ハービー・キーン

ハービー・キーン
*Harvey Kuenn*
	デトロイト･タイガースでの現役時代; (1959年)
基本情報
国籍	アメリカ合衆国
出身地	ウィスコンシン州ミルウォーキー郡ウェストアリス
生年月日	1930年12月4日
没年月日	1988年2月28日（57歳没）
身長; 体重	6' 2" ＝約188 cm; 200 lb ＝約90.7 kg
選手情報
投球・打席	右投右打
ポジション	遊撃手、外野手
プロ入り	1952年
初出場	1952年9月6日
最終出場	1966年10月2日
経歴（括弧内はプロチーム在籍年度）
	選手歴ルセラン高等学校（英語版）; ウィスコンシン大学マディソン校; デトロイト・タイガース (1952 - 1959); クリーブランド・インディアンス (1960); サンフランシスコ・ジャイアンツ (1961 - 1965); シカゴ・カブス (1965 - 1966); フィラデルフィア・フィリーズ (1966); 監督・コーチ歴ミルウォーキー・ブルワーズ (1971 - 1983);
	この表について

ハービー・エドワード・キーン（Harvey Edward Kuenn, 1930年 12月4日 - 1988年 2月28日）は、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー郡ウェストアリス出身の元プロ野球選手（遊撃手、外野手）、監督。右投右打。

経歴

1952年にデトロイト・タイガースと契約してプロ入りすると、同年中にメジャーデビュー。翌1953年には遊撃手のレギュラーとなり、打率.307、アメリカンリーグ最多となる209安打を記録して新人王を受賞した。また、この年のオフには日米野球で来日している。その後も1962年まで打率3割8回、最多安打4回、最多二塁打3回を記録する。守備ではメジャー定着した1953年から遊撃を守っていたが、1957年にア・リーグ最多の30失策を喫すると、翌1958年からは外野へ回った。

1959年に打率.353を記録して首位打者に輝くも、翌1960年に前年に本塁打王のロッキー・コラビトとのタイトルホルダー同士のトレードで、クリーブランド・インディアンスへ移籍した。この移籍の理由には両球団の本拠地の形状が関係していたと言われている。その後、フィラデルフィア・フィリーズでプレーの1966年を最後に引退した。

引退後は1971年よりミルウォーキー・ブルワーズ（当時はア・リーグ所属）でコーチに就任し、打撃コーチや一塁コーチを担当した。また、1975年には監督代行（シーズン最終戦の1試合のみ）を務めた。1982年6月に監督へと就任すると、自らが築いた強力打線^[1]を率いて地区優勝を果たした。さらには球団初のワールドシリーズ進出に導き^[2]、オフには最優秀監督賞を受賞している。監督としては放任主義のノビノビ野球を標榜し、快進撃を演じたブルワーズは有名なカクテルになぞらえて「ハービー・ウォールバンガーズ」（Harvey Wallbanger’s）と呼ばれた。だが、セントルイス・カージナルスとのワールドシリーズではクローザーのロリー・フィンガーズを故障で使えず、これが最大の原因となって涙を呑んだ^[3]。

監督フルシーズンの翌1983年には87勝でシーズン勝ち越しを決めたが、この年限りで退任した。監督退任後もブルワーズに残り、他球団選手担当スカウト部門における相談役を務めた。その後、1988年2月28日に心臓の病気により死去した。

没後、2005年にブルワーズ・ウォーク・オブ・フェイム、2014年にブルワーズ野球殿堂^[4]にてそれぞれ表彰及び殿堂入りを果たしている。

プレースタイル

正確なバットコントロールで知られる巧打者であった^[2]。

人物

ゆったりとした物腰で信心深く、選手から信頼を集めていた沈着な感じのドイツ系アメリカ人であった^[3]。

詳細情報

年度別打撃成績

年度	球団	試合	打席	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	塁打	打点	盗塁	盗塁死	犠打	犠飛	四球	敬遠	死球	三振	併殺打	打率	出塁率	長打率	O P S
1952	DET	19	85	80	1	26	2	2	0	32	8	2	1	2		2	0	1	1	3	.325	.349	.400	.749
1953		155	731	679	94	209	33	7	2	262	48	6	5	1		50	2	1	31	10	.308	.356	.386	.742
1954		155	696	656	81	201	28	6	5	256	48	9	9	6	4	29	4	1	13	19	.306	.335	.390	.725
1955		145	666	620	101	190	38	5	8	262	62	8	3	0	5	40	3	1	27	7	.306	.347	.423	.769
1956		146	657	591	96	196	32	7	12	278	88	9	5	0	8	55	3	3	34	11	.332	.387	.470	.857
1957		151	679	624	74	173	30	6	9	242	44	5	8	6	2	47	4	0	28	15	.277	.327	.388	.715
1958		139	619	561	73	179	39	3	8	248	54	5	10	3	4	51	8	0	34	13	.319	.373	.442	.815
1959		139	617	561	99	198	42	7	9	281	71	7	2	3	4	48	1	1	37	6	.353	.402	.501	.903
1960	CLE	126	537	474	65	146	24	0	9	197	54	3	0	4	3	55	6	1	25	10	.308	.379	.416	.795
1961	SF	131	529	471	60	125	22	4	5	170	46	5	4	3	7	47	2	1	34	15	.265	.329	.361	.690
1962		130	548	487	73	148	23	5	10	211	68	3	6	6	5	49	3	1	37	9	.304	.365	.433	.799
1963		120	469	417	61	121	13	2	6	156	31	2	1	2	4	44	3	2	38	10	.290	.358	.374	.732
1964		111	390	351	42	92	16	2	4	124	22	0	1	1	2	35	4	1	32	5	.262	.329	.353	.682
1965		23	73	59	4	14	0	0	0	14	6	3	1	2	1	10	0	1	3	1	.237	.352	.237	.589
1965	CHC	54	143	120	11	26	5	0	0	31	6	1	0	0	1	22	1	0	13	4	.217	.336	.258	.863
'65計		77	216	179	15	40	5	0	0	45	12	4	1	2	2	32	1	1	16	5	.223	.341	.251	.593
1966		3	3	3	0	1	0	0	0	1	0	0	0	0	0	0	0	0	1	0	.333	.333	.333	.667
1966	PHI	86	176	159	15	47	9	0	0	56	15	0	0	5	2	10	1	0	16	5	.296	.333	.352	.686
'66計	PHI	89	179	162	15	48	9	0	0	57	15	0	0	5	2	10	1	0	17	5	.296	.333	.352	.685
MLB:15年		1833	7618	6913	950	2092	356	56	87	2821	671	68	56	44	52*	863	45	15	404	143	.303	.357	.408	.765

タイトル

アメリカンリーグ首位打者：1回（1959年）

表彰

アメリカンリーグ新人王：1953年
アメリカンリーグ最優秀監督賞：1回（1982年）

記録

MLBオールスターゲーム選出：8回（1953年 - 1960年）

背番号

26 （1952年 - 1954年）
7 （1955年 - 1959年、1960年途中 - 1966年途中）
6 （1960年 - 同年途中）
22 （1966年途中 - 同年終了）
31 （1971年 - 1974年）
32 （1975年 - 1983年）

脚注

^ ロビン・ヨーント、ポール・モリター、セシル・クーパー、テッド・シモンズ、ベン・オグリビー、ドン・マネーらが名を連ねている。
^ ^a ^b 出野哲也『改訂新版メジャー・リーグ人名事典』言視舎、2013年、143頁。ISBN 978-4-905369-67-7。
^ ^a ^b 伊東一雄『メジャー・リーグ紳士録』ベースボール・マガジン社、1997年、92-93頁。ISBN 4583034113。
^ “"Brewers Wall of Honor" to be unveiled at Miller Park” (英語). MLB.com (2013年12月18日). 2023年10月7日閲覧。

外部リンク

選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
監督の通算成績と情報 Baseball-reference.com

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[1] ロビン・ヨーント、ポール・モリター、セシル・クーパー、テッド・シモンズ、ベン・オグリビー、ドン・マネーらが名を連ねている。

[jinmeijiten2013-2] 出野哲也『改訂新版メジャー・リーグ人名事典』言視舎、2013年、143頁。ISBN 978-4-905369-67-7。

[MLBGentlemen-3] 伊東一雄『メジャー・リーグ紳士録』ベースボール・マガジン社、1997年、92-93頁。ISBN 4583034113。

[4] “"Brewers Wall of Honor" to be unveiled at Miller Park” (英語). MLB.com (2013年12月18日). 2023年10月7日閲覧。

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