カルコン
カルコン(英: chalcone)とは、芳香族ケトンに分類される有機化合物のひとつ。IUPAC名 1,3-ジフェニル-2-プロペン-1-オンと表される。
カルコン | |
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カルコンの構造式
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1,3-ジフェニル-2-プロペン-1-オン | |
別称 ベンザルアセトフェノン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 94-41-7 |
MeSH | Chalcone |
ChEBI | |
特性 | |
化学式 | C15H12O |
モル質量 | 208.26 g mol−1 |
外観 | 無色固体 |
密度 | 1.0712、固体 |
融点 |
57–58 ℃ |
沸点 |
345–348 ℃ |
出典 | |
Merck Index, 13th ed., 2045. | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
フラボンのアウヴェルス合成 (Auwers synthesis) の基質となる。
生体物質として、カルコンの構造を持つさまざまな誘導体が知られ、その中には抗バクテリア性、抗菌性、抗腫瘍性、抗炎症性を持つものがある。また、フラボノイドの生合成では、カルコン誘導体が中間体となる。広義として、これらカルコン類も「カルコン」と呼ぶことがある。
合成
編集カルコンはベンズアルデヒドとアセトフェノンとのアルドール縮合で合成され、その際に水酸化ナトリウムなどの塩基が触媒となる[1] 。
この反応は、溶媒を用いない固相合成も可能であり[2]、環境への負荷が少ない合成法(グリーンケミストリー)の例として、大学学部生の実習の題材とされている[3]。高温 (200–350 ℃) の水溶液中、無触媒で反応を起こさせる手法も報告されている[4]。
脚注
編集- ^ Kohler, E. P.; Chadwell, H. M. Org. Synth., Coll. Vol. 1, p. 78 (1941). オンライン版
- ^ Toda, F., Tanaka, K.; Hamai, K. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 1990, 3207. DOI: 10.1039/P19950003207
- ^ Palleros, D. R. J. Chem. Educ. 2004, 81, 1345. オンライン版
- ^ Comisar, C. M.; Savage, P. E. Green Chem. 2004, 6, 227-231. DOI: 10.1039/b314622g