ニコラ・ブーチェビッチ
ニコラ・ブーチェビッチ(Nikola Vučević 発音:[nee-koe-luh VOO-chay-vitch][2]、1990年10月24日 - )は、モンテネグロのプロバスケットボール選手。スイス連邦ヴォー州モルジュ郡モルジュ出身。NBAのシカゴ・ブルズに所属している。ポジションはセンター。ニコラ・ブセビッチと表記されることもある。
オーランド・マジックでのブーチェビッチ (2013年) | |
シカゴ・ブルズ No.9 | |
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ポジション | C |
所属リーグ | NBA |
基本情報 | |
愛称 | Vooch |
モンテネグロ語 | Nikola Vučević |
国籍 | モンテネグロ |
生年月日 | 1990年10月24日(34歳) |
出身地 |
スイス ヴォー州モルジュ郡モルジュ |
身長 | 208cm (6 ft 10 in) |
体重 | 118kg (260 lb) |
ウィングスパン | 225cm (7 ft 5 in)[1] |
キャリア情報 | |
大学 | USC |
NBAドラフト | 2011年 / 1巡目 / 全体16位[1] |
フィラデルフィア・76ersから指名 | |
プロ選手期間 | 2011年–現在 |
経歴 | |
2011 | KKブドゥチノスト |
2011–2012 | フィラデルフィア・76ers |
2012–2021 | オーランド・マジック |
2021– | シカゴ・ブルズ |
受賞歴 | |
Stats Basketball-Reference.com | |
代表歴 | |
キャップ | モンテネグロ |
経歴
編集生い立ち
編集父親のボリスラフ・ブーチェビッチはKKボスナに所属した1979年には欧州チャンピオンズカップで優勝、さらにユーゴスラビア代表にもなったバスケットボール選手だったブーチェビッチはベルギーで育った。ブーチェビッチがティーンエイジャーの時、一家はモンテネグロに移った[3]。
カレッジ
編集高校の3年次の10月にカリフォルニア州のシミバレーの学校にモンテネグロから加入、平均18得点、12リバウンドをあげた。高校卒業後はUSCに進学した。
1年次にはNCAAによるアマチュア資格の審査により、シーズン最初の8試合を欠場した。この年先発3試合を含む23試合に出場し、平均2.6得点、2.7リバウンドの成績であった[3]。デビュー戦となった2008年12月15日のペパーダイン大学戦では6分間の出場で2得点、2ブロックショット、2リバウンドをあげた。2009年1月24日のワシントン州立大学戦で初先発、8得点、5リバウンドをあげ、チームは46-44で勝利した。同年2月9日のUCLA戦でも8得点をあげた。2月19日のワシントン州立大学戦で2度目の先発出場を果たした。3月5日のオレゴン大学戦では自己ベストの7リバウンドをあげた。3月22日のミシガン州立大学とのNCAAトーナメント2回戦では6得点、4リバウンドをあげたがチームは敗れた。この年FG成功率は57.8%であった。
2年次にはチームで2番目の10.4得点、トップの9.7リバウンドをあげた。この年彼はカンファレンストップの283リバウンドをあげ、オフェンスリバウンドを1試合あたり6.3回拾った。ブロックショットでも39回とカンファレンス4位、FG成功率は50.4%でチームトップ、カンファレンスでも7位の成績で、カンファレンスのMIP(最も改善された選手に与えられる賞)に選ばれた。全30試合に先発出場した彼は、USCの2年生としては大学史上歴代2位のブロック、歴代3位のリバウンドをあげ、ダブルダブルを10回記録した。
2009年11月17日のカリフォルニア大学リバーサイド校との開幕戦では18得点、8リバウンドといずれも自己ベストを記録した。11月21日のロヨラ・メリーマウント大学戦では19得点、11リバウンド、12月3日のテキサス大学戦では18得点、14リバウンドをあげた。2010年1月16日のUCLA戦ではシュート12本中9本を決めて、19得点、後半だけで17得点をあげた。
3年次には、オールPAC10ファーストチーム、FOXスポーツよりオールアメリカンの4thチームに選ばれた[4]。2011年3月、4年次に進学せずにアーリーエントリーすることを表明した。NBAdraft.netは、彼の指名順位を23位と予想した。
フィラデルフィア・セブンティシクサーズ
編集2011年のNBAドラフト1巡全体16位でフィラデルフィア・セブンティシクサーズに指名された[5]。NBAシーズンがロックアウト中はモンテネグロのKKブドゥチノスト・ポドゴリツァでプレーした。同年12月9日、シクサーズと契約を結んだ[6]。2012年2月4日のアトランタ・ホークス戦では自己ベストの15得点をあげた[7]。
オーランド・マジック
編集2012年8月10日、ドワイト・ハワード絡みのロサンゼルス・レイカーズ、デンバー・ナゲッツなどを含んだ4チーム間の大型トレードでオーランド・マジックに移籍。マジック移籍後は主軸として活躍。2014年10月23日には、マジックと4年5300万ドルで延長契約を結んだ。
2015年11月11日のロサンゼルス・レイカーズ戦では、99-99の同点で迎えた第4クォーター残り数秒の場面から、決勝のブザービーターショットを決めた[8]。
2017年12月9日のアトランタ・ホークス戦で自身初のトリプル・ダブルを記録した。
2018-19シーズンには自身最高の成績を残し、チームを7年ぶりのプレーオフ進出に導いた。また、オールスターゲームにも初出場を果たした。シーズン終了後、FAとなったが、マジックと4年1億ドルで再契約した[9]。
シカゴ・ブルズ
編集2021年3月25日にウェンデル・カーター・ジュニア、オット・ポーター・ジュニア、2つのドラフト1巡目指名権とのトレードで、アル・ファルーク・アミヌと共にシカゴ・ブルズへ移籍した[10]。
NBA個人成績
編集略称説明 | |||||
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GP | 出場試合数 | GS | 先発出場試合数 | MPG | 平均出場時間 |
FG% | フィールドゴール成功率 | 3P% | スリーポイント成功率 | FT% | フリースロー成功率 |
RPG | 平均リバウンド数 | APG | 平均アシスト数 | SPG | 平均スティール数 |
BPG | 平均ブロック数 | TO | 平均ターンオーバー数 | PPG | 平均得点 |
太字 | キャリアハイ | * | リーグリーダー | † | 優勝シーズン |
レギュラーシーズン
編集シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | TO | PPG |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2011–12 | PHI | 51 | 15 | 15.9 | .450 | .375 | .529 | 4.8 | .6 | .4 | .7 | .6 | 5.5 |
2012–13 | ORL | 77 | 77 | 33.2 | .519 | .000 | .683 | 11.9 | 1.9 | .8 | 1.0 | 1.8 | 13.1 |
2013–14 | 57 | 57 | 31.8 | .507 | --- | .766 | 11.0 | 1.8 | 1.1 | .8 | 2.0 | 14.2 | |
2014–15 | 74 | 74 | 34.2 | .523 | .333 | .752 | 10.9 | 2.0 | .7 | .7 | 2.0 | 19.3 | |
2015–16 | 65 | 60 | 31.3 | .510 | .222 | .753 | 8.9 | 2.8 | .8 | 1.1 | 1.9 | 18.2 | |
2016–17 | 75 | 55 | 28.8 | .468 | .307 | .669 | 10.4 | 2.8 | 1.0 | 1.0 | 1.6 | 14.6 | |
2017–18 | 57 | 57 | 29.5 | .475 | .314 | .819 | 9.2 | 3.4 | 1.0 | 1.1 | 1.9 | 16.5 | |
2018–19 | 80 | 80 | 31.4 | .518 | .364 | .789 | 12.0 | 3.8 | 1.0 | 1.1 | 2.0 | 20.8 | |
2019–20 | 62 | 62 | 32.2 | .477 | .339 | .784 | 10.9 | 3.6 | .9 | .8 | 1.4 | 19.6 | |
2020–21 | 44 | 44 | 34.1 | .480 | .406 | .827 | 11.8 | 3.8 | 1.0 | .6 | 1.9 | 24.5 | |
CHI | 26 | 26 | 32.6 | .471 | .388 | .870 | 11.5 | 3.9 | .9 | .8 | 1.7 | 21.5 | |
2021–22 | 73 | 73 | 33.1 | .473 | .314 | .760 | 11.0 | 3.2 | 1.0 | 1.0 | 1.9 | 17.6 | |
2022–23 | 82 | 82 | 33.5 | .520 | .349 | .835 | 11.0 | 3.2 | .7 | .7 | 1.7 | 17.6 | |
通算:12年 | 823 | 762 | 31.1 | .496 | .348 | .764 | 10.5 | 2.8 | .9 | .9 | 1.7 | 17.0 | |
オールスター | 2 | 0 | 12.5 | .500 | .200 | --- | 6.0 | 1.5 | 1.0 | .0 | .0 | 4.5 |
プレーオフ
編集シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | TO | PPG |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2012 | PHI | 1 | 0 | 3.0 | .000 | --- | .500 | 1.0 | .0 | .0 | .0 | .0 | 1.0 |
2019 | ORL | 5 | 5 | 29.4 | .362 | .231 | .786 | 8.0 | 3.0 | .4 | 1.0 | 2.6 | 11.2 |
2020 | 5 | 5 | 37.0 | .505 | .409 | .909 | 11.0 | 4.0 | .8 | .6 | 2.6 | 28.0 | |
2022 | CHI | 5 | 5 | 36.2 | .440 | .310 | .800 | 12.4 | 3.2 | .4 | 1.2 | 1.6 | 19.4 |
出場:4回 | 16 | 15 | 32.3 | .448 | .343 | .813 | 9.9 | 3.2 | .5 | .9 | 2.1 | 18.4 |
脚注
編集- ^ “Nikola-Vucevic”. draftexpress.com (2011年). 2017年10月閲覧。
- ^ “PHILADELPHIA 76ERS GAME NOTES”. nba.com. 2012年6月18日閲覧。
- ^ a b “PROFILE”. USC. 2012年6月18日閲覧。
- ^ “Goodman's 2010-11 All-America teams”. FOXスポーツ. 2012年6月18日閲覧。
- ^ “2011 Final Draft”. nbadraft.net. 2012年6月18日閲覧。
- ^ Ian Kingsbery (2011年12月10日). “Philadelphia 76ers Sign 2011 Draft Picks Vucevic and Allen; Training Camp Roster at 15”. フィラデルフィア・セブンティシクサーズ. 2012年6月18日閲覧。
- ^ “Vucevic leads 76ers past Hawks, 98-87” (2012年2月5日). 2012年6月18日閲覧。
- ^ Vucevic hits game-winner as Magic beat Lakers 101-99
- ^ “ニコラ・ブーチェビッチ マジックと4年契約合意”. NBA SWEETDAYS. 2020年4月2日閲覧。
- ^ “Bulls add Nikola Vucevic; Wendell Carter Jr., two first-round picks to Magic” (英語). www.nba.com. 2021年3月26日閲覧。
外部リンク
編集- 選手の通算成績と情報 NBA、NBA日本、Basketball-Reference
- Nikola Vučević at draftexpress.com
- ニコラ・ブーチェビッチ (NikolaVucevicNBA) - Facebook