康[1] | ||||||||||||||
調教師 | 池添兼雄(栗東)[1] | ||||||||||||||
競走成績 | |||||||||||||||
タイトル | JRA賞最優秀3歳牝馬(1999年)[1] | ||||||||||||||
生涯成績 | 26戦6勝[1] | ||||||||||||||
獲得賞金 | 2億9766万3000円[1] | ||||||||||||||
|
戦績
編集1999年8月15日に小倉競馬場でデビューし、初戦は1番人気で3着に敗れたものの、連闘で臨んだ2戦目の新馬戦で初勝利を挙げる。続くききょうステークスでは、ハイペースで先行し、後方に3馬身差をつけて逃げ切り勝利し、連勝を果たした[3]。間隔をあけて出走した阪神3歳牝馬ステークスではマイケル・キネーンを鞍上に逃げ[注釈 1]、2着ゲイリーファンキーに2馬身差をつけて勝利[2]。この勝利により、1999年のJRA賞最優秀3歳牝馬に選出された。しかし、4歳を迎えて間もない2000年1月13日朝の調教中に左第3中手骨を骨折し[5]、春のクラシックシーズンは全休を余儀なくされる[2]。
秋のローズステークスで復帰し14着と振るわなかったものの、次走の秋華賞ではティコティコタックの2着に踏みとどまる[2]。続くマイルチャンピオンシップ14着、阪神牝馬特別も4着と勝てず、古馬を迎えても勝てない競馬が続いたが、マーメイドステークス2着のあと出走したクイーンステークスで久々に優勝。秋3戦は成績が低迷し、芝・ダート双方に使われた2002年も初戦のかきつばた記念こそ10着に終わったが、続くプロキオンステークスでは2着に巻き返し、3走目のマーメイドステークスで重賞3勝目を挙げる。秋競馬でもシリウスステークス3着、JBCスプリント4着を経て全日本サラブレッドカップを2着コアレスフィールドに9馬身差をつけるレコード勝ち[2]。兵庫ゴールドトロフィー3着ののち2003年の根岸ステークスを最後に引退、繁殖入りした[6]。
競走成績
編集以下の内容は、netkeiba.com[7]およびJBISサーチ[6]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離 (馬場) |
頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1999. 8.15 | 小倉 | 3歳新馬 | 芝1200m(稍) | 12 | 2 | 2 | 2.7 (1人) | 3着 | 1:11.3(36.6) | 1.3 | 古川吉洋 | 53 | アルーリングアクト | 504 | |
8.21 | 小倉 | 3歳新馬 | 芝1200m(良) | 13 | 5 | 7 | 3.7 (2人) | 1着 | 1:09.3(35.9) | -1.0 | 古川吉洋 | 53 | (マウンテンターオー) | 502 | |
9.18 | 阪神 | ききょうS | OP | 芝1400m(良) | 16 | 1 | 2 | 4.4 (2人) | 1着 | 1:22.3(36.9) | -0.5 | 池添謙一 | 53 | (マンボノリズム) | 480 |
12. 5 | 阪神 | 阪神3歳牝馬S | GI | 芝1600m(良) | 14 | 1 | 1 | 4.2 (1人) | 1着 | 1:35.6(35.8) | -0.3 | M.キネーン | 53 | (ゲイリーファンキー) | 492 |
2000. 9.17 | 阪神 | ローズS | GII | 芝2000m(良) | 16 | 5 | 10 | 8.0 (5人) | 14着 | 2:02.8(38.4) | 2.5 | 池添謙一 | 54 | ニホンピロスワン | 494 |
10.15 | 京都 | 秋華賞 | GI | 芝2000m(良) | 18 | 7 | 14 | 16.6 (7人) | 2着 | 2:00.0(34.0) | 0.1 | 池添謙一 | 55 | ティコティコタック | 496 |
11.19 | 京都 | マイルCS | GI | 芝1600m(良) | 18 | 1 | 1 | 21.4 (8人) | 14着 | 1:34.4(37.5) | 1.8 | 池添謙一 | 53 | アグネスデジタル | 496 |
12.17 | 阪神 | 阪神牝馬特別 | GII | 芝1600m(良) | 14 | 6 | 10 | 14.6 (6人) | 4着 | 1:34.6(35.8) | 0.8 | 池添謙一 | 53 | トゥザヴィクトリー | 492 |
2001. 3.20 | 高知 | 黒船賞 | GIII | ダ1400m(稍) | 12 | 8 | 12 | - (3人) | 10着 | 1:32.1(43.7) | 4.0 | 池添謙一 | 54 | ノボジャック | 493 |
4.14 | 阪神 | マイラーズC | GII | 芝1600m(良) | 17 | 3 | 5 | 40.2(10人) | 14着 | 1:33.9(36.7) | 1.1 | 池添謙一 | 55 | ジョウテンブレーヴ | 494 |
5.13 | 東京 | 京王杯SC | GII | 芝1400m(良) | 18 | 7 | 14 | 43.6(10人) | 10着 | 1:20.8(35.1) | 0.7 | 池添謙一 | 55 | スティンガー | 494 |
6. 3 | 東京 | 安田記念 | GI | 芝1600m(良) | 18 | 1 | 2 | 126.3(16人) | 12着 | 1:34.1(37.0) | 1.1 | 池添謙一 | 56 | ブラックホーク | 496 |
7. 8 | 阪神 | マーメイドS | GIII | 芝2000m(良) | 9 | 8 | 9 | 3.1 (1人) | 2着 | 1:59.8(36.5) | 0.6 | 池添謙一 | 55 | タイキポーラ | 492 |
8.12 | 札幌 | クイーンS | GIII | 芝1800m(良) | 11 | 3 | 3 | 3.7 (1人) | 1着 | 1:47.4(35.5) | -0.2 | 池添謙一 | 55 | (ダイヤモンドビコー) | 494 |
10.14 | 東京 | 府中牝馬S | GIII | 芝1800m(良) | 11 | 7 | 9 | 2.6 (1人) | 7着 | 1:46.2(36.3) | 0.6 | 池添謙一 | 55 | マルカキャンディ | 498 |
11.11 | 京都 | エリザベス女王杯 | GI | 芝2200m(良) | 15 | 8 | 15 | 30.3(10人) | 11着 | 2:12.7(37.8) | 1.5 | 池添謙一 | 56 | トゥザヴィクトリー | 496 |
12.16 | 阪神 | 阪神牝馬S | GII | 芝1600m(良) | 16 | 1 | 2 | 18.0 (7人) | 14着 | 1:34.4(36.8) | 0.9 | 池添謙一 | 55 | エアトゥーレ | 490 |
2002. 5. 6 | 名古屋 | かきつばた記念 | GIII | ダ1400m(良) | 12 | 3 | 3 | - (4人) | 10着 | 1:27.7 | 3.8 | 池添謙一 | 55 | サウスヴィグラス | 494 |
6.16 | 阪神 | プロキオンS | GIII | ダ1400m(良) | 13 | 8 | 13 | 15.8 (5人) | 2着 | 1:23.0(36.1) | 0.1 | 池添謙一 | 55 | スターリングローズ | 500 |
7. 7 | 阪神 | マーメイドS | GIII | 芝2000m(良) | 12 | 7 | 9 | 3.8 (3人) | 1着 | 1:59.1(36.2) | -0.5 | 池添謙一 | 56 | (タフネススター) | 496 |
8.11 | 札幌 | クイーンS | GIII | 芝1800m(良) | 14 | 8 | 13 | 3.3 (2人) | 14着 | 1:50.4(39.7) | 2.3 | 池添謙一 | 57 | ミツワトップレディ | 494 |
9.29 | 阪神 | シリウスS | GIII | ダ1400m(稍) | 13 | 7 | 10 | 9.9 (4人) | 3着 | 1:22.5(37.0) | 0.1 | 小池隆生 | 55.5 | スターリングローズ | 494 |
11. 4 | 盛岡 | JBCスプリント | GI | ダ1200m(良) | 15 | 7 | 12 | - (6人) | 4着 | 1:11.6 | 0.2 | 池添謙一 | 55 | スターリングローズ | 494 |
11.26 | 笠松 | 全日本サラブレッドC | GIII | ダ1400m(稍) | 10 | 3 | 3 | - (1人) | 1着 | R1:24.3 | -1.8 | 池添謙一 | 55 | (コアレスフィールド) | 497 |
12.28 | 園田 | 兵庫ゴールドT | GIII | ダ1400m(良) | 9 | 1 | 1 | - (1人) | 3着 | 1:27.0 | 0.2 | 池添謙一 | 55 | ノボトゥルー | 502 |
2003. 2. 1 | 中山 | 根岸S | GIII | ダ1200m(良) | 16 | 8 | 16 | 16.4 (5人) | 6着 | 1:10.8(37.8) | 0.4 | 池添謙一 | 55 | サウスヴィグラス | 494 |
- タイム欄のRはレコード勝ちを示す
引退後
編集引退後は繁殖牝馬となり、初仔ヤマカツブライアンが兵庫チャンピオンシップで2着に入線したほか、2番仔ヤマカツオーキッドがオープン特別のコスモス賞を勝ったものの、直仔ではそれ以上の成績を挙げることはなかった。孫世代では、ヤマカツオーキッドの仔ヤマカツライデンがオープン特別の丹頂ステークス勝ち、函館記念3着の成績を挙げている[8]。5頭の産駒を残したが2010年7月2日に死亡した[2]。
生年 | 馬名 | 性 | 毛色 | 父 | 馬主 | 管理調教師 | 戦績 | 主な勝利競走 | 供用 | 出典 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
初仔 | 2004年 | ヤマカツブライアン | 牡 | 黒鹿毛 | ブライアンズタイム | 山田博康 →山田和夫 |
栗東・池添兼雄 →川崎・池田孝 |
25戦3勝(うち地方2戦0勝) | [9] | ||
2番仔 | 2005年 | ヤマカツオーキッド | 牝 | 青毛 | ダンスインザダーク | 山田博康 | 栗東・池添兼雄 | 10戦2勝 | (繁殖牝馬) | [10] | |
3番仔 | 2007年 | ヤマカツマヤリス | 栗毛 | クロフネ | 9戦1勝 | (繁殖牝馬) | [11] | ||||
4番仔 | 2009年 | ヤマカツナタリー | アグネスタキオン | 山田博康 →山田和夫 |
栗東・池添兼雄 →金沢・高橋優子 |
11戦0勝(うち地方3戦0勝) | (繁殖牝馬) | [12] | |||
5番仔 | 2010年 | ヤマカツムサシ | 牡 | フジキセキ | 山田博康 | 栗東・池添兼雄 | 1戦0勝 | [13] |
血統表
編集ヤマカツスズランの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ミスタープロスペクター系 |
[§ 2] | ||
父 *ジェイドロバリー Jade Robbery 1987 黒鹿毛 |
父の父 Mr. Prospector1970 鹿毛 |
Raise a Native | Native Dancer | |
Raise You | ||||
Gold Digger | Nashua | |||
Sequence | ||||
父の母 Number1979 鹿毛 |
Nijinsky | Northern Dancer | ||
Flaming Page | ||||
Special | Forli | |||
Thong | ||||
母 フジノタカコマチ 1985 鹿毛 |
*コリムスキー Kolymsky 1975 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic | |
Natalma | ||||
Libro d Oro | Francis S. | |||
Exclusive | ||||
母の母 コビナタヒメ1974 鹿毛 |
*タマナー | Sunny Boy | ||
Tresa | ||||
タイムマンナ | *ゲイタイム | |||
ニューマンナ | ||||
母系(F-No.) | フラストレート(GB)系(FN:1-b) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer 4×3、Native Dancer 4×5 | [§ 4] | ||
出典 |
- 全弟にピカレスクコート(ダービー卿チャレンジトロフィー)。
- 6代母マンナ(競走馬名ロビンオー)は1932年の帝室御賞典勝ち馬。さらに牝系を遡ると、小岩井農場の基礎輸入牝馬の一頭であるフラストレートにたどり着く。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “ヤマカツスズラン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月11日閲覧。
- ^ a b c d e f “ヤマカツスズラン”. 競走馬のふるさと案内所. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月11日閲覧。
- ^ 『優駿』1999年11月号 76頁
- ^ 『優駿』2010年3月号、77頁。
- ^ “ヤマカツスズラン骨折”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2001年1月13日). 2019年12月11日閲覧。
- ^ a b “ヤマカツスズラン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月11日閲覧。
- ^ “ヤマカツスズランの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年12月11日閲覧。
- ^ “ヤマカツライデン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月11日閲覧。
- ^ “ヤマカツブライアン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月11日閲覧。
- ^ “ヤマカツオーキッド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月11日閲覧。
- ^ “ヤマカツマヤリス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月11日閲覧。
- ^ “ヤマカツナタリー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月11日閲覧。
- ^ “ヤマカツムサシ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月11日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|ヤマカツスズラン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2017年1月15日閲覧。
- ^ a b “ヤマカツスズランの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年12月11日閲覧。
参考文献
編集- 『優駿』
- 1999年11月号、日本中央競馬会、1999年11月1日。
- 「3歳戦ダイジェスト(9月)『阪神』」
- 1999年11月号、日本中央競馬会、1999年11月1日。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ、Racing Post
- ヤマカツスズラン - 競走馬のふるさと案内所