マクリス
マクリス(希: Μακρις, Makris)は、ギリシア神話の女性である。養蜂を発見したアリスタイオスとテーバイの王女アウトノエーの娘で、アクタイオーンと兄妹。
ロドスのアポローニオスの『アルゴナウティカ』によると、マクリスはもともとアバンテス人が支配するエウボイア島に住んでいたが、ヘルメースが焼死したセメレーの胎内からディオニューソスを救い出したとき、マクリスは生まれたばかりのディオニューソスを抱き上げて、蜂蜜で神の唇を潤した。それを見たヘーラー女神は怒って彼女をエウボイア島から追放した。追放されたマクリスはパイアーケス人の住むスケリア島に渡って、海岸の洞窟に住み着いた[1]。そして島に住んでいた女神デーメーテールの寵愛を受けて農業を学び、島の住人に多くの恵みをもたらしたので[2]、パイアーケス人は彼女が住んだ洞窟を神聖な場所と考えるようになった[3]。そのため彼女が住んだ洞窟は後にイアーソーンとメーデイアの婚礼が行われ[4]、2人はその場所で初夜を迎えた[5]。2人の結婚にちなんでマクリスの洞窟は《メーデイアの聖なる洞窟》と呼ばれるようになった[6]。
- 系図