イソペンテニル二リン酸
テルペンとテルペノイドを合成するメバロン酸経路の中間生成物
イソペンテニル二リン酸(イソペンテニルにリンさん、isopentenyl diphosphate、IPP)は、テルペンおよびテルペノイド(イソプレノイド)生合成に必要な2つの前駆物質(イソプレン単位)のうちの一つである。もう一つはIPPの異性体であるジメチルアリル二リン酸(DMAPP)。メバロン酸経路または非メバロン酸経路により最終生成物の一つとしてDMAPPとともに合成される。
イソペンテニル二リン酸 | |
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構造式
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別称
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識別情報 | |
略称 | IPP |
CAS登録番号 | 358-71-4 |
日化辞番号 | J38.556E |
KEGG | C00129 |
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特性 | |
化学式 | C5H12O7P2 |
モル質量 | 246.09 g mol−1 |
関連する物質 | |
関連する異性体 | ジメチルアリル二リン酸 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
生合成
編集IPPはメバロン酸回路ではジホスホメバロン酸からジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼによって生成される。さらにイソペンテニル二リン酸イソメラーゼによってDMAPPに可逆的に変換される。
一方、IPPは非メバロン酸経路では(E)-4-ヒドロキシ-3-メチル-2-ブテニル二リン酸 (HMB-PP) からHMB-PP還元酵素 (LytB, IspH) によって合成される。メバロン酸経路と異なり、IspHによる酵素反応ではIPPとDMAPPは同時に生成する。しかし、非メバロン酸経路を使う生物も通常イソペンテニル二リン酸イソメラーゼをもっており、IPPとDMAPPの比率を調整している。