アイムまたはエイムAimまたはAym)は、悪魔学における悪魔の一人。アイニAini[1]またはハボリムHaborym[2][3]とも呼ばれる。

コラン・ド・プランシー著『地獄の辞典』ハボリム(Haborym)の項の挿絵

ゴエティア』によると、26の軍団を指揮する序列23番の地獄の大公爵

蛇、額に星を2つ付けた人間、猫[4]の3つの頭を持ち、毒蛇にまたがった人間の姿で召喚者の前に現れる。手に火のついた松明を持ち、その松明で城砦や都市に火を放つ。人を賢明にし、また、隠された物事に関する質問に対して真摯に答えてくれる。

フレッド・ゲティングズは、松明と3つの頭からこの悪魔をエジプト神話に由来するものと推測しており、猫の頭を持つバステトとの関係を示唆している[5]

脚注

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  1. ^ The Book of Ceremonial Magic, p.202
  2. ^ Pseudomonarchia Daemonum
  3. ^ (プランシー & 床鍋 1990, p. 219)
  4. ^ The Lesser Key of Solomon では calf(子牛)と書かれている。The Lesser Key of Solomon, p29参照。一方、『悪魔の偽王国』ではfelino(猫)であり、『悪魔の偽王国』のレジナルド・スコットによる英訳でもcatt(猫)である。
  5. ^ (ゲティングズ & 大瀧 1992, p. 37)

参考文献

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  • フレッド・ゲティングズ『悪魔の事典』大瀧啓裕訳、青土社、1992年。ISBN 4-7917-5185-X 
  • コラン・ド・プランシー地獄の辞典』床鍋剛彦訳、講談社、1990年。ISBN 4-06-201297-9 
  • Mathers, S.L. MacGregor and Crowley, Aleister, The Lesser Key of Solomon (1904), The Internet Sacred Text Archive 内の文書 (英語)
  • Waite, A.E., The Book of Ceremonial Magic(1913), The Internet Sacred Text Archive 内の文書 (英語)
  • Weyer, Johann, Pseudomonarchia Daemonum, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書(ジョゼフ・H・ピーターソン編集・解題・注釈、ラテン語原文、レジナルド・スコットの英訳)
  • Goetia, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書(ジョゼフ・H・ピーターソン編集) (英語)