カバマダラ

チョウの一種

カバマダラ(樺斑、学名Danaus chrysippus)は、タテハチョウ科チョウの一種。

カバマダラ
Danaus chrysippus
Danaus chrysippus
(インド、2010年4月28日)
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目 Lepidoptera
: タテハチョウ科 Nymphalidae
亜科 : マダラチョウ亜科 Danainae
: マダラチョウ族 Danaini
亜族 : マダラチョウ亜族 Danaina
: オオカバマダラ属 Danaus
: カバマダラ D. chrysippus
学名
Danaus chrysippus
(Linnaeus1758)
シノニム
和名
カバマダラ(樺斑)
英名
African monarchplain tiger
亜種
  • D. c. aegyptius
  • D. c. alcippus
  • D. c. chrysippus
  • D. c. dorippus
  • D. c. orientis
  • D. c. petilia
生息域

形態

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成虫は全体的にオレンジ色で、体は細く、黒地に白の水玉模様。雄は後翅裏中央の翅脈上に立体的に見える黒い模様がある(性標)。日本に分布するマダラチョウ亜科の蝶のなかではいちばん小さい。

生態

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成虫は、で吸蜜する姿がよく観察される。体内にを保有しており、その危険性を知らせるためか、非常にゆるやかに飛翔する。幼虫時に体内に蓄積した有毒成分を成虫になってもなお持ち続け、鳥などの捕食者に同種が食われるのを防いでいるとされる。ツマグロヒョウモンのメス、メスアカムラサキのメスはその特性を利用し本種に擬態しているとされる。

は葉の裏や花に1つずつ産みつけられる。

幼虫キョウチクトウ科(旧分類ではガガイモ科)のトウワタフウセントウワタなどを食草とする。

越冬態は不定で、成虫は土着地では通年見られる。

分布

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アフリカ区のほかインドオーストラリア区に分布。日本では、奄美大島以南の南西諸島だが、温暖化により徐々に北上しているようである。体が小さいため、台風の目に乗って移動するなどし、九州から四国本州太平洋側にかけての記録は珍しいものではないほどである。

脚注

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参考文献

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  • 牧林功解説、青山潤三写真『日本の蝶』成美堂出版〈ポケット図鑑〉、1994年。ISBN 4-415-08045-6 
  • 日本環境動物昆虫学会編 編『チョウの調べ方』今井長兵衛・石井実監修、文教出版、1998年。ISBN 4938489112OCLC 170389984 
  • 猪又敏男編・解説、松本克臣写真『蝶』山と溪谷社〈新装版山溪フィールドブックス〉、2006年(原著1996年)、183頁。ISBN 4-635-06062-4 
  • 福田晴夫ほか『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方 : 野山の宝石たち』(増補改訂版)南方新社、2009年、40頁。ISBN 978-4-86124-168-0 
  • 安田守『イモムシハンドブック』高橋真弓・中島秀雄監修、文一総合出版、2010年、44頁。ISBN 978-4-8299-1079-5 

関連項目

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外部リンク

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