Z-84は、スペインスター・ボニファシオ・エチェベリア英語版社が製造していた短機関銃である[1]

Z-84
概要
製造国 スペイン[1]
設計・製造 スター・ボニファシオ・エチェベリア英語版[1]
性能
口径 9mm[1]
銃身長 215mm[1]
ライフリング 6条右回り[1]
使用弾薬 9mm×19[1]
装弾数 25/39発[1]
作動方式 ブローバック、オープンボルト[1]
全長 616/410mm[1]
重量 3450g[1]
発射速度 600発/分[1]
テンプレートを表示

概要

編集

スペイン海軍UOE国家警察GEO英語版といった特殊部隊からの「フロッグマンなどが水中を携行し、上陸後ただちに射撃できる火器」という要望に応じて開発された[1][2]

オープンボルト方式の短機関銃であり、全体的なデザインはイスラエル製のUZI短機関銃やアメリカ製のイングラムM10短機関銃の影響を強く受けている[1]

生産性の高いプレス加工と精密鋳造の部品を多用しており、また整備性の高い角型のレシーバーと大型のカバーを採用している[1]。全長を短く設計するためL字型ボルトを採用しており、マガジンはグリップ内に装着する[1]。また、ストックは上方向に折り畳むことができ[3]、展開時には銃身軸よりも下方に展開することで、潜水用ゴーグルやレギュレーターを装備していても構えやすいようになっている[2]

ボルトは2本のガイドレールに挟まれており、レシーバーとの間に間隔を空けることで、内部に汚れが発生しても射撃できるよう設計されている[3][4]。射撃時は、ボルトとチャージングハンドルは連動しない[3]

グリップ上部の左側面にスライド式のセレクターがあり、セミ/フルオート射撃の切り替えが可能[1][3]。クロスボルト式のマニュアルセフティはセレクターとは別にトリガーの後ろに配置されており、安全位置にするとトリガーを固定する[2][3][4]。また、コッキング中に誤って手を滑らせた場合などに、前進するボルトを止める「インターセプティング・ノッチ機構」と、ボルトを固定する「イナーシャ・ロック機構」という2つの安全機構が組み込まれている[2][4]

スペイン軍特殊部隊とスペイン警察で制式採用されたほか、海外にも輸出された[1]。採用した部隊での評価は高かったが[2]、1998年に製造メーカーが倒産したため、現在は製造されていない[1]

運用国

編集

出典

編集
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 床井雅美『最新サブ・マシンガン図鑑』徳間書店、2000年7月15日、248頁。ISBN 4-19-891342-0 
  2. ^ a b c d e スター モデロ Z-84短機関銃【無可動実銃の魅力】”. Arms MAGAZINE WEB. ホビージャパン (2019年10月17日). 2024年9月18日閲覧。
  3. ^ a b c d e Maxim Popenker. “Star Z-84”. Modern Firearms. 2024年9月5日閲覧。
  4. ^ a b c 『週刊ワールド・ウェポン 世界の兵器 完全データ・ファイル 37号』デアゴスティーニ、2003年6月10日、6頁。 

関連項目

編集