欧米(おーべー、別名海外)とは、日本から見て西洋のほうにある先進国である。その先進性は欧米に在住する多くの日本人から「欧米では~」(または別名を用いて「海外では~」)という形で情報が知らされる。

概要編集

欧米は日本のはるか西にある先進国である。産業革命市民革命が起こった国であり、人権意識は非常に高い。日本人の多くが憧れる国であり、歴史的に日本が位置するアジアを低いものとし、欧米の仲間にしてもらうという福沢諭吉先生の「脱亜入欧」のスローガンを掲げていたこともあった。この傾向は今でも変わっておらず、このため「日本が見習うべき先進的制度」のようなものを紹介する際にはほぼ欧米の事情が紹介される(アジアやアフリカがあえて紹介される場合があるとすれば「現代人が忘れていたスローライフを思い出そうという企画くらいである)。このことからも、現在でも脱亜入欧の精神は生きていると言えるだろう。実際のところ「欧米」としてくくられる北米と西欧の中でも制度は多種多様であり、特にアメリカとイギリス、大陸ヨーロッパ、北欧、ないし大国と小国では社会制度や基底となる考え方が大きく異なることが多く「欧米」と括るのは社会制度を論じるうえでは不適切なことが多い。すなわちこの「欧米」という雑なくくりを使うということ自体が外国事情に詳しくないということを自白する目印のようになっている。また、最近のアジアの発展に伴いアジアも先進的という声も徐々に出ていているが、どの国も人権分野で後進国であるため「欧米」の方が高いのは古代から変わっていない。

このような事情から、日本人が考える「外国人」はほとんどの場合欧米人である。例えば、日本の空港のインバウンド客にインタビューするテレビ番組では、まず欧米人から取材する傾向が強い(後述するように欧米人のほとんどは白人だが、非常に少数のマイノリティも欧米では人権的で差別されることなく扱われている)。

地理編集

 
世界地図。中央上側のNorth AmericaとEurasiaに相当する部分が欧米。

欧米は北半球に存在し、国の中央にある海峡を挟んで西側にある北米地区と東側にある西欧地区に分かれている(地図ではNorth Americaが北米地区、Eurasiaが西欧地区を表している)。人権後進国であるシベリア(Siberia)や中国(China)、極東の島国とは地理的にも隔てられている。

地形はほぼ平坦であるが、アルプス山脈などの名峰、フィヨルドなど風光明媚な氷河地形、神話の舞台となる火山、ハイキングに適した低い山などの山岳も存在する。欧米では自然保護意識が高いため、自然の森林が多く残っており、砂漠化したような場所は存在しない。南部には白亜のビーチ、風光明媚な島やサンゴ礁の海が広がっている。


国民編集

人種編集

人種・民族 (2019年)
人種別:
白人 95.0%
アジア系 2.0%
混血 (2人種以上) 2.0%
アフリカ系 0.5%
中東系 0.25%
先住民 0.25%

欧米の住民はそのほとんどが白人である。その証拠に、欧米にいる日本人の知人はほとんどの場合白人である。筆者が「欧米の友人・知人」とされる人の人種を目分量で調べたところ、白人95%のほか、アジア系と混血(ユーラシアン)が各2%、アフリカ系(黒人)と中東系と先住民(インディアン)は合計で1%であった。欧米にいる先進的な日本人が人種差別的な付き合いをするわけがないので、この数字は信頼できると言っていいだろう。欧米は人権がしっかり保護されているため人口の5%に満たないマイノリティも差別されることなく社会に溶け込んでいる。

宗教編集

欧米では主にキリスト教が信仰されているが、リベラルな気風から無神論の支持も幅広い(バルト三国北欧)。キリスト教を信仰している場合でも科学と人権を尊重しており、科学的な進化論を支持しているほか、女性が望むならば中絶も行うべきとしている。聖職者も寛容であり、性的虐待の駆け込み寺となっていることがよくある。近年は禅の影響から仏教を信仰する人も増えている。また、極めて少数の中東系住民がイスラム教を信仰しているが、欧米社会になじんでおおむね温和であり、女性の恋愛や社会進出にも寛容である。

社会編集

教育編集

欧米在住の日本人の情報によれば、欧米の高等教育は無償である。このため、学費ローンに苦しむ学生というものは存在しない[1][2][3][4][5][6]。この点は学費の値上げが続き貸与型のローンが多い日本とは大きく異なる。また、欧米にいる日本人の友人・知人はそのほとんどが大学卒か大学院卒であり、高等教育率は極めて高い。彼らの欧米情報によれば欧米には高卒はほとんどいないと考えられる。欧米にはオックスフォード大学、ケンブリッジ大学、エコール・ド・パリ、マックスプランク研究所、ハーバード大学、MITなどの一流の大学や研究所がずらりと存在する。入学試験も日本のようなテスト一辺倒の非人格的試験ではなく、全人的評価をもとにした入学選考が行われている[7][8][9][10]

高い教育水準により、社会の平均的な科学への理解度も高い。このため、日本を騒がせる反ワクチンのような疑似科学運動は存在しない[11][12][13][14]

人権編集

欧米は人権概念発祥の地であり、欧米在住の日本人の情報でも人権意識は極めて高い。まず女性差別などはまずありえず、男性はすべてレディファーストを徹底するフェミニストである。特に名門大学の学生ともなれば、性的加害を行うことなどは考えられないほどである[15][16]。一般社会でもセクハラや痴漢などは存在しない[17][18][19]。統計では一見欧米のほうが犯罪率が高いように見えるが、それは日本では人権意識が低すぎて罪とする基準が甘すぎるためであり、未申告の被害=犯罪暗数は日本のほうがはるかに多い[20] [21] [22]

また欧米では犯罪被害者のみならず加害者の人権も重視されている。日本では取り調べ時に録音などが義務付けられていないが、欧米ではこれが義務付けられている[23]。日本では拘留をひたすら延長して音を上げて自白に追い込む「人質司法」が悪名高いが、これは欧米から批判されており、例えばカルロス・ゴーン逮捕の件ではフランスの新聞は日本の司法を後進国並みと糾弾していた[24]

また、欧米は母親にも優しく、日本では子連れの入店を拒否する高級店がたまに存在するが、欧米ではそのような店は当然存在しない[25][26][27]。また、日本のようにおむつ替えスペースの整備が遅れているといったことはないし、母乳を奨励する慣習もない[28][29][30]



日本から見て歓迎される「欧米」の地域編集

日本人が「欧米」に含めない地域編集

欧米化について編集

欧米化とは日本の改革におけるスローガンである。内容は「欧米の国を真似て日本をよりよい国にしていこう」というものである。このことから日本は無条件に「欧米=絶対善」とみなしていることがわかる(まあ汚い部分に目をつぶっているだけだが)。

ただこの現状を疑問視している者もいないわけではない。その代表が自称食通たちであり、さきほどのタカアンドトシである。後者は日本人がやたらに欧米の真似をすることを「欧米か!」という文句によって風刺する芸風によって名を知られるお笑いコンビである。そして前者は日本人が近年癌にかかりやすくなってきたのを「食文化の欧米化」に原因があると決め付け、医療や食文化に脱欧米化を推し進めている団体である。

しかしこの者たちも少数派であり、依然として日本人は欧米を権威視する傾向が根強く、実態を調べもせずに「欧米ではこう!日本ではそうではない!日本は後進的!」と雑な発言を繰り返す人が後を絶たないのが現状である。

関連項目編集

  1. ^ 独大学、EU圏外留学生の「授業料免除」終了か 「無料」よりも「質」でアピール Dec 4 2017 Newsphere
  2. ^ England has highest university tuition fees in industrialised world, survey finds Tue 24 Nov 2015 The Guardian
  3. ^ 【ニュース・イギリス】学生の負債は£50,000以上に上昇(英国財政研究所発表) 2017年09月27日 日本学術振興会
  4. ^ UK student loan debt soars to more than £100bn The guardian Thu 15 Jun 2017
  5. ^ 教育大国アメリカはローン地獄に悩んでいる 東洋経済 2017/04/17
  6. ^ 総じていえば、アメリカはとんでもない学費地獄、イギリスは学費は日本並みだがロンドンは家賃が高すぎローンに苦しむ傾向にある。大陸ヨーロッパはかなり安いか無料のところもあるが、現在は値上げ気味のトレンドである。
  7. ^ アメリカの大学では「裏口」があたりまえ ~レガシーアドミッション~ 大学教員のそこが知りたい(個人ブログ)
  8. ^ ハーバード大学「アジア系差別」の深すぎる闇 2018/06/26 ニューズウィーク
  9. ^ 10歳で人生が決まるドイツの教育は「正しい」のか? 2016年4月26日 ドイツBizGuide
  10. ^ 教育制度は各国とも大きく異なっており、ここで挙げたアメリカやドイツの例はあくまで限られた例でありこれで欧米全体を語るのは到底無理である。
  11. ^ 反ワクチン派の政党が政権をとったイタリアで今、起きていること 2018年09月11日 huffingtonpost
  12. ^ 反ワクチンが招いたヨーロッパのはしか大流行 2018年11月3日 newsweek
  13. ^ ホメオパシー 厚生労働省 「統合医療」情報発信サイト
  14. ^ 疑似科学や陰謀論にはまる人の比率というのは世界でそう変わることはなく、日本で信じられている疑似科学や陰謀論にも外国発のものは多い。もちろん日本発で外国に伝播した疑似科学も少なくない。
  15. ^ 米名門校で蔓延するレイプ競争。被害女生徒が実名顔出しで立ち上がった理由 May. 06, 2018 ビジネスインサイダー
  16. ^ 性犯罪が米大学内で横行「キャンパスレイプ」の実態 2016.6.24 ダイヤモンド社
  17. ^ Serial Sex Offenders Are a Big Problem on Subways. Should They Be Banned for Life? March 20, 2019 The New York Times
  18. ^ Campagne contre le harcèlement sexuel dans le métro : "Une vision politiquement correcte", selon une sociologue 07/03/2018 francetvinfo
  19. ^ 日本人女性も要注意! ロンドンで痴漢が急増中 08 May 2014 newsdigest
  20. ^ 国際犯罪被害実態調査(2004/2005年)の概要 法務省 pp.46-51
  21. ^ 津島昌寛、浜井浩一 女性の日常生活の安全に関する調査 龍谷大学, 2016
  22. ^ 法務省の調査と龍谷大学の調査は、両方ともEUで行われているアンケート(自己申告)型の犯罪暗数調査である。バイアスがかかりにくいよう「犯罪被害あったか」ではなく「このようなことがあったか」という外形的定義を活用している。いずれの調査でも、日本は性犯罪の暗数は調査対象のEU加盟国やアメリカの中では中程度で、特に日本だけ暗数が多いという傾向はみられない。
  23. ^ 諸外国の刑事司法制度(概要) 筆者としても日本の警察における自白偏重はいかがなものかと思っている。
  24. ^ エピローグをむかえたウトロー事件。 2006/02/15 Ovni 筆者は司法についての知識は乏しいが、フランスはちょっと日本のことを言えないくらい酷いようだ。
  25. ^ カフェやレストランで“お子様お断り” 世界中で子ども入場禁止の店が増えている理由 2014/08/18 wotopi
  26. ^ 5歳未満の子供を入店禁止にしたレストラン、予約が殺到(米) 2017年4月9日 techinsight
  27. ^ 高級店への子供連れ問題③アメリカNYでは「迷惑料」を取る店も。 2018.06.20 (個人ブログ)
  28. ^ 母乳育児は大変…日本のママはこだわりすぎてない?世界の常識非常識 2017/01/08 子育て応援サイト MARCH
  29. ^ 宇津木奈々 ところ変われば…ヨ-ロッパ授乳事情 Dec 19, 2014 Glolea!
  30. ^ イギリスの母乳育児率が非常に低くLactivistsと自称する母乳推進派が活動していたり、スウェーデンで母乳育児率が100%近かったりと、このあたりはヨーロッパ内でもバラバラで、欧州というくくりさえ大きすぎるのが実情である。
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