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ボム兵(-へい)とは、黒い爆弾に足が生えた奇妙な生命体である。

マリオ界の二大砲弾

概要編集

ボム兵とは、スーパーマリオの世界に登場する生き物である。ファイナルファンタジーのボムしかり、ドラゴンクエストばくだんいわしかり、ファンタジーの世界には、爆弾と一体化した奇妙な生き物が存在する。ボム兵も、そんな爆弾と一体化した生き物の一つである。

爆弾と一体化しているため、生まれてからほどなくして爆発してしまう。まれに不発弾となって数十年生きながらえる個体も存在するが、どのみち爆発して非業の死を遂げる悲しき生命体である。

夢の国におけるボム兵編集

マリオ界でボム兵を最初に製造したのは、フジテレビ夢工場であった。当時のマリオ界では、クッパの造ったキラーという生ける弾丸がすでに存在してはいたが、この弾丸は直線移動しかできないため、簡単に標的に回避されてしまうばかりか、踏まれて足場に利用されてしまうという大きな欠点を抱えていた。夢工場はこの欠陥を克服すべく、爆弾に知力を吹き込み、手足をつけることで、標的を追いかけまわすという画期的機能を搭載した「生ける爆弾」を生み出した。技術上、キラーのように空を飛ばすことは叶わなかったが、「アシモに匹敵する人工知能であることに変わりはない」と夢の国の王様マムーは大いに満足していた。マムーは野菜が大嫌いなことで知られており、ボム兵を造った当初の目的は、各地の畑を爆撃して野菜を収穫できないようにするためであったが、ちょうどそのころマリオが夢の国に攻め込んできたことにより、これの迎撃に急遽使われることとなった。

マムー製のボム兵は、「ボム兵」ではなく「ボブ」といい、アメリカに行けば10億は軽く見つかるであろう非常にファンキーな名前となっている。マムーいわく、親近感が湧くように人間らしい名前をつけたとのことである。

ボブは生まれてすぐに爆発してしまう儚い生命体だが、前述のように、不発弾となって数十年の時を生きながらえる個体も存在する。これらの個体のなかには、自らの身体を野菜にカムフラージュし、地面にその身を埋めるという特異な性質を持つ個体もおり、ベジタリアンが野菜と勘違いしてその個体を引っこ抜くと、不発弾が発動してベジタリアンは爆死する。こうして夢の国からベジタリアンは絶滅した……かに見えたが、キノコ大好き親父のマリオと愉快な仲間たちによってマムーはコテンパンに叩きのめされ、ベジタリアン完全爆殺計画は頓挫した。

夢の国において、ボブはトンドルというコンドルに似た猛禽類に手足をわしづかみにされて運搬され、空から標的を空爆するのに利用されることが多い。ところでこのトンドルという鳥、現実世界におけるコウノトリのような存在で、両親のもとへ赤ん坊を届ける役割も担っている。そのため、トンドルが赤ん坊と間違えてボブを新婚夫婦のもとへ届けてしまい、新生児ボブ君が両親を爆殺するという痛ましい事件もたびたび起こった。

キノコ王国におけるボム兵編集

マムーが考案したこの「歩く爆弾」という技術に、亀の王様であるクッパがすばやく目をつけた。技術を手に入れたクッパは、キラーと並ぶ大量破壊兵器として歩く爆弾を量産し、名前を「ボブ」から「ボム兵」に改めた。ボム兵誕生の瞬間である。なお、ボブ時代にあった両手は、必要性がないうえに作るだけコストの無駄という理由でオミットされた。

しかし、クッパが造ったボム兵は、実は中に人が乗り込んで操縦するロボットであった。パイロットは多くの場合、一番下っ端のクリボーである。操縦方法は至極簡単。標的に突撃したあと、中のスイッチを押し、自爆するだけである。回天桜花のように、パイロットが惨死することを前提とした非人道的な兵器だが、マリオを倒すことはクッパにとって死活問題なので、手段を選んでいる暇はないのである。

なお、ボム兵が中に人が入って操縦する自爆用ロボットであることは、マリオをプレイする少年たちをはじめ、世界中の人々には全く知らされていない(ただし、各国の首脳と一部の高級官僚は承知している)。もし知られてしまえば、R-18どころでは済まない倫理問題に発展してしまうからである。

ボム兵にもさまざまな種類があり、小さいプチボムや大きいビッグボムなどが存在する。プチボムはマメクリボーが動かし、ビッグボムは総勢100匹のクリボーが協力して操縦している。むろん、このクリボーたちもマリオに特攻をかまして死ぬことが確定している儚い存在であることを忘れてはならない。

ボム兵は、コストパフォーマンスの良さとマリオに甚大なダメージを与えられる点が高く評価された。それを受け、クッパ軍団からクッパと同じくマリオと敵対する勢力へ惜しみない技術提供がなされ、いたるところでボム兵が量産され始めた。ブッキータワーがその一例である。ブッキーは、あちこちにボム兵の改良版であるハイボムを配置している。なお、このハイボムにはブッカー見習いが搭乗しており、マリオを倒してブッカーに正式に昇格する日を夢見ながら特攻をかけるのだが、もれなく犬死にしている。

自爆スイッチ編集

爆発物には爆発のための引き金が仕込まれているものだが、ボム兵の場合、背面についたゼンマイがその引き金であり、自身の動力源でもある。ボム兵は、動作が停止すると自爆スイッチが自動的に作動するように設計されている。そのため、中で操縦するクリボーたちは標的であるマリオを発見すると、近寄って操縦を止め、華々しく自爆する。

とはいえ、操縦者であるクリボーたちも死ぬことが怖くないわけではないため、自発的に動きを止めることはしない。ただ、ボム兵は身体の表面こそ堅牢だが、中身の精密機械はそれほど頑丈ではなく、マリオに踏みつけられると背面のネジが歪んでしまい、動力源が正常に作動しなくなって動作を停止してしまう。その後は自爆一直線である。

重量編集

不発弾などを撤去する際はいくつもの重機を使う必要があるが、ボム兵は一般的な爆弾や地雷・不発弾と比べるとはるかに軽く、マリオくらいの筋力があれば両手で軽々と持ち上げられる。そのため撤去するのも容易で、マリオにはむしろ敵に放り投げる絶好の武器として重宝されている。

問題点編集

ボム兵は、コストの安価さから量産されたが、マリオとその一味に対して甚大な被害をもたらすことはできなかった。その理由は、低すぎる殺傷能力と狭すぎる爆発範囲にある。

普通、爆弾の爆発に巻き込まれれば即死である。しかしながら、ボム兵の爆発ではチビマリオしか即死させることができない。ヨッシーに至っては、爆発しても驚いてパニックに陥るだけで、かすり傷ひとつ負わせることができない。この程度のショボイ殺傷能力では、無数の残機を従えるマリオを殲滅することなど、夢のまた夢である。

爆発範囲の狭さも問題である。驚くべきことに、ボム兵の自爆による爆発範囲は、人一人分、半径1、2mほどしかない。これでは、どんなに人が密集した場所で自爆しても4、5人殺せれば御の字である。あまりにも爆発範囲が狭すぎる。

積まれている火薬の量に乏しいのか、近くで他の爆発物が爆発しても誘爆することはない。これは、他の爆発物と比べると安全であるというメリットにも解釈できるが、肝心の殺傷能力がその分損なわれては本末転倒である。

 

ここより地雷原
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関連項目編集

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