フックス型微分方程式
解析的な函数係数を持つ線型常微分方程式で、その係数函数が無限遠点を含むリーマン球面上で有理型かつ任意の特異点が正則特異点となるようなもの
複素解析におけるフックス型微分方程式(フックスがたびぶんほうていしき、英: Fuchsian equations)は、(解析的)函数係数線型常微分方程式で、その係数函数が無限遠点を含むリーマン球面上で有理型かつ任意の特異点が正則特異点となるようなものを言う[1][2][3][4][5][6][7]。
二階の例を挙げれば:
がフックス型とは定義域の任意の点 x = a において p1 および p2 は正則であるか、さもなくば x = a は p1 の一位の極 かつ p2 の高々二位の極となるときに言う[1]。
この常微分方程式は量子力学などの分野で広く応用される[1]。
また3点の確定特異点をもつフックス型の微分方程式は必ずガウスの微分方程式(超幾何微分方程式)の形に書き換え可能であることが知られている[1]。
→「正則特異点#フックス型微分方程式」も参照
出典
編集- ^ a b c d 時弘哲治、工学における特殊関数、共立出版。
- ^ 原岡喜重. (2002). 超幾何関数. 朝倉書店.
- ^ 木村弘信: 超幾何関数入門——特殊関数への統一的視点からのアプローチ——, サイエンス社, 2007年.
- ^ 常微分方程式, 高野恭一, 朝倉書店, 1994年.
- ^ 斎藤利弥:「線形微分方程式とフックス関数 I:ポアンカレを読む」、河合文化教育研究所、ISBN 4-87999-962-8 (1991年10月15日)
- ^ 斎藤利弥:「線形微分方程式とフックス関数 II:ポアンカレを読む」、河合文化教育研究所、ISBN 4-87999-963-6 (1994年12月1日)
- ^ 斎藤利弥:「線形微分方程式とフックス関数 III:ポアンカレを読む」、河合文化教育研究所、ISBN 4-87999-964-4 (1998年3月15日)
外部リンク
編集- Fuchsian equation in nLab
- Fuchsian differential equation - PlanetMath.
- Fedoryuk, M.V. (2001), “Fuchsian equation”, in Hazewinkel, Michiel, Encyclopedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4