おたく狩り(おたくがり)とは、おたくからカツアゲする事などを指す。

カツアゲ

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金銭を持って買い物にやってくるおたくを対象とするので、「確実に金を取れる」「おたくは脆弱である」ことから、ノーリスク・ハイリターンであり[1]おやじ狩りに代わって流行するようになった。また、「汚くて臭く、犯罪者予備軍であるおたくを退治する」という正当性のもと実行しているので、逮捕されたことにギャップを感じる者も多い[2]。尚、当該行為は犯罪というよりいじめに近く、一般の刑法犯とは一線を画するという指摘もある。

他、おたくが多数出没するエリアに出店している店舗自身が、来店者に対し強制的に品物を買わせた事例もある[3]

このような行為に怯えるオタク達が刃物を持ち歩く場合があるが、これは銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)に違反するおそれがあり、秋葉原周辺での銃刀法違反の急増も報道された[4]警視庁の生活環境課と地域指導課は、ウェブサイト「刃物の話」にて、イラストを使った子供向けの説明を行っている(オタクという存在が年齢不相応な趣向に倒錯している者たちであることを踏まえたものと考えられる)[5]。ここで警視庁は、例示した電気街に新作のゲームソフトを買いに行く相談をしている少年たちの会話の中で、オタクからカツアゲする事に言及している。さらに少年たちの会話は続き、「(たとえオタク狩りに怯えているとしても)カッターナイフを持ち歩くのは、銃刀法や軽犯罪法に違反するため、警察による取締りの対象になる」と解説されている。この点は、次節に示す意味合いでのおたく狩りとも関係している。

警察官による職務質問

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秋葉原における所持品検査の様子。(2010年2月撮影)

警察官おたく風の若者のみに集中的に職務質問を行い、微罪によって任意出頭を求め、場合によっては逮捕ないし連行する事象を含めることもある。週刊SPA!(2005年2月1日号の記事)においては、秋葉原などにおいて警察官が検挙率や点数(ノルマ)を稼ぐため、無抵抗で弱そうなオタクを選んで職務質問を行い、カッターナイフなどの所持を理由に「任意出頭」させる事例を「オタク狩り」と呼んでいる。

任意とはいうものの、警察官には「質問を継続するため」にある程度の行為が許されており、無理に職務質問を拒否してその場を去ろうものなら転び公妨などで公務執行妨害の現行犯として逮捕するケースすらあり得るため、実質的にはほぼ強制となっている。そして職務質問を受ければ、ほとんどの場合何らかの口実を作られて任意出頭を求められることになる。

カッターナイフやその他の鋭利な工具(ドライバー、ペンチなど)の所持については軽犯罪法1条2項に抵触する場合があるが、刑事訴訟法199条1項の規定により、原則としてそれを理由に逮捕することはできない。また、開梱や運送などの作業で必要があって所持する場合も「正当な理由」に該当するため、逮捕することはできない。また、(護身用であれども)催涙スプレースタンガンなどを所持するのも同じく「任意出頭」させられる原因となるため、有用な護身術が制限される問題もある。

中には、本富士警察署のように「オタク狩り」行為を目的として、「管轄外の地域」へ出向いてまで巡回を行う警察署も存在する(本富士署員達は万世橋警察署の管轄である外神田で巡回を行っていた事実が確認されている[6])。不当逮捕問題に取り組んでいる救援連絡センター渡辺幸之助の見解によると、こうした傾向は竹花豊東京都副知事に就任した2003年頃、竹花の意向によって職務質問による検挙ノルマが増えたことに関係しているとのことである。こうした事情が、前述したような「間違った正義感」と結びついて、警官による「おたく狩り」が発生したのではないかと指摘されている[7]

なお、このような職務質問については、書類送検されたが不起訴となった当人から、2010年3月に提訴された結果、2013年5月、当人に異常な行動が見られない限り違法との判例が、東京地方裁判所から示された[8][9]

コミケ狩り

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コミケ狩りとは、コミックマーケット(コミケ)の参加者を標的とした恐喝・強盗行為。おたく狩りの一種である。

コミックマーケット開催時、東京国際展示場にいる参加者が現金の強奪を目的に狙われる犯罪行為。手口は暴行・恐喝・強盗であるが、複数の若者が徒党を組み、自分達より少人数で行動している主に徹夜組と呼ばれるコミケマナー違反の参加者を狙い討ちするものである。

なお、コミックマーケットの主催者側は徹夜での来場を禁止しており、コミケットアピールやコミケットカタログでは、これらの会場付近での徹夜の開場待ちの禁止他、犯罪の被害を未然に防ぐための諸注意が記載されている[10]

2002年7月には、前年の冬のコミックマーケット61開催時に犯行を行った十数人の容疑者が逮捕されたことが新聞等で報道され、犯人達が「コミケ狩り」と称し、コミケの参加者をターゲットにした理由として、コミケに集まってくるマニアは多額の現金を確実に持っていることを挙げ、自身の体を鍛えるなどしてコミケ客を計画的に狙ったとしている[11][12][13]。しかし、この事件に関しては、当時コミックマーケット準備会の代表であった米沢嘉博は同年夏のコミックマーケット開催後に、事件に関する7月16日前後の報道は、都内で行われていた同系統の犯行の中からコミケットの事件だけを「コミケ狩り」として報道されたとして、コミケスタッフから自分に報告された事件の内容と齟齬があったと語っている[14]。また後年、開催中に報告の上がった夜間の恐喝事案については「オタク狩り」としている[15]

脚注

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  1. ^ 恐喝:「ビビる」オタクを 「50人から300万円」2容疑者逮捕--大阪[リンク切れ] 毎日新聞 2009年6月10日
  2. ^ オタク狩りにご用心前編後編探偵ファイル
  3. ^ 恐喝容疑:「オタロード」の店が服押し売り 従業員逮捕 Archived 2011年10月22日, at the Wayback Machine. 毎日新聞 2011年10月21日
  4. ^ オタク狩りに対抗?「アキバ」で銃刀法違反の摘発急増、朝日新聞、2007年6月5日
  5. ^ 「刃物の話」 警視庁 Archived 2007年6月27日, at the Wayback Machine.
  6. ^ 『東京都内【文京区】じゃ「交番カラ」で「検挙率水増し」の“変”』 FRIDAY 2004年12月17日号
  7. ^ 週刊SPA! 2005年2月1日号
  8. ^ 東京地裁、職務質問は違法と認定 都に5万円賠償命令 共同通信
  9. ^ 秋葉原の“オタク狩り”は違法(東スポWeb 2013年6月1日)
  10. ^ 一般参加者サポートページから各回「コミックマーケットカタログ諸注意ページ」コミックマーケット公式サイト
  11. ^ “「マニアは金持ち」体鍛え「コミケ狩り」少年ら13人逮捕-強盗傷害容疑-”. 東京新聞. (2002年7月16日夕刊社会面) 
  12. ^ “「コミケ狩り」で13人逮捕 警視庁”. 産経新聞. (2002年7月16日) 
  13. ^ “「コミケ狩り」強盗傷害容疑で少年ら13人逮捕 東京”. 朝日新聞. (2002年7月17日朝刊) 
  14. ^ コミックマーケット62アフターレポート コミックマーケット公式サイト 2012年7月10日
  15. ^ コミックマーケット69アフターレポート コミックマーケット公式サイト 2012年7月10日

関連項目

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1.の関連項目

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類義語
おやじ狩り(対象は異なるが、犯罪内容は基本的に同類である)

2.の関連項目

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共通の関連項目

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