オクエゾサイシン
オクエゾサイシン(奥蝦夷細辛、学名: Asarum heterotropoides)は、ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草[4][5][6]。
オクエゾサイシン | |||||||||||||||||||||
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岩手県八幡平 2015年6月
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Asarum heterotropoides F.Schmidt[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
オクエゾサイシン(奥蝦夷細辛)[4][5] |
特徴
編集地上を這う茎の先から2個の葉を向かい合ってだして開く。葉柄は長さ6-15cm、葉身は薄く広卵形で、長さ4-10cm、幅3.5-10cmになり、先端はあまりとがらず、基部は深い心形となり、表面には短い毛が散生する。秋には落葉する[4][5][6][7]。
花期は5-6月。茎先に1個の花をつける。花に花弁は無く、萼裂片が花弁状になる。萼筒は濃紫褐色をおびた扁球形になり、長さ5-10mm、径10-15mm、萼筒の入口は狭く、萼筒径の半分以下の径になる。萼筒内壁は同属のウスバサイシン A. sieboldii のように全体が暗紫色にならず、全体または部分的に白色や淡桃色になることが多い。萼筒内壁に低く隆起した襞があり、15-27個ある。萼裂片はやや三角状広卵形で長さ3.5-9mm、幅5-10.5mmになり、先はとがり、平坦で外側に強く反り返るのが本種の特徴的なところ。表面に短毛が生える。雄蕊は12個あり、葯は黄白色。花柱は6個あり短い。果実は熟すとくずれて種子がころがりでる[4][5][6][7]。
分布と生育環境
編集日本では、本州の東北地方北部、北海道に分布し、山地の落葉広葉樹林の林下に生育する。八甲田山では、標高900m以上の高地に本種があり、標高550m以下の低地には、分布域が本州の関東地方・中部地方の北部から東北地方であるトウゴクサイシン A. tohokuense があり、それぞれすみわけている[6]。
名前の由来
編集利用
編集茎を切ると特異なにおいがする。ウスバサイシン A. sieboldii 、クロフネサイシン A. dimidiatumとともに細辛として薬用にされる[4]。
ギャラリー
編集下位分類
編集脚注
編集- ^ オクエゾサイシン 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ オクエゾサイシン(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ オクエゾサイシン(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e f 『新牧野日本植物圖鑑』p.177
- ^ a b c d 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.21
- ^ a b c d e 『改訂新版 日本の野生植物 1』p.62
- ^ a b c 山路弘樹、中村輝子、他「日本産カンアオイ属ウスバサイシン節の分類学的研究」『植物研究雑誌』Vol.82, No.2, pp.95-98, 2007年, doi:10.51033/jjapbot.82_2_9956
- ^ a b モエギオクエゾサイシン 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
参考文献
編集- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 1』2015年、平凡社
- 『植物研究雑誌』The Journal of Japanese Botany
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)