グロース英語: gulose, Gul)は、アルドヘキソースの一つ。自然界では極めて稀な単糖であるが、古細菌細菌真核生物で発見されている[2]。水に溶け、メタノールにもわずかに溶ける。D-型もL-型も酵母では発酵しない。

グロース[1]
識別情報
CAS登録番号 4205-23-6 (d) チェック, 6027-89-0 (l) チェック
PubChem 167792
ChemSpider 146783 チェック
UNII 25008KX916 (d) チェック, J96E9Q45N7 (l) チェック
DrugBank DB01914
ChEBI
特性
化学式 C6H12O6
モル質量 180.16 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

D-グロースはD-ガラクトースの3位のエピマーで、L-マンノースの5位のエピマーである[3]

フィッシャー投影式で書くと、リガンドの向きがグルコースとちょうど逆向きになる。そのため、グルコース (glucose) の名前をひっくり返して命名されたといわれている (Glucose → Gulose)。

水溶液中では異性化を起こし、環状構造との混合物となる(変旋光)。平衡状態に達したときに最も存在比が高いのは β-ピラノース体である。

出典

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  1. ^ Merck Index, 11th Edition, 4490
  2. ^ Swain, M., Brisson, J. R., Sprott, G. D., Cooper, F. P. and Patel, G. B. (1997). “Identification of β-L-gulose as the sugar moiety of the main polar lipid Thermoplasma acidophilum”. Biochim. Biophys. Acta 1345 (1): 56–64. doi:10.1016/s0005-2760(96)00163-4. PMID 9084501. 
  3. ^ Zhang, Qingju (2016). “On the Reactivity of Gulose and Guluronic Acid Building Blocks in the Context of Alginate Assembly”. European Journal of Organic Chemistry 2016 (14): 2393–2397. doi:10.1002/ejoc.201600336.