ジョン・ポール・コリリアーノ・ジュニア(John Paul Corigliano Jr., 1938年2月16日 - )は、アメリカ合衆国現代音楽作曲家ニューヨーク市出身。父ジョン・ポール・コリリアーノ・シニアはニューヨーク・フィルハーモニックコンサートマスターを23年間務めたヴァイオリニストであり、母はピアニストである。

ジョン・コリリアーノ
生誕 (1938-02-16) 1938年2月16日
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク市
学歴 コロンビア大学マンハッタン音楽学校
ジャンル 現代音楽
職業 作曲家
公式サイト 公式サイト

経歴

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コロンビア大学マンハッタン音楽学校で作曲を専攻し、オットー・ルーニングヴィットリオ・ジャンニーニポール・クレストンに師事した。

作曲家として成功する前は、レナード・バーンスタインの『ヤング・ピープルズ・コンサート』の助監督、アンドレ・ワッツなどの演奏会のプロデューサーなどを務めた。

1970年デイヴィッド・ヘス英語版と共同でロック・オペラザ・ネイキッド・カルメン英語版』を制作した。ヘスによれば、『ザ・ネイキッド・カルメン』は、もともとコリリアーノがビゼーのオペラ『カルメン』の現代版オペラとして発案したものだという。マーキュリー・レコードは、ジョー・ボット、スコット・マンプ、ボブ・リノが話し合い、クラシック音楽とポピュラー音楽の融合を希望し、その方向で企画が実現されることになった。ヘスの言葉によれば、『ネイキッド・カルメン』は「融合」の企画だった。同様の試みとしては、ボブ・ディランの詩に自ら曲を付けた歌曲集『ミスター・タンブリン・マン:ボブ・ディランの7つの詩』がある。この曲は2009年度のグラミー賞 クラシック現代作品部門を受賞した。

コリリアーノの作品はほとんどがオーケストラ作品である[1]。3曲の交響曲(それぞれオーケストラ、弦楽合奏吹奏楽のための作品)、協奏曲クラリネットフルートヴァイオリンオーボエピアノのための作品)。

1991年交響曲第1番グロマイヤー賞を受賞、2001年交響曲第2番(弦楽合奏のための)でピューリッツァー賞を受賞した。

その他、弦楽四重奏曲などの室内楽曲メトロポリタン・オペラの委託で作曲したオペラ『ヴェルサイユの幽霊英語版』(映像収録はLD発売およびNHK放映、2010年に指揮者ジェームズ・レヴァイン就任METデビュー40周年記念で未発売DVD化TV収録作品をBOX-Set化した際に限定発売[2])などがある。

また映画音楽の分野では、『アルタード・ステーツ』(1980年アカデミー作曲賞候補。なおポスター、パンフレットではジョン・コリグリアーノと誤記された)、『レボリューション・めぐり逢い英語版』(1985年アントニー・アスキス賞受賞)、『レッド・バイオリン』(1999年、アカデミー作曲賞受賞)のスコアで高く評価された。『レボリューション・めぐり逢い』は、交響曲第1番(1988年)にも引用されており、印象的な作品であるが、録音媒体でのリリースはない。2003年には『レッド・バイオリン』を引用した最初のヴァイオリン協奏曲を発表した[3]

1996年、コリリアーノの名前にちなんで、コリリアーノ四重奏団が結成された。

2004年、『管楽アンサンブルのための交響曲第3番[4]』が発表された。

現在、ニューヨーク市立大学リーマン校の音楽科教授を務める[5]。門下にエリック・ウィテカーエリオット・ゴールデンソールジョン・マッキーアヴネル・ドルマンメイソン・ベイツ英語版ジェファーソン・フリードマン英語版など多数の作曲家がいる。

コリリアーノはゲイカミングアウトしており、パートナーは作曲家マーク・アダモ英語版である[6]

脚注

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出典

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  1. ^ John-Corigliano”. www.wisemusicclassical.com. 2024年12月5日閲覧。
  2. ^ james-levine-celebrating-40-years-at-the-met-dvd-set-4114”. www.metoperashop.org. 2019年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月4日閲覧。
  3. ^ Concerto-for-Violin-and-Orchestra-The-Red-Violin--John-Corigliano”. www.wisemusicclassical.com. 2024年12月4日閲覧。
  4. ^ Symphony_III_(Corigliano)”. www.windrep.org. 2024年12月4日閲覧。
  5. ^ Lehman College Honors John Corigliano”. www.local802afm.org. 2024年12月4日閲覧。
  6. ^ the-lord-of-cries”. www.markadamo.com. 2024年12月4日閲覧。

外部リンク

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