イギー (マリオシリーズ)
イギー (Iggy Koopa) は、任天堂のコンピュータゲームソフト『マリオシリーズ』に登場する架空のキャラクター。クッパ7人衆の一人。
概要
編集大きな黒縁眼鏡をかけており、4本の牙(大きい牙が2本、その内側にもう2本)がある。また、他のメンバーと比較すると体型がやや痩せ型。
初期作品の公式イラストのデザインでは、髪型や髪色はレミーによく似た前方に流れるようなレインボーのモヒカン(レミーより色が少し淡く横に広がっており、ラリーとは髪の流れが逆方向)に、緑の甲羅だったが、レミーとは違いメガネを掛けていて目の焦点も合っている。また、『スーパーマリオブラザーズ3』および『スーパーマリオワールド』のゲーム中ドット絵では配色が異なっており、モヒカンの色がオレンジ掛かった白で、顔と甲羅の配色は共に青色になっていた。
『New スーパーマリオブラザーズ Wii』以降ではモヒカンの髪型と色が大きく変更され、根元の部分でまとめられた緑色の草やパイナップルの葉のような形状になっている。甲羅の色もイラスト・ゲーム中共に緑色で揃えられ、魔法の杖の宝玉の色は黄色となっている。初期のドット絵のイメージであった青系統のカラーリングはラリーが引き継いでいる。ただし、『スーパーマリオメーカー2』の「スーパーマリオブラザーズスキン」および「スーパーマリオワールドスキン」では『スーパーマリオブラザーズ3』の配色に準じて甲羅が青色になっており、『New』シリーズのラリーとは配色が入れ替わった形になる。
戦闘力はあまり高くないものの、『マリオ&ルイージRPG』では、レミー・ウェンディ・ラリーより体力があり、『New スーパーマリオブラザーズ Wii』以降では巨大なワンワンを手懐けている。またマリオ達に踏まれて攻撃を受けた時の甲羅の速度がメンバーの中で最大に速い。
『スーパーマリオブラザーズ3』の説明書での初登場時は一人称は「オイラ」で、『スーパーマリオアドバンス4』のカードe の台詞も含め「ウキャキャキャキャ」「ザマーミロ」など挑発的な台詞となっていた。再登場した『New スーパーマリオブラザーズ Wii』以降でもこれに準じて同様の笑い声を上げたり、マリオ達に向かって尻を叩く等、ふざけた態度で相手を挑発するお調子者として描かれている。ただし、眼鏡をかけているためか初期の攻略本によっては「勉強好き」と紹介されていたり、漫画等では真面目な頭脳派・インテリのイメージが付けられていることもあった。『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』のフィギュアの説明文では、一人称が「ボクチャン」になっており、「アハハハハ☆」と笑う愉快犯的なお調子者と紹介され、『マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』以降でこの口調がゲーム中のセリフとして反映された。
ゲームでの声優は、『New スーパーマリオブラザーズ Wii』以降はマイク・ヴォーンが担当、『マリオカート8』ではライアン・ヒギンズ(Ryan Higgins)が担当。
歴史
編集- スーパーマリオブラザーズ3(1988年)、スーパーマリオコレクション(1993年)、スーパーマリオアドバンス4(2003年)
- 初登場作品。ワールド4、巨大の国の王様を怪獣(リメイク版ではドンキーコングJr.)に変えていた。マリオとの対決の時は、今までの3人と違い、踏まれてからの復活直後にフェイントで1回ジャンプを仕掛けて来るため、これまでと同じタイミングで踏もうとするとミスをしやすくなっている。なお、ウェンディと違って特別な技を繰り出すわけでもなく、攻撃手段は通常のビームだけなため、大して強敵ではない。
- ゲーム中の顔と甲羅の色は青で、オリジナルのファミコン版ではモヒカンが白く、メガネの縁と魔法の杖の宝玉の色も青となっている。リメイク版ではモヒカンがオレンジ色、メガネの縁が灰色になり、杖の宝玉の色が7人全員共通で赤に統一されている。
- スーパーマリオワールド(1990年)、スーパーマリオアドバンス2(2001年)
- ワールド1「ヨースター島」のボス。溶岩に浮いた島で対決する。時々、頭を引っ込めて火の玉を繰り出してくる。踏みつけによって直接倒すことはできないが、島は一定時間毎に左右に傾き、踏みつけるとその時点での下り坂方向に一定距離突き飛ばせる。最終的に島から完全に溶岩へ突き落とせば勝ち。スターロードの配置の関係上、先へ進むためには最低でも彼を倒さなければならない。後に登場する7面のラリーも同様の戦法を使う。
- ゲーム中の顔と甲羅の色は青で、メガネの縁は黒く、モヒカンが白い。
- Mario is Missing!(1992年)
- 日本未発売。PC版・SNES版でボスとして登場。
- ヨッシーのロードハンティング(1993年)
- 6面のボスとして登場。巨大なイカのようなメカを操る。
- Hotel Mario(1994年)
- 日本未発売。7面のボスとして登場。彼のみ自分のホテルではなく、「Bowser's Seizures Palace Hotel」にてクッパの変装で待ち構えている。
- Mario's Early Years! Fun with Letters(1994年)
- 日本未発売。アメリカで発売された教育ソフト『Mario's Early Years!』シリーズの1作。示される英単語アイテムの中にMario(マリオ)、Yoshi(ヨッシー)、Bowser(クッパ)などのマリオキャラクターも混ざっているのだが、コクッパの中で彼のみ「Icky Iggy(不快なイギー)」として登場している。
- スーパーマリオサンシャイン(2002年)
- ポンプがマリオをスキャンするシーンにて、『スーパーマリオワールド』でマリオとイギーが戦った時の映像が画面の左下に流れる。
- マリオ&ルイージRPG(2003年)
- クッパ城の中ボスで、7人衆の1番手として登場。7人衆は戦う前にミニゲームを行うが、イギーはマリオとルイージを目回しにさせ、操作をめちゃくちゃにさせてしまう。イギーは、ジャンプして目回しになったマリオとルイージを待つ。火の玉を避けイギーに触れたら、戦闘開始。技は炎攻撃と回転攻撃。回転攻撃は、最初にマリオとルイージの回りを何回か回転して、目回しにさせる。
- スーパーマリオ 不思議のジャンジャンランド(2004年)
- 『スーパーマリオアドバンス4』のグラフィックを使用したカプコンのアーケード用メダルゲーム。ボーナスチャンス「コクッパバトル」で他のメンバーと共に登場。
- New スーパーマリオブラザーズ Wii(2009年)
- イギーのヘアーが緑色に変更され、髪型も変わっている。ワールド5の砦と城のボス。『マリオ3』と同様に魔法の杖(宝玉は黄色)を所持する。砦の時は、ワールド1のラリーとほぼ同じ戦法で、動く3つの足場がある。ワールド1のワープ大砲を使ってゲームクリアする場合でも必ず倒さなければならない。城の時は、ワンワン(カメックの魔法で巨大化している)を連れている。イギーを攻撃すると、ワンワンが赤くなり、怒ったようになる。しばらくしてイギーが起き上がると元に戻る。イギー自身も杖で攻撃してくる。なお、攻撃する時は正確に頭を踏む必要があり、手のあたりを踏むと、逆にマリオがダメージを受ける。
- ちなみに初対面時はムンクの叫びのような顔をして「ほーーーーーーっ!」と叫ぶ。城では他のものと比べてイギーは上側にいるのだが、カメックは下を向いて笑う。
- 太鼓の達人Wii みんなでパーティ☆3代目!(2010年)、太鼓の達人 Wii 決定版(2011年)、太鼓の達人 Wii 超ごうか版(2012年)
- Wii版『太鼓の達人』シリーズの3 - 5作目に収録されたメドレー楽曲『New スーパーマリオブラザーズ Wii』にて、演奏中に魂ゲージが最大まで達すると、画面手前に他の7人衆やクッパJr.と一緒に登場する。
- New スーパーマリオブラザーズ 2(2012年)
- ワールド2のボス。前作同様ワンワンを引き連れて登場する。動き方がやや複雑になっており、移動ルートを先読みすることが求められる。
- 上記の他、ワールド6-城、ワールドスター-城では7人全員がクッパクラウンに乗って画面奥から石化攻撃を放ってくる。
- New スーパーマリオブラザーズ U(2012年)、New スーパールイージ U(2013年)、New スーパーマリオブラザーズ U デラックス(2019年)
- ワールド5「ソーダジャングル」のボス。4つの土管から出入りしながら魔法弾で攻撃してくる。この魔法弾のうち赤い玉が溶岩に当たるとウーガンが出てくる。踏んづけた後土管を出入りしながら体当たりしてくるが動きが独特なので、見極めないとかわすのが難しい。
- ファミコンリミックス2(2014年)、ファミコンリミックス ベストチョイス(2015年)
- お題収録タイトルのひとつとして『スーパーマリオブラザーズ3』があり、7人衆を倒すお題が存在する。
- マリオカート8(2014年)
- 隠しレーサーとして参戦。他の7人衆と同様にゲームでは初めて操作可能になった。キャッチコピーは「黒ぶちメガネのトリックスター」。中量級でルドウィッグと同等。「DS チクタクロック」のスタッフゴーストとしても登場する。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U(2014年)
- クッパJr.のカラーバリエーションのひとつとして参戦。モーションを共有しつつ、カラー変更でグラフィックや音声などがそれぞれのキャラクターのものに変化するという非常に特殊な仕様となっており、性能は8名全員で共通している。クッパクラウンの色は緑色。
- →詳細は「クッパJr. § ssb4」を参照
- パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズ エディション(2015年)
- ワールド5のボスとして登場。木属性。「イギーハリケーン」などのスキルを使う。また、ワールド8では7人全員がクッパと共にクッパクラウンに乗り込んで「クッパぐんだん(闇属性・属性変化あり)」として登場し、クッパJr.と並んで共に戦う。
- 裏ワールド5をクリアするとイギーがサブキャラクターとして使用可能となる。
- マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX(2015年)
- 今作よりゲーム内では初めて明確に台詞を伴っての登場となり、一人称は「ボクチャン」で「アハハハハ☆」と笑う。ソクリ山地にてレミーとモートンともに登場するが、この時はまだ戦わない。ネオクッパ城でもマリオとルイージ、ペーパーマリオが来た時にも挑発したり、ウェンディとクッパとクラウンに乗ってボムへいを投げたり、ラスボス前でレミー、モートンとトリオを組んで登場しており、最終ダンジョンで戦う。彼らとのバトルでは、モートンによってスターカードが全て敵味方問わずダメージを与える効果のものとなってしまう他、彼らの攻撃は全てトリオ回避で避けなければならず、失敗すると即ゲームオーバーとなる。レミー、イギー、モートンの順で、イギーは2番目に攻撃し、ワンワンを引き連れて攻撃を仕掛けて来るので、イギーを踏まないと全滅してしまう。3人の連続攻撃を全て回避すると3人は気絶するため、この隙を付いて攻撃することができる。
- ペーパーマリオ カラースプラッシュ(2016年)
- マッキーコロシアムで登場。同コロシアムの名物大会「バトルまつり」のチャンピオン選手兼実況者として、同所に飛ばされてきていた黄色の大ペンキスターを管理している。この大ペンキスターが優勝賞品として出されていると知って出場し、他の出場者を次々となぎ倒したマリオに勝負を挑む。本人の攻撃は甲羅による体当たりだけだが、しばらくするとチャリオットに乗り込んで攻撃を回避してくる。
- マリオカート8 デラックス(2017年)
- 最初から使用可能。中量級。今作ではWii U版とは違いルドウィッグとは僅かに性能が差別化された。
- マリオ&ルイージRPG1 DX(2017年)
- 外見が『New スーパーマリオブラザーズ Wii』以降のものに変更された。本編のボス戦では固有の台詞が追加されている他、毎ターンマリオたちのステータスを魔法でいじってくる。新モード「クッパ軍団RPG」にも登場。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(2018年)
- 前作に引き続き、クッパJr.のカラーバリエーションのひとつとして参戦。7人衆のみハンマーの代わりに魔法の杖を使うようになった。
- マリオ&ルイージRPG3 DX(2018年)
- 新モード「クッパJr. RPG」に登場。
- マリオカート ツアー(2019年)
- 2019年10月9日より開催された「トーキョーツアー」より登場。スペシャルスキルは「トリプルミドリこうら」。また、「クッパツアー(2)」にて、Miiスーツが登場。スペシャルスキルは「トリプルミドリこうら」。
- スーパーマリオメーカー2(2020年)
- アップデートVer3.0.0から他の7人衆とともに追加。「スーパーマリオ 3Dワールド スキン」以外で使用でき、設置数はクッパ7人衆全員分で共有して1エリアにつき最大7体まで設置が可能。ジャンプはしないが、前後に落ち着きなくムーンウォークを繰り返し、魔法の杖から速いビームを打ってくる。「New スーパーマリオブラザーズ U スキン」では『New』シリーズ、「スーパーマリオブラザーズ3 スキン」ではファミコン版に準じたデザインを採用。原作に登場しない「スーパーマリオブラザーズ スキン」ではクッパをベースにして『3』に近づけたデザイン、戦い方が大きく異なる「スーパーマリオワールド スキン」でも『3』に近づけたデザインで描き直され、どちらも甲羅が青色で、前者はモヒカンが黄色、後者は緑色になっている。
- マリオカート ライブ ホームサーキット(2020年)
- コンピューター専用レーサーとしてクッパJr.や他の7人衆とともに登場。
- ドクターマリオ ワールド(2021年)
- 2021年1月14日のアップデートより他の6人に遅れて最後の7人衆として登場。ステージモードでのスキルは浮き輪ウイルスを3匹消去、VSモードでのスキルは対戦相手に1回で消せる浮き輪ウイルスを3 - 15匹送る。
ゲーム作品以外
編集- OVA『アマダアニメ スーパーマリオ』では佐藤正治、OVA『スーパーマリオワールド マリオとヨッシーの冒険ランド』では鈴木勝美が声を担当。
- アメリカのアニメ『The Adventures of Super Mario Bros. 3』および『Super Mario World』では、Hop Koopa(ホップ・クッパ)の名で登場。声優はTara Charendoff。このアニメの設定ではHip Koopa(レミー)とは双子になっており、Cheatsy Koopa(ラリー)を差し置いて2人が兄弟の最年少になっている。
- 映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』では7人衆の中で唯一登場した。但し、クッパの部下スパイク(ガボン)とは従兄弟という設定。フィッシャー・スティーヴンスが演じた。
- 漫画『スーパーマリオくん』についてはスーパーマリオくんの登場キャラクター#クッパ7人衆(旧名:コクッパ7人衆)を参照。その他、クッパ7人衆#メディアミックスでの登場例も参照。
- 初期の4コマ漫画などではゲーム版の説明書の口調とは対照的に、落ち着いたインテリ系や真面目な苦労人として描かれていることが多い。
登場作品
編集- スーパーマリオブラザーズ3
- スーパーマリオワールド
- Mario is Missing!(日本未発売、SNES版とPC版に登場)
- ヨッシーのロードハンティング
- Hotel Mario(日本未発売)
- Mario's Early Years! Fun with Letters(英語版)(日本未発売)
- マリオ&ルイージRPGシリーズ / ペーパーマリオシリーズ
- スーパーマリオ 不思議のジャンジャンランド
- New スーパーマリオブラザーズ Wii
- New スーパーマリオブラザーズ 2
- New スーパーマリオブラザーズ U
- ファミコンリミックスシリーズ
- マリオカートシリーズ
- 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
- パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズ エディション
- ドクターマリオ ワールド
- スーパーマリオメーカー2
脚注
編集- ^ “Nintendo Feature: 10 Amazing Mario Facts” (英語). Official Nintendo Magazine. (2010年4月30日) 2014年5月9日閲覧。