藪医者

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
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藪医者(やぶいしゃ)は、患者がどんな窮地に陥っていても、まず第一に患者の気持ちを考えてくれる最高の医者である。

概要[編集]

藪の中からでも患者を救いだしてくれる医者」が語源。どんなに症状が酷くても楽観的に解決してくれることで有名。診断後の処置は最低限中の最低限で、人間の自然治癒力を最大限に利用した革新的なものである。処置内容から考えると少し治療費は高額であるように見えるが、あらゆる配慮がなされているので寧ろ安すぎると言っても過言ではない。黒のチグハグ無免許医師よりは藪医者の方が経済的で好意的である。一般の医者よりも心遣いや思いやりに長けた精鋭であり、怪我や病気などの身体のケアよりもまず患者の精神面を気にしてくれることで知られている。

比較[編集]

例えばサッカーで足を腫らした時の事を考えてみよう。普通、一般の藪でない医者ならば、患者の気持ちも考えず「骨折しています。もう二度とサッカーをすることは出来ないでしょう」と無情かつ冷酷に宣告する。ただ淡々と勝手に話を進められ、怪我をした側はまず理解に苦しみ、続いて突きつけられた現実に苦しむのである。スポーツ漫画アニメなどでしばしば見られるこのシーンは残酷極まりないものだ。視聴者からすればその事例は飽く迄他人事で、その宣告されたキャラクターのその後を期待するものであるが、実際にその現実が自分にやってきたとすればもう立ち直ることすら出来ないかも知れない。彼らはそのような人の人生を180度変えてしまうような事も無表情に伝えることの出来る、人の皮を被った鬼なのである。

では対照的に本項目の藪医者はどうだろうか。先述したように、彼らはまず患者の気持ちを第一に考える。患者の足が二度と使い物にならなくなっていたとしても。「ここでこんな残酷な宣告をしてしまうと、もうこの人は二度と立ち直れないだろう」「この後の人生の為にも、これは今言うべきことではない」。そこで彼らは言うのである。「あ、シップ貼って二、三日すれば治りますよ」。この藪医者の見解を聞いて、診断して貰った患者はどうだろうか。「良かった、治るんだ。またサッカーが出来る」。きっとそう思うだろう。先ほどの一般の医者に診てもらった場合とは、患者の心中も天と地の差である。この藪医者の一言で患者たちは気持ちよく帰宅の途に着くことが出来るのである。この藪医者の思いやりにより、患者は精神的なストレスを感じることもなくなる。何とも良い話ではないだろうか。

種類[編集]

人間に十人十色があるように、藪医者にも様々な種類がある。ここではその大まかなタイプを分類する。分かれてはいるが、どの藪医者も患者の気持ちを大事にしてくれる良い人たちである。

楽観視型[編集]

概要で記したのに近い、藪医者の最もポピュラーで典型的なパターン。どんな症状もまず患者の立場に立って考えてくれることが多い。病院に診て貰いに行く人々は、大抵大事ではないようにと願っている。その思いを楽観視型の藪医者たちは特に汲み取ってくれるのである。一応患者たちに診断して貰ったという意識を持たせたうえで、例えかなりの重傷であったとしても大事には至っていないと安心させてくれる。勿論これは患者のことを想っての言葉であり、決して本当に怪我や病気の程度が分かっていない訳では無い。勿論これは患者のことを想っての言葉であり、決して本当に怪我や病気の程度が分かっていない訳では無い。

口癖は「(レントゲンを見て)別に何ともありませんね。シップ貼って、痛くなったらまた来てください」「取り敢えず痛み止めだけ出しときます」

試行錯誤型[編集]

「無理」とは言わない

自分の技量ではどうしようも無いと分かりながらも、患者を助けたい一心で何とかしようという素晴らしい努力家タイプ。取り敢えず注射を色々な所に打ってみたり、あらゆる薬を処方してくれたりする。殆どの場合それで治ることはまずないが、患者側はまず彼らの働きや思いに感服し、多少の後遺症を覚悟してでも彼らに協力して、彼らの成長を手助けするべきではないだろうか。医者にも失敗はある。特に若手医師の場合は失敗してから学ぶことは多い。その後の医療界のためにも、失敗を温かく見守ってあげることが大切なのである。

口癖は「やったことないのですが、」「試しにこれとこれを朝昼晩飲んでみてください」

過剰処置型[編集]

彼らはあらゆる手段で治療しようとしてくれる

試行錯誤型の熱意に技術を兼ね備えた藪医者。ただ、少々空回りしてしまうのが玉に傷。十分なほどの治療をした上で、さらに様々な処置を施してくれる。外科であれば右ひざが悪ければついでに左ひざにもメスを入れると言った具合である。内科の場合はよく分からない漢方薬を処方してくれたりもする。無論患者は頼んでいないのにである。何と言うサービス精神であろうか。彼らの患者を想う気持ちには頭が上がらない。もちろん追加でその分の料金はとられるが、それだけ自分のことを想ってくれる人がいるのだから安いものだろう。

口癖は「左も悪そうなのでやっておきますね」「これが咳止め、これが解熱剤、これが下剤。胃が荒れるので胃薬に、万が一副作用が出た場合の為にこの薬と、この薬を飲んで胃が荒れた時の胃薬。あと一応葛根湯と人参湯に、(ry」

即放棄型[編集]

患者が何か言う前から「無理です」「助かりません」の一点張りの藪医者。パッと見、疑問に思う部分もあるかもしれないが、実はそれは患者のことを想ってこその行動である。患者は普通、治りたい、助かりたいと思って病院に来る。その胸には希望の二文字が刻まれているのである。しかし、本当に何の手の打ちようもなければ、いくら最先端医療器具を用いても仕方がないのである。再起不能であるのに、無駄な費用を掛ける必要などない。そう考えると、患者の為には諦めて貰うことが先決なのである。少しでも光が差していると人間はどうしてもそこにすがり付きたくなる。それを彼らは心を鬼にして、心中で泣きじゃくりながら、光が差す穴を塞いで杭を打ち付け、その上からコンクリートを流して固め、一切の希望も可能性も患者に抱かせないようにしてくれる訳である。自分たちが嫌われ役になってまで…。医者たちの患者に対する愛情が垣間見える。念のため言っておくが、勿論、自分たちが面倒くさくて考えることを放棄している訳では無い。決して。絶対に。藪医者って、ホント良い人たち

関連項目[編集]

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Upsidedownmainpage.jpg 執筆コンテスト
本項は第24回執筆コンテストに出品されました。