クラスハ

ロシアが開発した自走式電子戦システム

クラスハロシア語: Красухаベラドンナという意味)は、ロシアの移動式地上ベースの対空電子戦(EW)システム(電波妨害装置)である。このシステムは、KRET(コンツェルン無線電子技術英語版)によって様々な装輪式プラットフォームで生産されている[1][2]

1L269 クラスハ-2/4

クラスハ-2/4 (エンジニアリング・テクノロジーズ2014)
種類 電⼦戦システム
原開発国 ロシアの旗 ロシア
運用史
配備期間 2014–現在
配備先 ロシアの旗 ロシア
アルジェリアの旗 アルジェリア
イランの旗 イラン
リビアの旗 リビア
開発史
開発者 コンツェルン無線電子技術 (KRET)
製造業者 コンツェルン無線電子技術 (KRET)
ブリャンスク自動車工場 (クラスハ-4の車体)
製造期間 2010–現在
派生型 1L269 クラスハ-2
1RL257 クラスハ-4
諸元

行動距離
  • クラスハ-2: 250 km
  • クラスハ-4: 300 km
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クラスハの主な標的は、空中無線電子機器(UAVなど)とレーダー誘導式空中システムである。ロシア連邦軍で複数の用途に使用されている[3]

クラスハ-2

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クラスハ-2は、最大250キロメートル (160 mi)の範囲でAWACS電子妨害を目的としている[3][4]。クラスハ-2は、レーダー誘導ミサイルなど他の空中レーダーの妨害も可能である。

一度妨害されたミサイルは、元の目標から離れた偽の標的を狙い、もはや脅威ではなくなる。9K720 イスカンデルSRBM)のような優先度の高い移動式目標を守る。

クラスハ-4

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クラスハ-4は、BAZ-6910-022英語版の4軸シャーシに搭載された広帯域多機能妨害局である。クラスハ-4は、クラスハ-2と同様にAWACSや他の空中レーダーシステムに対抗する。

クラスハ-4は、低軌道(LEO)衛星の妨害に有効な範囲を持ち、標的の無線電子機器に永続的な障害を与えられる[2][5]。地上ベースのレーダーもまた、クラスハ-4の実行可能な標的である[1]

運用国

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運用履歴

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クラスハ電波妨害装置は、シリアのロシア軍の支援に配備されたと報告されている[9]アメリカ合衆国の小型偵察無人航空機GPS衛星信号の受信を妨害したという[10]

2018年7月、OSCEの監視用ドローンは、ウクライナチョルヌクヒネ英語版付近に配備された他の電子戦機器の中で1L269 クラスハ-2を記録した[11]

2022年3月、ロシアによるウクライナ侵攻において、クラスハ-4が首都キーウ近くの森林でウクライナ側に鹵獲されたという[12]。 今後アメリカ軍に引き渡され、システム詳細が解析される予定とされている[13]

脚注

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  1. ^ a b "Electronic warfare complex "Krasuha-4""”. KRET. 14 July 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。4 April 2015閲覧。
  2. ^ a b Advanced system to guard Russia from hi-tech surveillance, drone attacks”. Russia Today. 29 March 2015閲覧。
  3. ^ a b 1L269 Krasukha-2”. Deagel.com. 28 March 2015閲覧。
  4. ^ KRET has fulfilled the state defense order for the delivery of Krasuha-2”. Rostek. 28 March 2015閲覧。
  5. ^ Krasukha-4”. Deagel.com. 28 March 2015閲覧。
  6. ^ Secret-difa3 (2013年12月13日). “Tout sur la défense au Maghreb: L'Algérie se dote d'un système de brouillage innovant”. Tout sur la défense au Maghreb. 2018年11月13日閲覧。
  7. ^ دفاع و امنیت (2019年8月4日). “سامانه مرموز جنگال در ایران فیلم”. mashreghnews.ir/service/defence-news. 2019年8月4日閲覧。
  8. ^ GNA Turkish UAV airstrike on Electronic Warfare System Krasukha south to Sirte last night”. 2020年10月12日閲覧。
  9. ^ Axe, David (October 21, 2017). “The jammer can disrupt an enemy's own signals, potentially preventing ground-based controllers from steering their drones via satellite.”. Vice News. https://motherboard.vice.com/en_us/article/ywbwaj/russian-army-specialized-drone-hunters-krasukha-jammer. "Russia deployed Krasukha systems to Syria in an effort to form a sort of electronic shield over Russian and allied forces in the country." 
  10. ^ Varfolomeeva (May 1, 2018). “Signaling strength: Russia’s real Syria success is electronic warfare against the US”. The Defense Post. May 12, 2018閲覧。
  11. ^ OSCE. “Latest from the OSCE Special Monitoring Mission to Ukraine (SMM), based on information received as of 19:30, 10 August 2018” (英語). osce.org. 2018年8月14日閲覧。
  12. ^ [1]
  13. ^ Top Russian intelligence weapon seized and set to America” (英語). DAILYSTAR. 2022年3月24日閲覧。

関連項目

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