アンジュデジール
アンジュデジールは、日本の競走馬。2018年のJBCレディスクラシックに優勝した。
アンジュデジール | |||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018年 JBCレディスクラシック | |||||||||||||||
現役期間 | 2016年 - 2019年 | ||||||||||||||
欧字表記 | Ange Desir | ||||||||||||||
品種 | サラブレッド | ||||||||||||||
性別 | 牝 | ||||||||||||||
毛色 | 黒鹿毛 | ||||||||||||||
生誕 | 2014年5月1日 | ||||||||||||||
死没 | (存命) | ||||||||||||||
父 | ディープインパクト | ||||||||||||||
母 | ティックルピンク | ||||||||||||||
母の父 | フレンチデピュティ | ||||||||||||||
生国 | 日本(北海道浦河町) | ||||||||||||||
生産者 | 辻牧場 | ||||||||||||||
馬主 | 安原浩司 | ||||||||||||||
調教師 | 昆貢(栗東) | ||||||||||||||
競走成績 | |||||||||||||||
生涯成績 | 19戦6勝 | ||||||||||||||
獲得賞金 | 2億652万2000円 | ||||||||||||||
|
馬名の意味はフランス語で天使の欲望から。
経歴
編集2歳(2016年)
編集6月25日函館の新馬戦に1番人気に推されてのデビューであったが、ロイヤルメジャーの2着に敗れる。続く7月31日の2歳未勝利戦は1番人気に応えて初勝利を飾る。休養を挟み、12月11日中京のこうやまき賞はペルシアンナイトの5着に終わり、この年を終える。
3歳(2017年)
編集2月18日京都の3歳500万下は5着、続くフィリーズレビューでは13着と惨敗。芝に見切りをつけダートに新天地を求めて挑んだ4月23日京都の3歳500万下はファームフェイスの2着に入る。5月13日東京の3歳500万下では横山典弘との初コンビを組み2勝目を飾る。6月の関東オークスではクイーンマンボの2着に敗れるも、7月のスパーキングレディーカップは道中好位で追走すると直線で馬場のインから抜け出し、ララベル1馬身半差をつけ重賞初制覇を果たした[1]。秋に入り、レディスプレリュードは3着、JBCレディスクラシックは5着、そして年末のクイーン賞は2着と勝ちきれないレースが続いた。
4歳(2018年)
編集4歳初戦となったエンプレス杯は中団追走から直線で外に持ち出すと最後はプリンシアコメータを差し切って重賞2勝目を挙げる[2]。続くマリーンカップは好スタートからハナを奪い軽快に逃げると最後はクイーンマンボの追撃を振り切って重賞3勝目となる[3]。その後、8月のエルムステークスは5着、10月のレディスプレリュードは4着と勝ちきれないレースが続いたが、11月4日のJBCレディスクラシックでは大外枠からの出走ながらスタート間もなく最内に進路を取ると好位追走から直線で脚を伸ばして先頭に立ち、最後はラビットランとの激しいたたき合いを差し返す格好でアタマ差制してJpnI初制覇を飾る[4]。実績が芝に特化していたディープインパクト産駒としては初のGI級ダート競走の勝ち馬となった。年内最後のレースとなったチャンピオンズカップは、一線級の牡馬と渡り合い4着に入線した。
5歳(2019年)
編集フェブラリーステークスに向けての前哨戦東海ステークスでは歩様に異常を感じた鞍上の横山典弘が直線で追うのを止め、ブービーの12着で入線。横山は「見ての通り。何もなければいいが…」と状態を案じた[5]。その後、2度のレントゲン検査では異常が見られなかったが、3度目の検査で左前脚に軽度の骨折が判明。フェブラリーステークスは回避して放牧へ出されることになった。昆貢調教師は「1~2か月で治るようなものだと思う」と軽傷を強調した[6]。しかし、レースに復帰することなく、2019年11月20日付けで競走馬登録を抹消し、現役を引退した。引退後は生まれ故郷の辻牧場で繁殖入りする[7]。
競走成績
編集競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016. 6.25 | 函館 | 2歳新馬 | 芝1200m(稍) | 16 | 7 | 13 | 3.0 (1人) | 2着 | 1:10.6(36.5) | 0.4 | 四位洋文 | 54 | ロイヤルメジャー | 460 | |
7.31 | 札幌 | 2歳未勝利 | 芝1200m(良) | 9 | 8 | 8 | 1.1 (1人) | 1着 | 1:10.6(34.7) | -0.2 | 四位洋文 | 54 | (ジェイケイマヤヒメ) | 462 | |
12.11 | 中京 | こうやまき賞 | 500万下 | 芝1600m(良) | 13 | 1 | 1 | 21.9 (6人) | 5着 | 1:35.9(34.0) | 0.5 | 太宰啓介 | 54 | ペルシアンナイト | 468 |
2017. 2.18 | 京都 | 3歳500万下 | 芝1400m(稍) | 14 | 8 | 14 | 5.7 (3人) | 5着 | 1:24.1(34.6) | 0.5 | 岩田康誠 | 54 | ベルカプリ | 476 | |
3.12 | 阪神 | フィリーズレビュー | GII | 芝1400m(良) | 18 | 8 | 18 | 131.7(15人) | 13着 | 1:22.3(36.1) | 1.3 | 鮫島良太 | 54 | カラクレナイ | 474 |
4.23 | 京都 | 3歳500万下 | ダ1400m(良) | 16 | 7 | 13 | 8.7 (4人) | 2着 | 1:24.5(37.8) | 0.3 | 太宰啓介 | 54 | ファームフェイス | 474 | |
5.13 | 東京 | 3歳500万下 | ダ1600m(重) | 16 | 1 | 2 | 3.9 (2人) | 1着 | 1:35.8(37.0) | -0.6 | 横山典弘 | 54 | (アポロマーキュリー) | 470 | |
6.14 | 川崎 | 関東オークス | JpnII | ダ2100m(重) | 13 | 5 | 6 | 4.3 (3人) | 2着 | 2:19.9(39.0) | 0.9 | 横山典弘 | 54 | クイーンマンボ | 470 |
7. 6 | 川崎 | スパーキングレディーC | JpnIII | ダ1600m(稍) | 12 | 6 | 7 | 4.4 (2人) | 1着 | 1:41.6(38.5) | -0.3 | 横山典弘 | 52 | (ララベル) | 468 |
10. 5 | 大井 | レディスプレリュード | JpnII | ダ1800m(良) | 16 | 5 | 10 | 5.5 (3人) | 3着 | 1:54.7(39.8) | 1.6 | 横山典弘 | 53 | クイーンマンボ | 479 |
11. 3 | 大井 | JBCレディスクラシック | JpnI | ダ1800m(重) | 15 | 4 | 7 | 4.3 (2人) | 5着 | 1:55.2(39.7) | 1.0 | 横山典弘 | 53 | ララベル | 478 |
12. 6 | 船橋 | クイーン賞 | JpnIII | ダ1800m(良) | 9 | 5 | 5 | 4.1 (2人) | 2着 | 1:52.4(38.3) | 0.6 | 横山典弘 | 54 | プリンシアコメータ | 473 |
2018. 2.28 | 川崎 | エンプレス杯 | JpnII | ダ2100m(良) | 11 | 1 | 1 | 4.9 (4人) | 1着 | 2:16.3(39.4) | -0.2 | 横山典弘 | 54 | (プリンシアコメータ) | 469 |
4.11 | 船橋 | マリーンC | JpnIII | ダ1600m(良) | 12 | 6 | 7 | 3.7 (2人) | 1着 | 1:41.2(37.4) | -0.1 | 横山典弘 | 57 | (クイーンマンボ) | 467 |
8.12 | 札幌 | エルムS | GIII | ダ1700m(重) | 14 | 3 | 4 | 17.7 (7人) | 5着 | 1:42.8(37.2) | 0.8 | 横山典弘 | 55 | ハイランドピーク | 474 |
10.11 | 大井 | レディスプレリュード | JpnII | ダ1800m(良) | 14 | 4 | 6 | 4.8 (3人) | 4着 | 1:54.7(38.1) | 0.8 | 横山典弘 | 56 | プリンシアコメータ | 477 |
11. 4 | 京都 | JBCレディスクラシック | JpnI | ダ1800m(良) | 16 | 8 | 16 | 13.1 (6人) | 1着 | 1:50.4(37.3) | -0.0 | 横山典弘 | 55 | (ラビットラン) | 480 |
12. 2 | 中京 | チャンピオンズC | GI | ダ1800m(良) | 15 | 1 | 1 | 40.1 (9人) | 4着 | 1:50.7(36.5) | 0.6 | 横山典弘 | 55 | ルヴァンスレーヴ | 486 |
2019. 1.20 | 中京 | 東海S | GII | ダ1800m(良) | 13 | 5 | 7 | 7.5 (3人) | 12着 | 1:53.8(39.2) | 4.0 | 横山典弘 | 55 | インティ | 488 |
繁殖成績
編集馬名 | 生年 | 性 | 毛色 | 父 | 馬主 | 厩舎 | 戦績 | 出典 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
初仔 | アズデザイヤ | 2021年 | 牡 | 鹿毛 | デクラレーションオブウォー | (デビュー前) | [8] | ||
2番仔 | アンジュアルディ | 2022年 | 牝 | 黒鹿毛 | バゴ | 安原浩司 | 栗東・昆貢 | (デビュー前) | [9] |
3番仔 | アンジュデジールの2023 | 2023年 | 牡 | 栗毛 | カリフォルニアクローム | (デビュー前) | [10] |
- 2024年9月27日現在
血統表
編集アンジュデジールの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系 |
[§ 2] | ||
父 ディープインパクト 2002 鹿毛 |
父の父 *サンデーサイレンスSunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母 *ウインドインハーヘアWind in Her Hair 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | ||
Lady Rebecca | ||||
Burghclere | Busted | |||
Highclere | ||||
母 ティックルピンク 2006 栗毛 |
*フレンチデピュティ French Deputy(米) 1992 栗毛 |
Deputy Minister | Vice Regent | |
Mint Copy | ||||
Mitterand | Hold Your Peace | |||
Laredo Lass | ||||
母の母 *ブラッシングプリンセスBlushing Princess(米) 1996 栗毛 |
Crafty Prospector | Mr.Prospector | ||
Gold Digger | ||||
Princess Laika | Blushing Groom | |||
Cool Mood | ||||
母系(F-No.) | (FN:2-n) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer5×5・5=9.38% | [§ 4] | ||
出典 |
- 半兄アキトクレッセントはダートOP競走で2勝[14]。母の半弟に2017年の川崎記念勝ち馬オールブラッシュがいる。
- アメリカやカナダで多数のG1馬を輩出する一大牝系に属している。主な活躍馬は以下の通り。
- 祖母の半姉の仔にHealthy Addiction[15](2006年サンタマルガリータ招待H)、その仔にMy Sweet Addiction[16](2015年ヴァニティーS)。
- 4代母の子孫にWith Approval(1989年カナダ三冠)、Izvestia(1990年カナダ三冠)、Touch Gold(1997年ベルモントS・ハスケル招待H)、Hedonist[17](1998年サンタアニタオークス)、Haynesfield[18](2010年ジョッキークラブGCS)、Brilliant Speed[19](2011年ブルーグラスS)など。
- 5代母Happy Moodの子孫にはBuryyourbelief[20](1987年ケンタッキーオークス)、Pretty Discreet[21](1995年アラバマステークス)、ディスクリートキャット(2006年シガーマイルH、本邦輸入種牡馬)、Discreetly Mine[22](2010年キングスビショップS)など。
脚注
編集- ^ アンジュデジールが古馬を破って重賞初V!/スパーキングレディーC・川崎 netkeiba.com 2017年7月6日公開 2018年11月4日閲覧
- ^ アンジュデジールが差し切り重賞2勝目/エンプレス杯・川崎 netkeiba.com 2018年2月28日公開 2018年11月4日閲覧
- ^ 【マリーンC】(船橋)~アンジュデジールが逃げ切り重賞3勝目 ラジオNIKKEI 2018年4月18日公開 2018年11月4日閲覧
- ^ 【JBCレディスクラシック】叩き合い制してアンジュデジールが戴冠 サンケイスポーツ 2018年11月4日公開 2018年11月4日閲覧
- ^ 【東海S】アンジュデジールは12着大敗 横山典「何もなければいいが…」. サンケイスポーツ(2019年1月20日付). 2019年2月13日閲覧
- ^ 【フェブラリーS】アンジュデジール、左前脚の骨折で回避. スポーツ報知(2019年2月13日付). 2019年2月13日閲覧
- ^ “アンジュデジールが繁殖入り 18年JBCレディスクラシック優勝”. スポーツ報知. (2019年11月23日) 2019年11月23日閲覧。
- ^ “_________”. JBISサーチ. 2022年1月27日閲覧。
- ^ “アンジュアルディ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年9月29日閲覧。
- ^ “_________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年7月30日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|アンジュデジール”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年6月29日閲覧。
- ^ “アンジュデジールの繁殖牝馬情報”. 競馬ラボ. 2021年8月29日閲覧。
- ^ “アンジュデジールの血統表”. netkeiba.com. 2019年6月29日閲覧。
- ^ “アキトクレッセント”. netkeiba.com. 2019年6月29日閲覧。
- ^ “Healthy Addiction(USA)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “My Sweet Addiction(USA)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “Hedonist(CAN)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “Haynesfield(USA)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “Brilliant Speed(USA)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “Buryyourbelief(USA)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “Pretty Discreet(USA)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “Discreetly Mine(USA)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2019年6月29日閲覧。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ