ブロッケード
『ブロッケード』(Blockade)は、1976年11月に、アメリカ合衆国のグレムリン・インダストリーが発売したコンピュータゲーム式アーケードゲームで、ジャンルはアクションゲーム。
ジャンル | アクションゲーム |
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対応機種 | アーケード[AC] |
開発元 | グレムリン・インダストリー |
発売元 |
グレムリン・インダストリー 日本でも国内メーカーが発売 |
人数 | オリジナルは2人、後に1~4人も登場 |
発売日 | [AC]:1976年11月 |
ネーミングは"Block"(レンガ) "Barricade"(障害物)から。日本では俗に「陣取りゲーム」とも呼ばれた。
ゲーム内容
編集ゲームがスタートすると、1プレイヤー側と2プレイヤー側のブロックがそれぞれ一定の速度で動き出す。動いた後の軌跡はブロックとして残り、ブロックや周囲の壁にぶつかると負けてしまうので、四方向ボタンで方向転換して(四方向でそれぞれ音階が異なる)、空間の開いている方向を探したり、相手を邪魔したりする。一方のプレイヤーがこれ以上すすめなくなるまたは操作ミスで衝突すると、両プレイヤーの先頭に、それぞれ勝った回数が表示される。画面中央上部に表示されている数字が勝ち数であり(内部スイッチで3から6まで変更可能)、一方が勝ち数に達すると決着がつき、ゲームオーバー。
概要
編集当時のテレビゲームメーカーは一般に、アタリの『ポン』のコピーゲームまたはパドルコントローラを使うゲームからスタートする会社が多かったが、グレムリン(以下こう略す)はエレメカの『プレイボール』に続く初のテレビゲームとして、『ポン』と異なるこのゲームを発表した。
CPUにIntel 8080を採用しており、CPUを使ったコンピュータゲームとしては、比較的初期に属する作品の一つである。
アクションゲームの一ジャンルであるヘビゲームの元祖ともいえる作品である。
関連作品
編集発表当時は、同時に発表され後に大ブームを起こす『ブレイクアウト』よりこちらが支持を集め、アメリカではコピーゲーム、日本でもその輸入版が多数登場した。
アメリカでの流通
編集- コモーション/Comotion(グレムリン)
- 同時にリリースした『ブロッケード』の4人版で、ネーミングは"Com"(集団) "Motion"(移動)。筐体が『ブロッケード』ではアップライト式だったが、『コモーション』は丸いカクテル筐体(日本のテーブル筐体に似ているが、立ち机)となり、4人が四方向より見ながら操作する。またスピードはミスするたびに上がっていく。
- ブリックヤード/Brickyard(ラムテック)
- 1977年1月リリース。当初は『バリケード』(Ballicade)という名だったため、著作権違反でグレムリンと裁判沙汰になったが、ゲーム名を『ブリックヤード』に変える事で決着した。他に特徴として、速度はディップスイッチで変更可能。
- Bigfoot Bonkars(Meadows Games)
- 1977年1月リリース。『ブロッケード』のコピーゲームだが、1人プレイも可能であり、また画面内に足跡(ビッグフット)形の障害物が登場する。
- Dominos(アタリ)
- 1977年1月リリース。1-2人用で、1人でプレイする時はCPUと対戦する。名前通りドミノを(上から見た状態)をモチーフにしており、キャラが動く時の音はドミノが倒れるような「パタパタ…」。スピードはゲーム中徐々に上がっていく。
- Dominos4(アタリ)
- 1977年3月リリース。上記の4人版。
- Checkmate(バリー=ミッドウェイ→後のミッドウェイゲームズ)
- 1977年3月リリース。アップライト筐体による1-4人用で、足りない人数はCPU対戦する事も可能。スピードの概念は『コモーション』と同じ。
- ハッスル/Hustle(グレムリン)
- 1977年5月リリース。移動後の軌跡は残ったままでなく、一定の長さを持つと消える、つまりヘビやムカデのような動きをする。画面周囲に得点の表示された長方形が一定時間出現するので、当てれば得点。また得点表示が「???」の長方形もあり、当てるとミストリーポイントだが、減点される事もある。ゲームオーバーの条件は勝ち負けでなく「時間内に何点取れるか、時間内に一定の点数をこえると時間延長」という、エレメカ時代からよくある制度。
日本での流通
編集- バリケード(タイトー) - 1977年2月リリース。『ブリックヤード』の輸入。
- バリケードII(タイトー) - 1977年3月リリース。『ブロッケード』の輸入。
- バリケードIII(タイトー) - 1977年4月リリース。書籍『アーケードTVゲームリスト 国内・海外編』(アミューズメント通信社)に出典があるが、輸入元が何であるかは不明。
- ブロッケード(中村製作所→後のナムコ→バンダイナムコエンターテインメント) - 1977年4月リリース。ただし独占販売権は1976年11月の時点で確保していた。
- クラッシュコース(セガ・エンタープライゼス→後のセガ・インタラクティブ) - 1977年4月リリース。輸入元がグレムリンの何であるかは不明だが、書籍「セガ・アーケードヒストリー」には、1977年に『コモーション』を輸入したという出典が見られる。
- ハッスル(タイトー) - 1977年7月リリース。
- ウィッツ/Wits(アテナ→セタとビスコからも発売) - 1989年10月リリース。『アルカノイド』により古典ゲームがリメイクブームとなった際出た作品。背景には桜や城など、古典的典型的な日本文化にちなむ写真が使われている。キャラクターは走る人型となり、勝ったプレイヤーは拳を上げて上体をそらす。コンピュータ技術が進んだ中で当時の簡単なゲームを作ったため、基板が大変小さく、手のひらに載るほどである。
その他の派生作品
編集- 『ブロッケード』のアーケードゲーム基板を流用したゲームとしては、シューティングゲーム『ブラスト』(Blasto)が1978年6月にリリースされ、日本へはナムコが同年11月に輸入した。
- パソコンにも多数移植されたが、比較的早い段階で発表されたものとしては、『I/O』誌に投稿掲載された、MZ-80K/C用機械語ゲーム『JINTORI GAME』が挙げられる。出来は『ブロッケード』に近い。
- 1982年の映画『トロン』では、コンピュータ空間の中の戦いで、この『ブロッケード』と同じ内容のゲームが登場、映画公開当時はこれにあやかったパソコンゲームや電子ゲーム[1]も登場した。
外部リンク
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脚注
編集- ^ トミー(1981年)当時の価格で8,260円。