スティール・ボール・ラン
『スティール・ボール・ラン』 (STEEL BALL RUN) は荒木飛呂彦による漫画作品。
概要[編集]
『ジョジョの奇妙な冒険』の第7部にあたるが、当初そのはずはなかった。荒木も7部まで『ジョジョ』を続けることになるとさすがにやめたくなったのか、最初は「ジョジョ」を名乗らず、第3部から続けた「スタンドバトル」も描かなかった。
が、結局ほどなくしてやっぱり我慢できなくなり、ついにブンブーン一家というスタンド使いを出してスタンドバトルを描いてしまったので、題名も「ジョジョ7部」になってしまった。この後も20年弱かけて、『ジョジョ』は第9部まで続いている。
第7部自体は「男の世界♂」をテーマとした話なので、女性読者は置いてけぼりだが、西部劇のような世界観なので海外人気が高い。2018年の公式による人気投票では、当時まだアニメ化していない部の中でも、上級者向けな第6部と比べて明らかに人気があると判明した[1]。
あらすじ[編集]
「モッツァレラチーズの歌」や「これがオレの一週間」などの名曲で有名な人気歌手ジャイロ・ツェペリが、しつこい変態ストーカーであるジョニィ・ジョースターを追い払う話。この変態ストーカーのジョニィが主人公である。
ストーキングの流れのまま、2人は乗馬による北アメリカ横断レース「スティール・ボール・ラン」に出場。そんな中、ジョニィはジャイロを追い回すだけにとどまらず、自分の個人的な目的のためだけにアメリカ合衆国大統領の前に立ちはだかり、愛国心から国民の安全を守ろうとする大統領の行動を行く先々で妨害する。
ジョニィには自分の吹っ掛けた喧嘩で銃撃され半身不随になってしまったという恥ずかしい過去があり、彼の目的というのはその汚名をなんとかして返上したいということにある。
そのためだけに、「聖人の遺体」というキーアイテムの力を用いてアメリカ国民の安全を保障しようとする大統領から、その「聖人の遺体」を奪い取り、大統領を「タスクACT4」という凶悪なスタンド能力で殺害してしまう。
あわせて、『ジョジョ』シリーズはあくまでも「ジョジョ」と「DIO」の戦いを描く作品なので、ジョニィ個人からすればDIOに恨みがあるわけではないが、「遺体」を手に入れる邪魔とならないよう、DIOもついでにACT4で殺害していく。
「ストーンオーシャン」や過去作との関連[編集]
前作の第6部「ストーンオーシャン」は、主人公だった承り太郎や徐倫がプッチ神父にあっさり殺されるという悲しい結果に終わる。ジョジョの第7部ということは、その絶望的な結末からまだ話が続いていくことを意味している。しかも、それまでのメインキャラクターは案の定もう登場しない。
第6部終盤でプッチ神父が「メイド・イン・ヘブン」のスタンド能力で時を加速させたことにより、宇宙は終焉へ達し「新世界」へ到達する。その前に死亡した人間は「新世界」で別の人間に置き換えられる。これにより、次に登場する承り太郎も徐倫も似ているだけの別人になっている。
第7部でも、ジョニィの本名は第1部主人公と同じジョナサン・ジョースターだと判明する。第1部の英国紳士だったジョナサンはディオとの戦いで死んだので、プッチの能力により、名前が同じだけのクズで、自業自得で半身不随になった人間に置き換えられたということである。
他にも過去作の登場人物に似た名前の人物が登場する。が、中でもアブドゥルは第3部終盤で自身を犠牲に仲間を救ったはずなのに、第7部では序盤でサボテンに激突して白目をむいてリタイアという、ブ男にしてもあんまりな使い捨てられ方で退場する。
バトル漫画要素[編集]
黄金長方形の回転[編集]
当初、『ジョジョ』の「スタンドバトル」の代わりに描かれる予定だった、第7部独自の戦闘技術。好評だったので第8部でも擦られることになる。
球体などに回転を起こし、回転を通じて人の肉体に筋肉の反射を起こす。それにより敵の身体を操ることができる。まあつまりは波紋の応用である。
結局はスタンド使いも別に出てくるが、回転もそれ自体を通じてスタンドみたいなもの(ボールブレイカー)が出てくるようになる。
…要するに回転はほぼスタンド(幽波紋)能力であり、作中で言われている通り波紋と同じように「スタンド」を目指している途中経過みたいなもんってわけだな。
スタンド能力[編集]
『ジョジョ』の異能力バトル要素として登場する「スタンド」は、もともと人型の幽霊を召喚して殴り合わせたり撃ち合わせるものだった。だが、第7部の大部分において、スタンドはそもそも人型もでなければ、殴り合うこともない。
また、それまでの主人公のスタンド能力は、召喚した幽霊がオラオラ殴って銃弾でもトラックでも弾き返せたり、殴った物体の傷や損害を元に戻したり、救急車を操り人を轢き殺したり、鉄も消し飛ばす火を出せたりといった、「シンプルに強い」ものだった。だが、第7部主人公のスタンドは地味で弱く、普通の拳銃に負ける能力である。
具体的に説明すると、ジョニィのスタンド能力は「手足の爪を高速で回転させながら射出できる」もの。つまり幽霊が自分の手足の爪を回転させてくるという、冷静に考えると嫌な能力である。だが、足はもう動かないからうまく狙えないし、靴も靴下も破れるので、実際に使えるのは手の爪10枚だけ。10枚を撃ちつくすと、自業自得で半身不随になったクズだけが残る能力である。一応、『アバ茶』を飲むことで爪は復活するが、『アバ茶』は1日の生産量が限られているので大した効果はない。
ただ、救いがあるとすれば、それは物語が進むにつれて主人公が精神的に成長し、それに伴いスタンド能力も強くなっていくというところにある。ジャイロがなんだかんだ色々教えてくれるので、最終的にジョニィのスタンド「爪(タスク)」は、どこまでも永遠に敵を追尾する「絶対殺すマン(ACT4)」へと進化。ただ、本人がクズなのはどうしても変わらないらしく、推定無罪の相手に対してジョニィは何度もその凶悪な爪弾を撃とうとする。
どうする? 撃つか? 届くけど
〜 推定無罪の少女 について、ジョニィ
推定無罪だが…爪弾の射程に入ったなら即!始末してやる…
〜 推定無罪の騎手 について、ジョニィ
ゾンビ馬[編集]
ジャイロの家系に代々伝わる医療技術。これがあれば、たとえ致命傷を受けても次のエピソードでは完全回復している。スタンド能力(肉スプレー)も必要ない。
ただしその実は、単に「ゾンビ馬」という名前が付いただけの不潔な紐で傷口を縫い合わせるというものである。
登場人物[編集]
- ジャイロ・ツェペリ
- ツェペリ型主人公だが、ジョジョではないようだ。しかし限りなくジョジョに近いかもしれない。ジャイロボール使いの野球選手ではない。見るもの全てが黄金長方形に見える才能の持ち主だが、そんな才能は鉄球を回すとき以外には使用する術が無いと思われる。なぜかジョニィ・ジョースターにストーカーされている。鉄球を回して遊ぶのが趣味。毛抜きとダイエットの達人で、歌手としても活躍している。デビューシングルは「チーズの歌」。馬に対して420(市トゥ例~)と言いまくる。世界のナベアツファン。
- ジョニィ・ジョースター
- 元天才ジョッキーだったらしいが女の子とイチャイチャしながらコンサートの最前列をオタクから横取りしたため下半身不随となる。
- イルーゾォに似た彼女を持つ。父親とは険悪な関係だったが、後に和解した。
- スタンドは爪である。後ろに出てるスタンド像がジョニィが成長するたびに歪になっていくのは気のせいである。
- スタンドはただの爪から人間を土の中に埋めることさえ可能となった。しかも永遠に出られないというオマケ付き。
- スティーブン・スティール
- SBRの主催者であり黒幕。SBRとは「スタンドバトルレース」の略らしいが、「スティールボールラン」の略称であると公言してしまった(SBR一巻参照)。実は岸辺露伴やFFと何かしらのつながりがあるらしく、漫画家であると言う設定もあるとかないとか。でも結局はただのお爺ちゃん。ロリコン。
- SBRスタッフ
- 名前はまだ無い。双子っぽいが正確な人数は不明。モデルはザ・たっち。見かけによらずSBRレース主催者の夫人にマジギレするなどの度胸を持つ。色んな目に合うが特に気にせず平然としている。実はスタンド使いかもしれない。芸人かもしれない。
- サ(ウ)ンドマン
- 殺し屋を裏稼業にしているインド人。
- サンドマンだったはずだが、いつの間にかサウンドマンと入れ替わってた。
- 何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった。
一巻では砂をなぜか操っていた。当初は「サンドマン」のまま行くのだったのだろう。
- ブラックモア
- 変なマスクを被り「WRYYYYYYY」と叫ぶと思ったら大間違い。実はスタンド使いで、雨粒を固定する能力をもつ。
- ぶっちゃけ言うとクラフトワークの劣化版である。
- 「雨を固定できるけど、なんで本人がバラバラになって移動できてんの?」という疑問はジョジョファンの永遠の謎。実は晴れ男。「ブラックモアくんが来るといつも晴れるなぁ」などと、運動会や会社の野球大会ではチヤホヤされるが、本人のスタンド的にはとても切ない。
- それはそれとしてケンコバの百人一首は聞きにくいがここでは全然関係ない。
- スタンドは「捕まえる虹」。雨が降ってないと使えないスタンドであるにもかかわらず名前的にはすでに晴れてしまっている。
- リンゴォ・ロードアゲイン
- 髭がありえない。時間を6秒戻す。そう6秒きっかりである「マンダム」というスタンドを持つ。連続で使用することはできない。(6秒以上経ってから)実際は無限ループに見立てるように使用する。
- 彼を語るならこの一言に尽きる。「ようこそ…… 『男の世界』へ……」
- マジェント・マジェント
- 究極生命体(アルティメット・シイング)ニート。
- 最後も究極生命体らしく、そのうち考えることをやめる。
- スタンドは20世紀少年。ともだちマークとかが描いてありそうだがそんなものは無かった。
- マイク・Oである世界
- 大統領の側近の世界である世界。スタンド能力の世界は鉄をコンドームの世界みてーにベロベロな世界にして風船の世界の如く引きのばせる世界のチューブラー・べルズの世界。なお、DIOの世界や男の世界との関係はない世界。しかしDioに世界と言わせたキャラクターの世界であることに変わりはない世界であり、また、世界への執着はDIOの世界に対する執着の世界よりも強い世界。ホットパンツという名の世界により顔に泥を塗られた世界と思っていたら肉スプレーを塗られた世界であり、無理に釘を膨らませようとした世界の果てに死亡した世界。さて質問の世界だ。私はこの項において何回世界と言った世界であろうかの世界。
- アクセル・RO
- リサイクルショップ跡地でアルバイトして生計を立てる作曲家。もったいない思いで捨てている物を拾って帰ってくる癖が治らない。ジョニィとジャイロに片づけをしてもらうが、ホット・パンツの弟を食っている巨大なくまモンを持って帰ってゴミ屋敷の床が抜け落ち、ホコリをおっかぶって死ぬ。
- スティーブン・セガール
- 七部以降に登場。ゼッケン265番のコックである。スタンド能力は持たないが、その鍛え上げられた肉体と戦術で、どんな相手にも負けたことがない。序盤でアヴドゥルが転倒したのは、サボテンや鉄球はまったく関係なく、セガールが睨んだせい。
- ディエゴ・ブランドー(通称:ディオ(Dio))
- スケアリーモンスター病(正式名称、恐竜化症候群)を患っている。Dioという通称は、同じく人間をやめた男DIOから来ている(DIOは恐竜ではなく吸血鬼だが)。DIOの本名もディオ・ブランドーだが別に同じ家系というわけではない。でも倣岸不遜なトコはそっくり。
- ホット・パンツ
- アナスイの逆で男かと思ったら女だった。スタンドはそこそこ便利な肉スプレー。
- フェルディナンド博士
- スケアリーモンスター病を作り上げた古代生物学者。彼はたくさんの恐竜化した生物たちをスケアリーモンスターズと呼んでいる。クーガーに喰われた。
- ファニー・ヴァレンタイン
- 大統領。ダイエットのためにSBRレースを利用して遺体を集める。アメリカ統治とか世界征服はどうでもいい。スリムボディを得るためなら。ビールは不良学生みたいな飲み方をする。大統領なのに。また、興奮するとかわいい女性をイタズラしたくなる。大統領なのに。
- 古泉一樹が見たら一日中その能力の考察・説明で終わりそうなスタンドを得るが、本人はこれをダイエットをする上でついてきたおまけであるとしか考えていない。スタンドはジャイロのせいでウサ耳がなくなってしまった。またナプキン中毒である。
D4Cというチート性能のスタンド使い。大統領なのに。
- スカーレット・ヴァレンタイン
- 祭りが好きで女の子が大好きな女の子。最近では圧迫祭りという祭りが特に好きらしい。愛読書は「密やかな午後」というレズ本である。
脚注[編集]
関連項目[編集]
いいかジョニィ 「LESSON 4」だ
ここに「スティール・ボール・ラン」という書きかけの記事がある
今からこの記事に「加筆できるわけがない」というセリフを……4回だけ言っていい
……今のは1回にしか勘定しねえからな (Portal:スタブ)