イル川 (フランス)
イル川 (イルがわ、Ill[1])は、フランス、アルザスの平野部を流れる川。オー=ラン県、バ=ラン県を流れる、ライン川の主要な支流の1つである。イル川という名称はアルザスの語源となっている。ドイツ語表記のエルザス(Elsass)は、『イル川の流れる土地』(Pays de l’Ill)を意味している。
イル川 | |
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ストラスブール、プティット=フランス地区を流れるイル川 | |
水系 | ライン川 |
延長 | 223 km |
平均流量 | 58 m3/s |
流域面積 | 4760.5 km2 |
水源 | ジュラ山脈 |
河口・合流先 | ライン川(合流先) |
流域 | フランス |
地理
編集川の全長は223kmである[2] · [3]。ジュラ山脈のヴィンケルと、リグスドルフにあるカルスト泉を水源とする。この2つが合流するのは東のフェレットにおいてである。イルフュルトにおいて、ラルグ川が合流する。イル川は北に向かって分岐し、ストラスブールを流れ、ガンブスアイムにてライン川に合流する。
流域にはアルトキルシュ、ミュルーズ、コルマール、セレスタ、ストラスブールがある。
ミュルーズにおいては、かつてイル川は2つの流れに分かれて間に小さな島があった。伝承によれば、島にはミュルーズ市が水車を建てていたという。中世には、都市と城外を隔てるため、城壁の堀にイル川から水を引き込んでいた。
ミュルーズに入ると、その流れはドレール川につながる放水路に向けて流れ、ミュルーズ旧市街を洪水の恐れから守っていた。エルスタンでは、イル川は放水路や、ストラスブールに入るところで流量を調節する引き込み水路につなげられた。川はいくつかの流れに分けられ、有名な観光地であるストラスブールのプティット・フランス地区の眺めをつくっている。河岸には、ビストロ、レストラン、ナイトクラブが立ち並ぶ。
アルザスのコミューン4つが、イル川にちなんだ名称を持つ。イルキルシュ=グラフェンスタデン、イルフュルト、イラウゼルン、イルザックである。
脚注
編集- ^ En capitales, afin d'éviter toute ambiguïté : ILL
- ^ SANDRE. “Fiche canal de dérivation de l'ill (A---0030)”. 2009年1月10日閲覧。
- ^ SANDRE. “Fiche rivière l'ill (A10-0200)”. 2009年1月10日閲覧。