神隠し
神隠し(かみかくし)とは神が直々に行う略取・誘拐罪、時に未成年者略取・強姦・強制猥褻・殺人・傷害・死体遺棄などの犯罪を一括りにしたものである。
一部の地域では「鬼隠し」とも言われる。
概要編集
神が行う犯罪の中でも最も発生件数が多いものとして有名である。犯行は一般的に山中などの人目につかない場所で行われる。犯行の対象となる被害者には一定の傾向があり、成人男性、特に軍人や警察官のようなハードターゲットはほとんど狙われない。これは単純に相手の腕力の問題で、返り討ちにされる危険性をはらんでいるから敬遠されているに過ぎない。その証拠に、被害に遭っているのは子供や女性といった弱者ばかりである。また、同じ弱者ではあるものの老人が神隠しに遭遇することはほとんど無い(多くの場合は唯の徘徊である)。
神隠しは主に男神による犯行だと思われているが、実際には「嫉妬心から犯行に及んだ」などの理由で警察に逮捕される女神も少なくない。日本特有の犯罪というわけでもなく、古今東西、世界中で発生している。例えば、ギリシャ神話のゼウスとヘラなどは夫婦で犯行を繰り返しており、警視庁・FBI・インターポール・欧州刑事警察機構などから指名手配されている。
神隠しの被害者はたいていの場合、数日から数年が経つとひょっこり帰ってくる。しかし、神に隠されていた期間中の記憶は曖昧になっていることが多い。この記憶喪失の理由は大きく分けて二つあり、一つは事件遭遇時のショックから健忘状態になったという被害者自身の精神的作用によるもの。もう一つは、警察の捜査をかく乱させる目的で、神が催眠術や薬物、神通力などで被害者の精神を操作し記憶を混乱させた犯行の一部によるものである。興味深いことに、この点は異星人による誘拐事件とも共通する。
一方、被害者が神隠しに遭ったまま二度と帰ってこなかったり、不幸にも死体となって帰ってくるケースもある。これは、被害者の記憶操作に失敗したり騒がれたりしたために、事件の発覚を恐れた神がやむを得ず被害者を殺害したのだと考えられる。性的暴行を加え続けるために監禁していたりすることもあると見られているが、そのような被害者は、記憶の混濁もないまま生還できたとしても事件について語りたがらないので、警察や心理カウンセラーも手をこまねいているしかない状態である。
稀に人間を「生贄」と称して殺害したり、人肉食を目的としたシリアルキラー的な残虐さをもった神も存在する。これらは多くのケースで「○○さまの祟りじゃ」などと付近住民に知れ渡ることになり、警察の捜査に引っかかり御用となるのである。
人間の報復編集
これらの犯罪の加害者である神に対して世間からの目は非常に厳しい。多くの事例が弱者を狙った卑劣な犯罪である点や、事件後も繰り返し同様の手口を繰り返すなど反省が見られないことから、厳罰を求める傾向にある。「神は死ね!」と死刑を要求する声も多く、実際に一審・二審・三審ともに検察側の求刑通り死刑判決が言い渡されることもある。また現地で捜索にあたった警察官や自衛官、猟友会に射殺されたり、自由を求める若者にチェーンソーでバラバラにされたかみもいる。
しかし、不死身だったり、死刑が執行されても三日後によみがえったりする神もいるので、注連縄で結解を張るなどして神殿に永久に閉じ込めるといった措置が取られる。これは事実上の終身刑であるが、過激な無神論者は「減刑するべきではない。殺せないなら殺し続けろ」と批判している。一方では「無闇やたらに殺しては呪いや祟りが恐いから、終身刑でいい」とする消極的穏健派もいる。
宗教学的観点からは「人間がかつての『神の言いなり』の生き物ではなくなったという時代の流れに適応できず、またそれを認めたくないがために、短絡的に時代錯誤な犯行に走ったのであろう」と犯行心理を分析している。