リソースモデル

次の図は、サービスの Cloud Run リソースモデルを示しています。

Cloud Run のサービスとリビジョン

この図は、3 つの Cloud Run サービス(Service AService BService C)を含む Google Cloud プロジェクトを示しています。各サービスには複数のリビジョンがあります。

Service A では、多くのリクエストを受信しているため、複数のインスタンスが起動し、それぞれが 1 つのコンテナを実行します。Service B では現在リクエストを受信していないため、インスタンスは起動していません。Service C は、各リビジョン内でインスタンスごとに複数のコンテナを実行しています。リクエストを受信するのは Ingress コンテナのみです。複数のコンテナを使用するインスタンスは、それぞれ独立したユニットとしてスケーリングされます。

Cloud Run サービス

サービスは Cloud Run のメインリソースです。各サービスは特定の Google Cloud リージョンにあります。冗長性とフェイルオーバーのため、サービスはリージョン内の複数のゾーンに自動的に複製されます。1 つの Google Cloud プロジェクトで、複数のリージョンの多くのサービスを実行できます。

各サービスは固有のエンドポイントを公開し、受信リクエストを処理するため、基盤となるインフラストラクチャを自動的に拡張します。サービスは、コンテナ、リポジトリ、ソースコードからデプロイできます。

Cloud Run のリビジョン

サービスをデプロイするたびに、リビジョンが作成されます。リビジョンは、環境変数、メモリ上限、同時実行などの環境設定と 1 つ以上のコンテナ イメージで構成されます。

リビジョンは変更されません。作成されたリビジョンを変更することはできません。コンテナ イメージを新しい Cloud Run サービスにデプロイすると、最初のリビジョンが作成されます。その後、同じサービスに別のコンテナ イメージをデプロイすると、2 番目のリビジョンが作成されます。さらに、環境変数を設定すると、3 番目のリビジョンが作成されます。

リクエストは、最新で正常な状態のリビジョンに自動的にルーティングされます。

Cloud Run 関数

関数は、クラウド サービスの構築と接続に使用する短いコード スニペットを含むサービスの一種です。

Cloud Run を使用すると、クラウドのインフラストラクチャやサービスで生じたイベントに関連付けられた、単一目的の関数を作成できます。対象のイベントが発生すると、関数がトリガーされ、コードがフルマネージド環境で実行されます。関数は Cloud Run サービスとして実行されます。インフラストラクチャをプロビジョニングする必要はなく、サーバーの管理に悩まされることもありません。

Cloud Run 関数は、さまざまなサポート対象のプログラミング言語を使用して作成できます。サポートされている標準的なランタイム環境で関数を実行すると、環境に依存することなく、関数のテストをローカルで簡単に実施できます。

Cloud Run 関数のイベントとトリガー

クラウド イベントとは、クラウド環境で発生する変化を指します。たとえば、データベース内のデータへの変更、ストレージ システムへのデータファイルの追加、新規作成された仮想マシンのインスタンスなどです。

ユーザーがこれらに応答するか否かにかかわらずイベントは発生します。イベントへのレスポンスは、トリガーを作成して行うこともできます。トリガーは、特定のイベントや一連のイベントに関心があることを示すものにもなります。関数をトリガーにバインドすると、イベントをキャプチャしてなんらかの対応をとることができます。トリガーを作成して関数に関連付ける詳しい方法については、HTTPS で呼び出すイベントでトリガーするをご覧ください。

Cloud Run ジョブ

各ジョブは特定の Google Cloud リージョンに配置され、完了するまで 1 つ以上のコンテナを実行します。ジョブは、特定のジョブ実行で並列に実行される 1 つまたは複数の独立したタスクで構成されます。各タスクではインスタンスが 1 つ実行され、再試行される可能性があります。

Cloud Run ジョブ実行

ジョブが実行されると、すべてのジョブタスクを開始するジョブ実行が作成されます。ジョブ実行を成功させるには、ジョブ実行のすべてのタスクが正常に完了する必要があります。タスクのタイムアウトを設定し、タスクが失敗した場合の再試行回数を指定できます。いずれかのタスクで再試行の最大数を超えると、そのタスクは「失敗」とマークされ、ジョブは「失敗」とマークされます。デフォルトでは、タスクは最大 100 件まで並行して実行されますが、バッキング リソースで必要な場合は最大値を小さくできます。

Cloud Run インスタンス

リビジョンは、受信したすべてのリクエストを処理できるように、インスタンスの数を自動的にスケーリングします。インスタンス内の Ingress コンテナは、同時に多くのリクエストを受信できることに注意してください。同時実行の設定を使用すると、1 つのインスタンスに同時に送信されるリクエストの最大数を設定できます。